ランニングレベルをどう上がるべきか?
フルマラソン出場のような競技志向の方はもちろん、こみちのように健康の維持向上でランニングされる方も多いだろう。
「キロ5分ペース」というワードを知って、そのペースで走ることが必須に感じていた。
しかし、今はちょっと違う。
ランニングフォームを今まで以上に細かく考え始めた時に、「フォーム作り」は圧倒的にスロースピードで行うべきだと思うからだ。
というのも、理想とする動きでなければ反復練習も意味がない。
特にこみちのように運動経験が乏しい人やしばらくぶりに運動するという人ほど、焦って間違った方法で頑張らないことだ。
細かな理屈や技術はあるにしても、必須のポイントを挙げるとするなら、「前に出した足が地面に着くタイミングで体重もその足に乗せてしまうこと」だろう。
それさえできれば、あとは走りながら、自分に合った走り方を見つけていけばいい。
ただ、こみちの場合は、「走る」を理解しないで始めてしまったので、ランニング初心者にある「膝関節の痛み」が課題になっていた。
今は走り慣れたのか、上手く走れるようになったからなのか、以前のように膝関節が痛いという経験は無くなった。
10キロ走をしたから「足が痛い」ということはなく、走った時間分だけ体全身が「疲れる」ということに過ぎない。
ここで、これからランニングを始めたいと思った人やまだキロ5分ペースでは走れないという人に、こみちの持論を紹介しておこう。
それは、ランニングはフォームが最も大切で、フォームを作る過程で、「スタミナ」と「身体機能」の向上が求められる。
スタミナの向上で大切なのは、体を動かし続けられること。
つまり、自分で無理をしないくらいのパワーで、「いかに長く動き続けられるのか?」ということ。
もっと具体的に言えば、ランニング初心者がフォームもできていない段階でいきなり走るよりも、「ウォーキング」でいいから楽しく感じるくらいのパワーで少しずつ歩ける距離を伸ばすことだ。
今、1時間くらいで10キロ走ができるこみちの場合、歩きで10キロ移動しても、心拍数が多分110bpm以下にしかならない。
「運動」をするという定義で言えば、120〜130bpm辺りが好ましい。
つまり、こみちにとっては時間も掛けて、しっかり疲れもしたのに、長く歩くという行為を続けても「運動」に含まれないのだ。
だったら、もう少し運動負荷の高い「走るか?」ということになる。
言い換えると、「走る」ことに慣れていないのなら、「歩く」ことで十分だということ。
「スタミナ」の向上が目的なら、少し息が上がるくらいでいい。
それがある程度満たされて、例えば「2〜3キロ」くらい歩いても苦しくないと思えたら、ランニングで大切な「身体機能」の向上に着手しよう。
できるのであれば、ウォーキングの段階から、前に出した足に体重乗せる習慣を身に付けたい。
それができていたら、ランニングに移行するのも簡単だ。
ウォーキングが1キロを12分〜15分くらいとするなら、ランニングは「キロ8分」くらいからでいいと思う。
キロ8分というペースは、歩幅に関しては歩いている時と同じくらいで、違いは足を出すテンポにある。
ランニングウォッチがあるとより分かりやすいと思うが、一分間辺り160回くらいなら十分だろう。
でも最初はそれでもなかなか早いと感じかもしれない。
もちろん決まりごとではないから、もっと遅いくらいのペースが合いそうなら、もっと遅くても問題はない。
ただ一つ注意したいのは、遅くても「ランニング」なら前足に体重を乗せるという意識は持っていて欲しい。
イメージとしては、前に足を出して、ヒョイとその足に飛び乗る感じだ。
「踵から足を着く」のではなく、「足の裏側全体」に体重を乗せるくらいがおすすめだ。
歩幅は歩いている時のままでいい。
無理して広げてしまうと、踵着地になってしまうし、それが原因で膝関節を傷めてしまう。
「弾む」ような感覚で、右、左、右、左とポンポンと体重を相互の足に乗せ変えるつもりで走って欲しい。
決して「弾む」を過度に意識しないこと。
ピンと背筋を伸ばして、前に体を傾けて、倒れそうになるから「足を出す」という流れで、その足に体重が乗せられたら十分だろう。
多分、こみちがいうようなランニングになっていたら、歩ける距離までなら走れるはずだ。
3キロ歩けるなら、3キロ走れる。
そもそものイメージと大きく違うのは、「走る」からと言って、ゼイゼイハアハアするほどのスピードなど出さないからだ。
それが「ジョギング」。
先ずは「ジョギング」を覚えてしまうことで、「走ること」が大変ではなくなる。
多分、「10キロ走れますか?」と聞かれて、「とても無理だ」と答えず、「ポンポン」をどれくらい繰り返すことになるのか?と思うだけだろう。
そうは言っても、その距離が20キロ、30キロと増えれば、やはり疲れも感じるはずだ。
その段階になって、初めて「どう体を動かせば良いのか?」を考えればいい。
それこそが「フォームを作る」というランニングで最も重要なテーマになる。
足だけで走っていると思っていたら、意外と全身運動だったと分かって、足の動きだけでなく、手の動きから見直すことになって、フォーム作りの奥深さを知るだろう。
もしもすると、シューズやウェアにも興味が出て、このシューズの方が楽に走れるとか、フォーム作りにはこっちがいいなんてこだわりが出てくるかもしれない。
ある意味、それがランニングの楽しいところで、そこまで来たら、もう好きに楽しめばいいという話になる。
つまり「キロ5分ペース」という言葉は、そのスピードで走れということではなく、ジョギングを楽しむことも知り、今以上にフォームにも興味を持った時に、「1キロを何分くらいで走れるだろうか?」と思う時で十分だ。
いろいろなケースがあると思うが、初心者の場合にはケイデンス200bpm、ストライド100センチの目安が目標になりやすい。
こみちの場合、ケイデンスが180bpmになって、ストライドが90センチくらいになった時に、「キロ5分ペース」を意識した。
ケイデンス200bpmは、少し腕を急いで振れば到達できた。
でも、ストライドをあと10センチ伸ばすことに苦労した。
その時に、「フォーム作り」がどれだけ大切なのかも知ったし、単にスピードを上げればいいというものでもないことが分かった。
10センチの改善の中で得られたことは、先にも紹介しているが「前足に体重を乗せること」がどれだけ基本だという話。
それができないと、その後ランニングで何をしても上手くは行かない。
それに気づくまで、こみちは数ヶ月を費やしたことになるから、これからランニングを始めてみたい方は、「ランニング」がフォーム作りから始まることを知っていて欲しい。