「なんば走り」とキロ5分20秒ペースの話

「なんば走り」を自己解釈して試してみた

一般的なランニングフォームでは、右肩と左腰、左肩と右腰が連動して動きます。

それが、なんば走りでは右肩と右腰、左肩と左腰を連動させます。

ランニングフォームの着地の話で、自重を推進力に転換させるという機能は、一般的なフォームもなんば走りも同じ動きをしています。

動きがシンプルという意味では、なんば走りはそれ以外の動きを封じることで、結果的に楽に走れるのだと思います。

つまり、なんば走りでもこみちの場合、練習すればキロ5分20秒くらいで走れると思います。

でもそれ以上のペースになると遊脚の動きも連動させるので、制限されたなんば走りでは都合が悪いことも出て来ます。

また、キロ5分20秒ペースという意味では、走る距離が50キロを超えるなら、現時点でどちらのフォームでも同じくらいのペースになるので、疲れが少ない(無駄な動きを制限する)なんば走りがより楽に走れるのかもしれません。

とは言え、一般的なフォームでも、体のねじりを使って走る方法もありますが、最近は骨盤の上下動を使ってより強い推進力を得る練習をはじめて、それはつまりなんば走りでも活かせる強化です。

接地した瞬間に、関節を固めた軸足を骨盤でさらに下に押し込むような動きを試しているのですが、それができるようになればなんば走りでももっと速く走れるかもしれません。

ランニングからスプリントへ

ランニングがスプリントに変わるポイントは、身体の動きに特化した時でしょう。

ランニングのハイペースも、多くはキロ3分台で、それは50mを9秒台で走っているペースです。

つまり、速度として出せないというよりも、その速度をキープさせるのが難しいという課題がランニングです。

一方で、スプリントはどこまでトップスピードを高められるのかという、持続性(実際には無関係ではありませんが)を切り離したフォームの追求になります。

ランニングではわずかな差でしかないフォア着地と踵着地ですが、そのわずかなロスを切り詰めるのがスプリントなので、やはり踵着地を選ぶスプリンターはいないでしょう。

なんば走りのメリットは、一般的なフォームとも根底で重なっているのですが、例えば「ヒップロック」や「関節ロック」などはどちらでも欠かせない技術になります。

一般的なフォームでも、手足をダイナミックに動かせば、それだけ可動域が広くなり、ケイデンスを低下させてしまいます。

例えるなら、大排気量のエンジンは、エンジンそのものが重く、スタート局面では軽量なエンジンよりも不利になります。

つまり、初速段階は、小さな力をより連続的に発揮させた方がスピード上昇に効果的だと思うので、いきなり大きく手を振ろうとするよりもケイデンスを意識した方がいいはずです。

実際、キロ3分30秒くらいのペースであれば、手足を大きく動かさなくても、接地でしっかりとタイミングを合わせて、それに連動させた動きを加えれば対応できます。

よりコンパクトなフォームでも、ストライド幅は意外と低下しません。

それは、足を前に振り出してストライド幅を稼いでいるわけではなく、接地でしっかりと踏み切ることが重要で、それはつまりなんば走りで特化した「踏み込み」にも重なります。

試してみて分かりましたが、本当に一般的なフォームと違いはなくて、もちろん手足の連携は異なりますが、接地での技術的な部分はかなり共通点が多く、長くゆっくりと走り続ける場面では、同じような体の動きをして走っていたことに気づきます。

キロ5分台のペースで走るランナーは、その練習過程でなんば走りを学んでもいいかもしれません。

手足の動きが気になりがちですが、接地の動きという部分は同じに思えます。



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