おすすめしたいフォームとは?
そもそも、おすすめしたいフォームは、もう一つのフォームとあまり差がない。
だから初心者の多くがもう一つのフォームから抜け出せない。
場合によっては、中級ランナーに中にもそのフォームのままでステップアップしているだろう。
と言うのも、もう一つのフォームでも10キロを40分台で走ることはできる。
つまりキロ4分台。
市民ランナーなら特にそれで問題ないスピードだろう。
だからこそ、練習の目的を「スタミナ」に置き、フォームはそのままで走り込むことでトレーニングを続けてしまう。
少し運動能力の高い人なら、それこそサブ3も達成できてしまうのかもしれない。
それだけに、おすすめしたいフォームを練習してまで身につけたいとは思わないのかもしれない。
なぜなら、フォームの改良は時にケガを誘発させ、走れない時期が長くなってしまうからだ。
こみち自身も、これらのフォームの移行期ではないが、フォームをイジってケガをして、1ヶ月くらいまともに走れなかったことがある。
では、おすすめしたいフォームともう一つのフォームはどう違うのだろう?
ポイントは胴体と軸足の入れ替わるタイミングで、軸足を地面に置いてどれくらいで体がそこを乗り越えているかだ。
つまり、そこで時間が長いフォームほど、推進力を活かせていない。
だから地面から離れる時にしっかりと足で蹴る必要がある。
ではおすすめしたいフォームではどうか。
軸足と体が入れ替わるタイミングが早いので、つま先に体重が乗ったタイミングで足を離せば、それだけで推進力を生み出せる。
わざわざ足で蹴らなくても良いので、結果的に推進力をキープさせやすいのだ。
繰り返し説明するが、この2つのフォームの違いは足を地面に置いてどれだけ早く体が追い越せているかだけ。
と言うのも、片足ジャンプで数メートルも弾めないのだから、「足で地面を押す」ことがあまり有効ではないことを理解したい。
大切にしたいのは、「推進力」で、体が前に移動しようとする勢いをいかにキープさせるかなのだ。
だからこそ、足を早く地面に置いてしまうと一気に減速してしまうので、足が触れるタイミングをどれだけ遅らせられるか、言い換えれば体が追いついてから足を置けているかがポイントだ。
日頃からランニングしているので、街中でランナーを見つけるとついつい目で追ってしまう。
その時に体がどんなタイミングで加減速して走っているかで、接地時にガクンと落ちてしまうことが多い。
おすすめのフォームで走れていると、その加減速が少なくなり、一定のスピードで走れている。
なぜそうなるのか?
足で蹴ったりせずに、推進力をキープさせるように足を使っているからだ。
足を回すことに慣れてくると、キロ4分ペースで走ることとキロ5分ペースで走ることの差が少なく感じる。
なぜなら、足の力で走るのでなく、体が落下するタイミングに足を合わせて回しているだけなので、ケイデンスがあまり変わらない。
上級者のフォーム
つまりおすすめのフォームで走れると、上級者のフォームも理解できるようになる。
例えばそのフォームがストライド幅180センチだとして、その距離を蹴って飛んでいるのではなくて、より高い推進力に合わせて走っているだけだから。
例えばキロ3分ペースで走る時に、キロ4分ペースの時同様に足を準備できていたら、楽に走れるようになる。
しかし、実際には準備が間に合わず、もう一つのフォームになってしまうのだ。
と言うことは、おすすめのフォームで走り慣れることと、インターバルトレーニングでさらにハイペースで走ることを組み合わせ、もう一つのフォームに戻ってしまわないように意識することだ。
ただもう一つの現実を紹介すると、こみちはランニングを始めて2年以上になる。
ほぼ毎日、5キロをランニングしている。
その中で随分と楽に走れるようになって来たが、体調が良くてもキロ3分台からキロ4分台、5分台で走ることが限界だ。
陸上選手なら、その気になればキロ2分台ペースでも走れてしまう。
フォームを理解し、自分なりに習得しても、楽に走ることはできるようになるが、そもそも高い推進力に到達できないので、そこが限界になってしまう。