普段キロ6分ペースなら…
例えばキロ6分ペースでランニングされる人なら、500m(もちろんそれ以上でも以下でも)くらいを気持ちよく駆け抜けるとまたいつもとは違う爽快感が得られます。
この感覚は、車やバイクを走らせている時に似ていて、ストレスのない心地よさに通じます。
今朝も雨があがるのを待って、ランニングに出掛けたのですが、最終的にキロ3分10秒ペースまで上げて走り、爽快感に浸ってきました。
ランニングを終えて、帰路はウォーキングをするのですが、気分次第で軽いジョギングを混ぜたりもします。
その時に、キロ6分ペースで走ろうとすると、接地時間があまりに変わり過ぎて、さっきまでなら足が地面から離れているタイミングでも、まだ粘って足を着地させたままにしなければいけません。
それって速く走る以上に大変で、最初はキロ6分ペースということも多いのですが、キロ4分、3分とペースアップに体が慣れてしまうと、キロ6分まで落とすくらいならウォーキングの方が馴染みやすくて、踏み込みを全くしないで足だけを軽く回して走ってもキロ4分30秒くらいにはなってしまいます。
ランニングはリズムだと思っていて、それは接地の巧さで決まります。
ブレーキを掛けずに流れるように走れれば、最初の加速のまま足を回しているだけなので、キロ4分30秒ペースだとしても、足を動かしている限りは苦しくありません。
言ってしまえば、キロ4分ペースだとしても同様で、そのリズムが分かると、あとはテンポを崩さないで足を動かすだけなので、速く走っているという感覚もありません。
ですが、キロ6分まで落ちてしまうと、今度はゆっくりのリズムに待ちきれず、それにタイミングを合わせるのが一苦労で、体が動きに慣れた後は走れないペースだと気づきました。
というのも、最近のランニングってキロ4分ペースがかなりゆっくりのリズムで、キロ3分40秒から20秒辺りが走っている感覚が得られます。
流石にキロ3分ペースは、かなり足を回している感覚になりますが、ゆっくりのリズムで走れなくなってしまいました。
普段よりも歩幅を半分にして歩くのって、楽に思えて煩わしく感じるのと同じで、股関節の可動域を半分にしてストライド幅を強制的に狭めるのってやはり面倒です。
股関節をいつも通り動かしていたら、地面を押し込んだりしなくてもキロ4分ペースくらいになるので、「心地よく走る」を体感してしまうと、それなりのペースになってしまうのです。
スプリントフォームがランニングフォームと異なるポイント
ある陸上選手が、400mを上手く走る方法として、中間(200mから300m辺り)でいかにスタミナを残してスピードを維持できるかが大切だと話されていました。
その当時、話を聞いてスピードを保ちつつスタミナを温存させるということがイメージできず、何を言っているのかと思っていました。
しかし今になって思うと、「つまりスプリントフォームで走る」という話なんだと思うのです。
あえて区別するなら、太ももの使い方を押し下げる方向に使うのではなく、振り上げる方向に使えばいいのですが、押し下げる場合は軸足主体の走り方で、振り上げる場合は遊脚主体の走り方になり、走る上での意識がが逆になります。
スプリントフォームは振り上げる場合に近く、地面を掻くのではなく、地面で弾むような動きが特長です。
たとえとしてイメージできないかも知れませんが、自転車がランニングよりも速く移動できるのは、ギア比を変えて効率的に推進力を整える他に、漕いでいない時でも勝手に車輪が回って進むことにあります。
つまり、ガツガツと地面を一歩ずつ掻くように走ると、それをやめた時に一気に失速するのですが、スプリントフォームのように弾むことができれば、速度を上げない時でも落とさないように弾み続けることはできます。
この落とさないように走るがポイントで、短距離走以上の距離を疲れを抑えて走るには欠かせないテクニックになります。
加速でも減速でもないので、地面を上から押しさせすれば、そこでポンと弾んでまた前に進めます。
言ってしまえば、この感覚で走るとペースを問わずに走り続けられるので、例えばこみちがキロ3分ペースでも走れてしまうのは、50mを9秒で走るつもりで加速し、後はそのスピードのまま弾んでいるからです。
キロ3分20秒ペースが50m10秒なので、ペースをキープする余裕も増えます。
もっと落とせば余裕も増えますが、あまりに遅くなっても待ち時間が長くなってしまうので、心地良いペースというのがあるはずです。