「 そのシューズならキロ何分ペース?」という問い
先に結論を言ってしまうと、こみちの最高速はキロ2分20秒台。
もちろん、このペースでずっと走れる訳ではありません。
感覚的にケイデンスが210を超えたら、スタミナの消耗が激しいなるので、アップテンポで走るとしても190台までに留めておくと長く走れます。
その場合、キロ2分台は厳しくて、良くてキロ3分20秒から40秒ペースで、もう一段落とすとキロ4分10秒ペース、4分30〜40秒ペースと変化します。
このペースの変化はケイデンスではなくストライドの幅によるもので、以前から意識しているフラット接地でどれだけしっかりと乗り込みしているかがポイントです。
普段、ランニングシューズではなく、一般的な運動靴で走っていて、ソールに反発素材などはなく、前足部は薄ペラいクッションが敷かれているに過ぎません。
なので、少し大きめの石を踏めば、飛び跳ねるくらい痛いですし、路面の凹凸もかなり伝わって来ます。
でも、こみちが全速力でキロ2分20秒台で走れるのは、シューズのサイズが適切で、ソールに妙な違和感がなければ、シューズの種類は関係ないように思います。
これが陸上選手で、陸上トラックをスパイクで走るというのではあればまた違う話ですが、一般的な歩道や道路を走る範囲では、シューズ選びはトップスピードの変化ではなく、どれだけ安全か、リラックスできるかのように思うのです。
その先に、ソールの反発力でストライドを上乗せできれば、それだけ楽にスピードをキープできます。
ストライド120センチの力感で、150センチまで伸びればかなり楽になるので、そんなシューズがあればタイムも良くなるでしょう。
言ってしまえば、踵から接地するフォームでは、ストライド幅を伸ばすのは限界が早く、ペースもキロ4分辺りに落ち着きます。
ストライド幅、120センチ、130センチくらいでケイデンスを200くらいで回すので、こみちにとっては楽な走り方ではありません。
これがシューズ選びによって、190台まで落とせてストライド幅を補えたら、キロ4分ペースで走り続けることが一気に楽になります。
というのも、ペースをキープして走っている時は感覚として足をリズムに合わせて動かしているだけになるので。
つまり、接地で体幹がブレてしまうランナーは、できるだけソール幅の広い方が安定するでしょうし、接地がヒールストライクで膝関節を痛めやすいなら、推進力を犠牲にしてもクッション性の高いソールを選ぶべきです。
そうでないと、体を壊してランニングそのものが困難になってしまうからです。
フラット接地と言っても、踵が地面に強く当たっている訳ではなく、次の一歩に向かう前に踵が地面に触れてしまうという感じなので、そう考えると踵部分の厚みはあまり重要ではなく、ホールド感やソールの柔軟性の方が重要になります。
こみちの場合、ソールの硬いタイプは慣れていないので、20キロくらいまでなら別にペラペラのシューズでもいい位です。
ただ地面からの衝撃で、疲労度が増しそうなので、ある程度はソールにクッションがあると助かるかもと思います。
高反発シューズを選ぶために
接地から振り出しまでのスピードを上げるには、体幹のブレを抑えて、接地時間を短縮させなければいけません。
スパッと弾むには、ほとんど前足部だけの接地になるのは仕方ないことです。
しかもしっかりと反発する方向に重心を乗せている必要があり、それがしっかりとキープして走れれば、キロ3分ペースで走れないはずはありません。
こみちもランニングでわずかに重心が遅れてしまうので、最適な反発で進めていないと感じ、それが推進力を落としてしまう要因になっています。
ストライド幅がランニングでは重要だと思いますが、実際、大股で走らなくても、キロ3分ペースくらいなら瞬間的に出すのは難しいことではありません。
問題はキープさせることです。
つまり、反発を受けられるポイントを外さないで足を回し続けられることが重要で、さらに言えば高反発シューズを履き、そのポイントに合わせられるようにフォームを修正すると楽にいい感じで走れるでしょう。
ただ最近思うのは、アスリート志向ではないこみちに、高反発シューズを使う理由ってあまりなくて、ほとんど反発しないソールのシューズでも距離を短くすればキロ3分ペースでも走れますし、もう少し落とせば長く走れます。
タイミングを間違えた時は、ケイデンスを必死で上げても疲れるだけで思うように進みません。
当たり前ですが、ポイントを外せば、足をどんなに頑張って動かしても意味がないんです。
つまり、フォームが安定していないと、シューズを選んでもペース設定では望むような結果には繋がらないと思います。
例えば1つの指標として、ランニングパワーがどれくらいあるのかということも目安になるでしょう。
こみちの場合、頑張った時には450wを超えますが、しっかりと加速している時は500を超えます。
450wと500wのフィーリングはかなり違っていて、その違いの根幹は乗り込みの上手さに通じます。
なぜ高反発シューズを履くと速く走れるのか?
物理学として考えると、以前から不思議に思っていた現象でした。
よく「バネ」というワードを使い、「高反発シューズはバネを使っているから速く走れる」という説明を見かけます。
しかし、バネをたわませる力が変わらないのに、結果的に速くなることにまだ納得できていませんでした。
トランポリンを使うことで、垂直飛びよりも高く弾めます。
入力する力は同じなのに、なぜ結果として高さがかわるのしょうか。
冷静に考えると、体重が保つエネルギーの活かし方の違いだと気づきました。
つまり、人間が素足で走った時に地面から得られる反発力よりも、カーボンプレートの入ったシューズならより高い反発力を生み出せるということ。
「バネ」という説明よりも、「自重の活かし方」の差でした。
例えば、ランニングでも、地面から数十センチ上から最大の速さで足を動かすのは大変です。
しかし、接地の瞬間だけに合わせて、強い力と同時に体重を乗せられれば、高い反発力が得やすくなります。
これは大股で走らなくても、ポイントさえ掴めば簡単にいい感じのペースで走れてしまうのに似ています。
言ってしまえば、「自重」の活かし方が高反発シューズを使うと簡単になるということでしょう。
よくペースを安定させる区間では、地面を蹴ったりしても意味がないと指摘されます。
それは、足の力が体重で生み出す力よりも小さいので、ペースをキープさせる区間では逆に邪魔をしないフォームが理想的なのです。
これは仮説ですが、厚底のカーボンプレートシューズを履いてより速く走れるということは、まだまだ自重の処理に改善ポイントがあるとも言えます。
そう言えば、トランポリンで弾む時に、膝関節を曲げ伸ばししない方が楽にジャンプできるというのも、自重だけを活かしてジャンプする方がジャンプ力の邪魔にならないからです。
またランニングでも足首や膝関節を固めて走るように指摘されますが、シューズの反発なら自重さえ同じなら反発力に違いはないので、それだけ幅広いフォームを受け入れてくれるということにも繋がります。
もしかすると、キロ3分ペースくらいまでに限れば、それこそ脚力の差ではなく、自重さえ上手く扱えればそれなりに走れてしまうのかもしれません。
そして、ランニングシューズは、安定感や疲労感に効果を発揮したり、また上手く自重を扱えないランナーでも簡単に推進力へ転換しやすくなるという働きが期待できるのでしょう。
そんな結論になりました。
特にアキレス腱を使って走っていないランナーには、より効果が発揮されやすいということなのでしょう。