例えばペースによって
キロ6分、キロ5分、キロ4分、キロ3分と分けて考えた時に、ランニングフォームとして意識していることは違います。
トップスピードという観点では、地面をどれだけしっかりと押し込めているのかがペースの違いに大きく関係していますが、中長距離という観点では足の回しやすさがペースアップに伴って重要視されます。
例えばこみちの場合、キロ6分ペースは準備体操を終えて、ゆっくりと走り出した時のペースです。
足の回すテンポも股関節の動きや地面の蹴り込みも全く意識しないで、リラックスして体を動かしているという状態です。
つまり、キロ6分ペースがランニングの中心となるなら、シューズの重さにこだわるよりも、ソールの横幅が多めで、地面に接地した時に「安定感」が得られるようなモデルが好まれるでしょう。
ストライド幅も特に意識していないので、ソールの反発材などにも特にこだわる必要はありません。
極端な話。キロ6分ペースなら、シューズの履き心地に違和感がなくて、接地時にふらつかないことが確かめられていればいいのかもしれません。
一方、キロ3分ペースで考えると、足の回しやすさがより大切です。
かと言って、反発力も求めるのかというと、個人差があるかもしれません。
スタミナの消耗度を考慮すると、キロ3分ペースは少し厳しく、例えばキロ3分15秒くらいが心地よいケースで、レースなどで特別な状況でのパフォーマンスを考えて、より高反発なパワーが求められるのなら、乗り込みから踏み切りまでのタイミングがシューズの反発力と合っているのかも重要です。
ただ、キロ3分ペースで足を回した時に、ほとんど地面に触れても押したり掻いたりしていなくて、ひたすら前に素早く振り戻そうとしているので、接地時間も限界まで短くなっています。
そのわずかなタイミングに、シューズの反発タイミングが違い過ぎるとフォームそのものを大きく変えないといけないので、履きこなすまでに時間が掛かるはずです。
こんな風に評してしまうと批判を受けそうですが、フルマラソンがメインターゲットで、サブ3やサブ4を目指しているランナーなら、キロ3分ペースで走ることはそもそも必要ではなく、むしろキロ4分からキロ5分台をいかにリラックスして走れるのかがランニングでのテーマになります。
サブ3目標でも、ストライド幅が130センチ前後で走れるなら、ケイデンスは180spmで十分到達できます。
つまり、ストライド幅130センチくらいなら、地面にほぼ無意識でも到達できるはずで、言ってしまえばランニングフォームとしてはポイントを守って体をゆったりと動かしている意識です。
ケイデンスも180spmくらいなので、心地よく足を回していればいいことを踏まえると、ここは問題ないでしょう。
ではシューズに何を求めるのかですが、サブ4やサブ3目標ならこみちの場合、スピードの向上ではなく安定感です。
例えば、ソールが細身で、捻れやすく、たわみやすいと、足の裏が自由に動き、しっかりと地面にも力を加えられるはずです。
一方で、それができるほど、足首や膝関節への負担も増すので、長い距離を走るなら、そんな自由度を制限して安定感に担保した方が結果的にはいいでしょう。
重くてショックをしっかりと吸収してくれるシューズは、確かにトップスピードを出すには不向きですが、ケガや疲労の蓄積などの防止にも役立つので、淡々と走る目的なら多くのランナーにはおすすめということでしょう。
5キロのランニングの後、帰宅までの移動中、軽く流しを入れて、心地よく足を回し、段々と早くしてみたら、キロ3分10秒ペースあたりがとても心地よく体が動きました。
力感もなくて、でも足はしっかりと回っていて、ケイデンスが210spm近くになっていました。
キロ3分10秒ペースって、大学高校の駅伝にも出場できるくらいだと思うので、それだけ高い走力が求められます。
こみちの場合、安定感よりも軽量さが欲しいので、まず重くてソールが硬いものは選びません。
こみちのような市民ランナーとしては、そのペースで1キロを走れたらかなり満足できます。
それくらいこのペースで走り続けるのは、求めているものが違うので、シューズ選びもかなりポイントが変わりそうです。