同じペースでもモッサリするのはなぜだろう? ランニングの話

 キロ3分〜キロ3分30秒ペースでの話

キロ5分や4分に比べて、キロ3分台のペースではケイデンスやストライド幅も増しています。

特にランニング全体の質を決める「接地」前後の動きも時間が限られます。

ただ、キロ2分台のペースとは異なり、キロ3分台はまだ余裕もあるので、詳しくランニングフォームをコマ送りして確認すると「接地」での動きで、「着地」と「乗り込み」「踏み切り」をそれぞれ個別に行うことも可能です。

しかしながら、分割するということは乗り込みでの反発は失われているので、お尻を使って走っているというよりも、体を伸ばした押し込みで推進力に変換している可能があります。

自身のフォームを世界的なエリートランナーと比較すると、彼らが身体の真下で最も強く踏み切っているのが分かります。

それを行うためには、「接地」で「着地」から「踏み切り」までが一瞬で処理されていることが分かります。

それだけ一連の動作が短時間で処理できるので、同じケイデンスやストライド幅で、ペースとしては変わらなくても余裕さが違って見えるのでしょう。

少し動画再生速度を早めて、やや遅いくらいの再生に戻してみると、やはり両足がクロスする位置が異なります。

トップランナーたちはやや前側から真下で行い、こみちはもう少し後方で終えています。

陸上競技の用語に「足が流れる」という言葉がありますが、それはつまり「接地」の処理速度が遅いことで、走っているペースに対し時間が掛かっているということを意味します。

余裕のある無しとは言えますし、さらにペースアップできる可能性とも言え、それだけ安定感の乏しいフォームで無理して走っているということでしょう。

キロ3分台のペースは、中長距離走という意味では、遅いスピードではなく、今後の練習でもっと長く走れることを目指したとしても悪いことではありません。

しかし、こみちとしてはモッサリとしたフォームを改善することが希望で、そのためにはキロ3分台のペースで走れること以上に、ペースをもっと下げてでも、「接地」が上手く処理できるフォームを目指したいです。

ランニングは両足が回転している動作だけれど

ランニングフォームは、両足が絶え間なく回転していれば、転倒するというような破綻は起きません。

しかし、回転速度を上げて行くと、ランニングレベルによって、それ以上上げられないタイミングを迎えます。

こみちの場合、ケイデンス230台がそのタイミングですが、ここでちょっと考えるべきことは回し始めるタイミングを変えることでケイデンスも変わるのではないかということ。

というのも、足の回転は常に力が発揮されているのではなく、一回の回転で2回のタイミングで回っています。

それが接地時と振り出しの時です。

多くのランナーは片足で接地したら、反対側の足を前に振り出すことで効率的に力を足に伝達しています。

ただ、エリートランナーたちは、そのタイミングが早目で、接地前から始まって、接地直後には振り出しが終わっています。

これがこみちなら、接地で軸足に体重が乗り、遅れて体が軸足の上を通過しながら「乗り込み」へと移行し、時のその後で反対側の振り出しへと続きます。

「お尻で走る」を接地後にしっかりと地面を軸足で押し込むと理解していると、こみちのようにモッサリとした動きになります。

もちろん、ランニングを始めた当初と比較すれば格段にスピードも出せるフォームになったと言えるのですが、やはりその動きに違和感が拭えないのも事実です。

ケイデンスが頭打ちになってしまうのも、接地前後の処理が遅いからで、やはり中上級者のフォームではその処理がさらにスムーズです。

これはキロ3分台のペースだけの話ではなく、例えばもっと遅いスピードで走る時でも、処理はスムーズであとはゆったりしているフォームはやはりキレイに見えます。

何より反発力を活かして走っているので、普通に流していてもストライド幅も広くなりキロ5分ペースくらいになってしまうかもしれません。

以前、陸上選手のコメントで、LSDの練習が苦手という話を聞いたことがあります。

LSDとは、いつもよりもゆっくりしたペースで時間を掛けて距離を走る練習メニューですが、確かにフォームが完成されていると処理速度が変わらないままゆっくり走るのは逆に大変かもしれません。

だからと言って、いつもよりも処理を格段に遅くするとランニングのリズムを崩して走り難くなるでしょう。

心肺機能の向上やスタミナの向上という目的と理解し、フォームにこだわらずに行うしかないのかもしれません。

実際、処理速度を意識して走ると、普段よりも疲労感が強くなります。

ペースを変えなくても、処理速度を遅く、タイミングを少し遅らせると走り慣れているので楽に感じます。

体調が悪い時はさらにその処理速度が遅くなって、代わりに力ばかり使って走るので、疲れる割にペースも落ちてしまいます。

練習では、常に処理を早くして走るのは難しいですが、両足が動く軌道とタイミングを確認しながらペースを落としてでも動きを覚えることが大切だと思います。

今朝のランニングでも確認したことですが、動きがしっかりとしているとキロ3分台ペースになるのは自然なことで、積極的に足を回す意識など必要ありません。

それだけ早いテンポで足を動かすことができるポイントに合って来たということなので、そのフォームをキープしながら走れるように頑張ります。

以前はそのように自然な流れのフォームと、股関節をさらに入れて走るフォームが別個にあって、キロ4分から4分30秒辺りで切り替えていたように思います。

しかしそれは回すタイミングが合っていないまま、足を使って地面を蹴り込んで推進力を上げていた証拠でしょう。

というのも、目指しているフォームの場合、動きさえキープすれば勝手にキロ3分台になり、それは処理が早くなってケイデンスも上がって、しっかりと踏み切るのでストライド幅も伸びるという良い循環になるからでしょう。


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