「走る」という行為を再確認してみたら
みなさんは競馬に興味はあるだろうか。
4本足で走る馬の動きは人間とは異なる部分もあるが、共通点もある。
こみちが着目したのは「背中」で、足の動きに合わせてしならせている点に着目した。
馬の場合も人間の場合も、走る行為をより力強く行うには、足以外の筋肉を使うことが欠かせない。
背中をしならせるとは、馬の場合なら両手足が伸びた状態と内側に寄せられた状態で、背中が曲がったり反ったりしている。
人間の場合は、軸足が接地した状態では背中が反り、その足が前に振り出される時に丸くなる。
ただ人間の場合は絶えず両足が交互に動いているので、極端に背中が反ったり丸まったりはしていない。
代わりに背骨を軸にして骨盤が前後に動いている。
つまりは股関節の可動域を広げることは、背中の筋肉を使うにも通じ、股関節が硬いと背中の筋肉を有効に使えていないことにもなる。
イラストの図は、ランニングで大切な「空中移動」を示している。
ストライド幅がランニングスピードの決定す大きな要因となるが、「空中移動」つまり、イラストのような状態がどれだけランニング中にイメージできるのかが重要になる。
ピッチ走法も、厳密に言えばストライド走法と大きな差がある訳ではない。
しかし、まだランニングフォームが完成していない初心者の時は、「空中移動」がないので、結果的に足をどれだけ早いリズムで動かすのかに意識が向いてしまう。
でもそれをピッチ走法と呼ぶべきではなく、あえて命名するならバタバタ走りとでも名づけべきだろう。
ではピッチ走法と何が決定的に違いのかというと、ピッチ走法でも「空中移動」が行われ、ただ前に踏切る角度が低く、ストライド走法に比べて空中移動する距離が短い。
そうすることで、足が接地するタイミングが短く、ケイデンスが上がる。
こみちが毎日のランニングで気づいたポイントとして、キロ4分ペースには絶対にあるものを探すと、この「空中移動」、つまりイラストのように前に振り出された後に前後の足が浮き上がり、特に前足の太ももが見ている時間がある。
それを意識できた時は、少なくともキロ4分20秒以下で走れている。
例えばキロ5分ペースでは、もっと足が低い軌道で動いて、イラストのようなフォームが短くなる。
「空中移動」をランニング中に実感するために
多分、バウンディングのような練習をすると、「空中移動」している姿勢を自覚するだろう。
しかし、初心者の段階で、片足で着地して反対側の足を振り出してジャンプすることは簡単ではない。
しかも1回ではなく、連続して交互に続けるとなると体幹がある程度強いことも不可欠だ。
例えば、ケンケンのように、片足で小さなジャンプをして、着地と踏み切りの両方をリズミカルに行うような練習もおすすめだ。
ただ、おすすめではあるけれど、慣れない内は膝を一発で壊してしまう可能性も高いので注意が必要。
こみち自身も習得するまでに、約1ヶ月くらいの練習期間を設けたし、それくらい少しずつ行わないと初心者はケガするリスクがあるし、場合によっては不適切なバウンディングになってしまうだろう。
例えば、最初は移動距離を短くして、極端に言えば50センチくらいでも十分だろう。
勢いで行うのではなく、リズミカルに行いつつも1回ごとの踏み切りをしっかりと体幹を安定させていることがポイントで、何よりこれを練習するには「真下着地」ができるようになっていることが前提である。
目指すべきイメージとして、ランニングはずっと空中移動をしている感じで、時々失速した時に着地して推進力を得るという動作が入る。
キロ4分ペースなら踵着地でも問題ないが、キロ3分ペースに近づくと、つま先が一瞬接地して、空中移動を続けている感覚になる。
足を前にも後ろにも出さず、上下に動かしているだけになる。
つまり、ランニング中の90%くらいがイラストのような移動状態で、残り10%で交互に着地しているような感じに近づく。
なので、接地した状態で足が何をするべきかというと、地面を押すことではなく、素早く足を前に上げることだ。
というのも、ペースが上がると真下で接地しても体はすぐにストライド幅の150センチ以上も前に進む。
つまり、接地した足を早く上げないと、そこに取り残されてしまう。
だからこそ、素早く足を前に持ち上げることが大切で、もっと言えばしっかりと体重を支えるだけの安定感が前提になる。
こみちのランニング中の課題
表面の荒れたアスファルトの上でいかに推進力をキープさせるべきかということ。
比較的表面の綺麗な場所では、安定して走ることが出来る。
しかし、表面がボコボコしていると、足を地面に置いた時に体幹がブレる。
つまりそれだけ素早く推進力を得られない。
また接地の位置が上下動すると、伸ばした足が最適な距離で接地できなかったりする。
荒れた路面で、ココなら大丈夫という場所をピンポイントで見つけて接地できるのかが問われる。
最近、いつも失速してしまう区間をいかにロスなく通過できるのか、いろいろとフォームを変えて工夫して走っている。
今はまだ着地ポイントが数センチズレて、前に進む力が得られなくてバランスを崩してしまうことも多いけれど、どう接地すると強く反発できるのかを経験する意味でも有意義な練習になっている。