なぜ、コンパクトなフォームでもペースが上げられるのか?

 大股とは真逆!?

初心者の方がランニングを始めると、もしかしたら300mも走れないことに驚くかもしれません。

社会人になって運動からしばらく遠ざかってしまうと、自分がイメージしているよりもずっと身体は運動に不慣れだったりします。

そこでランニングなどを始めることになった場合、気をつけたいポイントがあって、息が上がらないくらいゆっくりなペースでのランニングに慣れ過ぎてしまうこと。

とは言え、社会人ランナーの場合、あまりに運動から遠ざかっていると、思わぬケガに発展してしまうこともあるので、そんな時はケガしない程度のペースで走ることも大切です。

しかし、遅いペースに慣れてしまうことで、本来のランニングフォームが身に付かず、いつまでも身体に負担を掛けたフォームで走り続けてしまうでしょう。

例えば、ペースを上げる走るというと、初心者は足の開脚を広げようとします。

つまり大股で走ろうと試みるのです。

それは陸上選手が走る姿を覚えていて、彼らのフォームに近づけようとするからでしょう。

しかし、彼らのフォームは結果的になっているのであって、意図的になっているのではないことも知っていた方がいいかもしれません。

膝を高く上げ過ぎて走ってしまう!?

ここで理想的なフォームの説明をすると、必要とされるのは足の開き度合いではなく、足のスイングスピードです。

コンパクトなフォームでも十分にペースが上げられるのも、足のスイングがしっかりと上げられているからです。

言い換えると、ひざ頭をしっかりと上まで持ち上げても、そのスイングスピードが遅ければあまり意味がなくて、移行期間という意味であれば、腸腰筋を意識するキッカケになるといいのでしょう。

しかし、前に振り出した足が勢いを失って、さらに上へと引き上げる動きは必要ではありません。

前方向の推進力を逆に上向きにしてしまい、効率的に前には進まないからです。

言ってしまえば、軸足と遊脚の入れ替えをどれだけ素早く行うのか、そのタイミングでのスイングスピードを高めたいのです。

そして、ケイデンスを上げる意味でも、高まった足のスイングをできるだけ素早く逆向きへと変換したいので、足の振り幅は狭くできるなら狭い方がいいくらいです。

しかし、ある程度のペースで走ると、1秒で何メートルも進むので、わずかな時間だとしても足はすぐに後方に追いやられてしまいます。

つまり結果的に後方に流れた足を前に振り出す動きになるので、必然的に足の可動域は広がります。

乗り込んだら直ぐにその足を前に振り出す。

それを実現させようとすると、無駄に地面を蹴ったり押したりしなくなるでしょう。

そして、これはランニングを始めて最近になって気づいたことですが、スイングスピードが上がったフォームの時、骨盤の前傾角度が増し、足は押すよりも引き抜く動きに着目しています。

さらに膝を折りたたむタイミングが合えば、脚力を使わなくても高いペースで走り続けられます。

そこに気づくと、コンパクトなフォームでもしっかりとペースを上げられることが分かります。

大股や地面を押すことではなく、足を素早く入れ替える動きを先にマスターすると後が楽になります。

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