『ランニング上達』のポイントを考えた話

 「ランニング」とは何か?

「ランニング」を理解するには、「ウォーキング」と「スプリント」の違いを知ることが近道です。

ランナーの走力が潜在的に100だとするなら、100を出し切れるのは「スプリント」になります。

一方で、「ウォーキング」ですが、一年間ランニングを習慣化して思っているのは、移動手段として誰でも習得しやすい反面、効率的な手段とも言えない気がします。

自力移動という範囲で、スプリントとウォーキングを除外した残りが「ランニング」になるのですが、あえて特徴を挙げるとするなら、「全力」ではないことでしょう。

例えば、ランニング似た言葉としてジョギングがありますが、よく言われるのは一緒に走っている人と会話ができるくらいの負荷(ペース)で走るのがジョギングだそうです。

それ以上のペースで走ることをランニングと言い、でも全力で走るスプリントとも異なります。

ランニングとスプリントの違い

一番の違いは、接地時間に現れます。

接地時間の間に行う動作は、前に出した足が軸足となって、その足に体重が乗り、さらに反対側の足振り出されたタイミングで軸足が地面を離れてます。

これらの動きを行う時間が接地時間で、ランニングはスプリントよりも長くなっています。

全力疾走ではないので時間が掛かるという説明もできますが、一番の原因は一連の動きを個別に行っているからでしょう。

つまり、スプリントの説明を全力と言いましたが、もう少し補足すると、「同時にできることを処理している」ことがスプリントとも言えます。

スプリント的な要素で走ることができるようになれば、それはランニング(全力疾走ではないペース)でも流用できるということです。

つまり、ランニングを上達するためには。いかにスプリント的に走れるようになれるかということです。

全体的なペースではなく、接地時間に行う動作をどれだけ上手に処理できるようになったのかが、ランニングの上達とも言えるからです。

ランニングを上達する近道

ランニングを上達するには、スプリント的な動きが不可欠だと言いました。

簡単な確認方法を挙げるとするなら、「ケイデンスが240spm以上で走れる」ことを目安にしましょう。

例えばこみちの今日のランニングでは、最も数値が高くなって「231spm」でした。

キロ5分前後のランニングをしていると、まずこのようなケイデンスにはなりません。

そして、240spmという数値目標に対し、231spmでもキロ2分40秒ペースくらいが出ています。

つまり、ケイデンスを240spmまで意図的に上げられるようになれば、フルマラソンのペースで速度を上げるという課題から解放されます。

ということは、練習で上達するべきポイントが、「ランニングをいかにスプリントに近づけられるのか?」ということになり、それはつまりスプリント的に走るフォームからのデチューンとも言えます。

というのも、ランニングフォームでペースを上げようとしても、こみちの場合キロ4分40秒前後で限界を迎えました。

その時にフォームを作り直し、キロ4分20秒くらいで走れるフォームに変えました。

つまり、「変えた」という意味は、今にして思えば「スプリント」的な動きを取り入れたということです。

腸腰筋の動きや空中での足の入れ替えなど、スプリント的な動きの基礎を練習メニューに加えた頃です。

運動経験や体格、年齢などによって一概には言えませんが、キロ4分ペースを出すには少なくともスプリント的な動きを習得し始めているはずです。

キロ6分ペースでもキツいと感じてしまう場合、筋力や柔軟性に加えて、体重などがスプリント的な動きに対応しきれていないからでしょう。

というのも、こみちも3キロの重さの荷物を背負って走ると、キロ4分ペースで走るのはキツいです。

筋力や動きとしてできるようになっていても、「体重」が変わるだけで思うように走れません。

つまり、ダイエットの目的でランニングされるなら、スプリント的なフォームを身につけることは難しく、無理をしてしまうと膝関節などを壊してしまうでしょう。

ということは、ランニング上達にスプリント的な動きが必須だとしても、その準備ができていなければ、焦ってはいけないということです。

ランニングをいきなり始めて、フォームも気にしないで5キロ10キロを走れてしまう人もいますし、それでも膝関節を壊さないかもしれません。

しかし、今にして思えば、こみちは膝関節を痛めた記憶がありますし、ふくらはぎの痛みで思うように走れていない現実もあります。

ランニングの上達を妨げるのは、「無理を強いる」ことです。

何となく「ランニングで5キロを走れる」というととりあえずの目安のように感じますが、実はそうではありません。

もしも今からこみちがランニングを始めるとして、それを今の自分が指導するなら、短い距離からスプリント的なフォームを習得させるでしょう。

それがまだ難しい段階なら、柔軟とバランス感覚を向上させるメニューを加え、いきなり走るのではなくウォーキングを勧めます。

ケガで走れない時によく練習メニューで使っていたのですが、足を太ももが地面に水平の高さまで持ち上げて、一瞬静止してから膝下はリラックスしながら振り下ろすという動きを繰り返します。

ランニングで1キロ走るよりもずっと大変で、実際、こみちは2キロ3キロと足の動きだけを練習していました。

結果、足が治ってからは、苦しくなってからでも足が前に出せるようになり、以前よりも粘りのあるランニングフォームに変わりました。

めちゃくちゃ地味ですし、キツいですが、それこそ5キロ続けられるようになったら、5キロ走のタイムは思った以上に向上しているでしょう。

というのも、足を正確に引き上げて下すという動きも、初心者の頃はかなりバラついています。

フォームが不安定で、スピードに乗れない原因にも繋がります。

なので、徹底的に動きを練習すれば、体幹も上がってフォームがブレません。

ペースが上がらないはずはないでしょう。

つまり、その基礎力を最初に身につけてから、フォームとしてスプリントを学び、さらにランニングへと移行させる流れが、ランニングをより早く向上させるメニューだと思います。

例えば、今日のランニングはトータルで18キロになりました。

消費カロリーも1000kカロリーを超えています。

でもランニングを始めたばかりの頃も、思いつきで15キロとか20キロを移動したりしていました。

膝も痛めましたし、足はガクガクになって階段の登り降りもキツいくらいです。

同じ距離でも効果としては全く違っていて、こみちの場合はその後もランニングを続けられましたが、膝関節を痛めてしまうことで日常生活に支障が起こり、ランニングをやめてしまうということが起こり得ます。

ランニングの上達という意味では、やめてしまうことが一番望まない結果でしょう。

個人的には、初心者の段階では距離よりも順番の方が大切で、継続できる範囲で少しずつ取り組むくらいが理想です。

焦らなくても、半年後には同じような段階になっていて、練習課題も大きくは変わらないからです。

スプリントが極限の運動能力なら、ランニングは継続し続けられる能力が求められます。

つまり、ケガをしないで練習できるという準備がランニングの上達には欠かせません。

勢いで上達するものではなく、コツコツと課題を克服しながら上達するのもなので、例えばランニングフォームで走っていると、スプリントフォームに取り組んだ相手にはペースを合わせられません。

こみちで言えば、キロ4分40秒の限界を迎えてからも同じ練習を続けていたら、慣れて走れる距離は伸びても、トップスピードは上がらなかったでしょう。

事実、こみちも従来のフォームで走ると、同じようなペースに落ちています。

つまり、フォームに合ったペースでしか走れないということなんです。

キロ6分ペースから上げるのがキツいのは、そのフォームの限界だからです。

フォームを作り直すには、筋力と体幹、バランス感覚、柔軟性が伴った時なので、ランニングだけを続けてもできるようにはなりません。

だからこそ、スプリント的なフォームを知ることがキッカケになって、どう動けば速く走れるのかを知ることで、ランニングの上達スピードが変わると思います。



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