ランナーが「スプリント」の練習を考える話

「スプリント」は「ランニング」と違う!?

ランニングが習慣になり一年が経過しましたが、今はランニングよりもスプリントに興味があります。

ここでいうスプリントとは、より推進力の高いランニングフォームで走ることを指し、以前まで行っていたランニングフォームとはいくつかの違いを見つけられます。

「真下着地」と「乗り込み」「振り出し」

ランニングを始めるとどこかのタイミングで「真下着地」というワードを耳にすることでしょう。

その時に疑問なのが、「真下」の定義やそもそも「真下着地」の意図や狙いは何かというでしょう。

距離は除外して、「今からキロ3分ペースでランニングしてください!」と言われて、100mでもいいので走れるという方なら、この先を読んでも特に興味深い話は出てきません。

しかし、キロ4分ペースなら出せるけれど、キロ3分ペースはちょっと厳しいと感じる辺りのランナーなら、今後の練習の参考になるヒントやキッカケがあるかもしれません。

というのも、こみち自身、キロ4分ペースまではキロ5分ペースのフォームの改良版で到達できましたが、キロ3分ペース(もっと言えばキロ2分30秒以下)になるとフォームを根底から見直す必要がありました。

その結果、例えばランニングを始める時に、ポンと走り出してもキロ4分ペースが速いとは感じません。

なんなら調子に乗ってキロ3分ペース前半までだすことも可能です。

というのも、インターバル練習などで、200mから400mくらいの距離をダッシュして、歩き若しくはゆっくりジョギングで繋いで、またダッシュするというようなこともできるようになり、その時はキロ3分台も当たり前になって来ました。

誤解しないで欲しいのですが、結論を言えば速いか遅いかの違いはフォームです。

キロ3分ペースのフォームができれば誰でもそのスピードになり、そうではないフォームならこみちも出すことができません。

つまり、「真下着地」とか「乗り込み」「振り出し」のような動きに着目するようになって、キロ3分台のペースが身近になったということです。

踵着地のランニングフォーム

踵から着地するランニングフォームは、多くのランナーが用いています。

こみちも疲れて体がバテてくると、踵着地をして足の裏を転がすようにピッチで走ります。

ただ、踵着地にもいくつかあって、骨盤が寝たような腰が落ちたフォームだとどうしても前に振り出した足が地面からあまり離れていません。

さらに全体的に後ろ重心なので、前に進んでいかないフォームです。

しかし、同じような踵着地のフォームでも、腰が落ちていない(骨盤が気持ち前傾した)まま真下に着地し、コロンと足の裏で転がして走る方法もあります。

地面に対して腰の位置が少し低いことで、踵から地面に触れてしまうものの、実際に体重が掛かるのは母指球辺りというフォームなので、同じ踵着地でも推進力が異なります。

リラックスした上半身と骨盤を寝かさないフォームをキープしていなければ、毎日頑張って10キロのランニングを続けても、心肺機能は向上しても、走力は思うように上がって来ないでしょう。

特にキロ3分ペースというスピードを出せないとは言いませんが、力技になってしまうでしょう。

なぜスプリントなのか?

言っても、今のこみちも計測してはいませんが、100mをよくて13秒台で走れる程度です。

いわゆるスプリンターと呼ばれる短距離走の選手から見れば、圧倒的に遅いペースです。

ただキロ3分ペースも、50mを9秒で走るくらいなので、そもそも速いということはありません。

ランニングフォームとスプリントのフォームは似ていますが、意識して習得しないと身につかないのはスプリントの方です。

具体的な違いを挙げると、ストライド幅が150センチ以上で走れるようになります。

体の動きとしてスプリントを習得していると、ランニングでキロ4分ペースが頑張って出す速度ではなく、どれだけリラックスしてキープできるのかという課題に変わります。

だからこそ、ランニングだけを続けてスタミナを武器に頑張るよりも、スプリントの基本動作をマスターして、そこからランニングフォームに落とし込む方が楽しいですし、弾むように走ると爽快感もあります。

今朝も5キロのランニングをして来ました。

ペースはキロ6分です。

「アレ?」と思われるかもしれませんが、ランニングはそれくらいのペースでリラックスして走ることがいいと思っています。

しかし、それでも勝手にキロ5分、4分と速くなってしまうからです。

スプリントの動きができると、接地前後のスピードが変わるので、聴いている音楽がアップテンポだったりするとそれこそ足が自然に回ってしまいます。

こみちの場合はストライド走法なので、踏切りで強く弾むとキロ4分30秒ペースでもケイデンスは160台のままということも珍しくありません。

例えるなら、バウンディングをして走っているような感覚です。

でも自慢話ではなくて、スプリントの動きを練習した結果なのです。

ピッチ走法が得意な人であれば、ゆっくりと走っているタイミングでスイッチが入ればグングンと足が回ってペースアップしてしまうのではないでしょうか。

いずれにしても、接地前後の時間を短くするには、接地のタイミングを遅く、振り出しを早くすることです。

つまり体重を軸足で受け止めるのに掛かる時間を短縮する方法を考えればいいのです。

だからこそ「真下着地」して、そのポイントで体重を受け止めて前に進みたいのです。

できればフォアフット(前足部)で接地すれば、そのままスムーズに重心移動ができます。

言うなれば、スプリントの基本動作を知ることはこの接地時間を短くするための練習です。

軸足が接地した時に

軸足が接地したタイミングで、反対側の遊脚が真横くらいに来て欲しいです。

スプリントの動きでは、もっと前に振り出していたいのですが、接地した時に体の後ろ側に足が残っているフォームでは伸び代がありません。

つまり、前後に足を開いて、その状態のままで接地のタイミングを迎えてはいけないのです。

開いた両足が空中で閉じ始め、ちょうど前と後ろの足が入れ替わるタイミングで接地します。

だから「真下着地」なのです。

スプリントの動きで一番苦労するのは、足を大きく開くことではなく、その開いた足を閉じる動きを空中移動している間に行えるようにすることです。

これは体験談ですが、前後に入れ替えながら走れるようになると、わざわざ踵着地する方が面倒に感じます。

一定の動きとは異なるからです。

ランナーの方々が「ジョギング」を多く練習している理由も、この動きを反復練習しているからではないでしょうか。

動きをマスターすれば、テンポを変えて走るのは簡単です。

つまり、キロ6分ペースでも、しっかりとフォームの確認をして走ることで、心肺機能の向上とフォームの安定感を身につけられるからです。

加えて、ポイント練習で、ペースアップした動きをマスターできれば、自然と走力が上がってくると思っています。

スプリントの動きを身につけると、よりランニングを楽しめると思います。

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