「社長」という人のタイプ
昨今、すべてが副業を考える時代になりました。
それに関連した情報もたくさんあって、ある程度のパターンも見えてきます。
だからこそ、「社長」という立場の人がどうしてそのポジションなのかを知ることは有益でしょう。
例えば、二代目や三代目のように、既に事業が確立された段階で跡を継いだ社長は、我々が普段から疑問に思う「最初の一歩」を経験していないこともあります。
経済学の知識で、最も要注意なのがこの「最初の一歩」で、理論は全ての状況が活用できる段階から始まるので、「どうやって仕事を始めればいいのか?」という部分ではあまり役立ちません。
それは資格取得後にも言えて、資格取得に向けたアドバイスは情報が溢れているのに、肝心な「どうやって儲けるのか?」は意外と教えてはくれないのです。
そんな意味では、二代目や三代目からスタートした社長が、下積み経験なく知識だけで社長になってしまうと、理屈よりの判断になってしまうのはやむを得ないでしょう。
一方で現場上がりの人が社長なった場合、ベースは現場経験ですから、その人が会社を変化させたいと思わない限り、事業に変化がありません。
いい意味では安定している経営ですが、悪い意味では柔軟性に欠けた堅苦しい社風にもなるでしょう。
ただ、これは傾向の話であって、全ての人に当てはまるものではありませんし、社長になってから悩み、いろんな経験を通じて変化することも多分にあります。
付いていきたい社長とそうでない社長
これは社長に限った話ではありませんが、窮地やピンチになった時こそ、その人の本質が現れます。
コロナ禍で売上げが下がり、会社としての収益が十分ではなくなった時、社長が従業員にどんな待遇をもたらしたかは、それこそ本質を見るチャンスです。
何も、社長を全ての従業員の生活費まで面倒みることをおすすめしているのではありません。
ポイントはそもそも配る「パイ」が無い中で、どんな風に考え、伝えて、その場を処理したのかです。
それこそ、給料を払い続けられないなら、「解雇」と言ってくれた方がいいケースだってあります。
決断を先送りして、数ヶ月待たされて、その後に給料を支払えないと言われるくらいなら、潔い判断が求められることもあるからです。
また、これまでの方法では稼ぐことができないと判断し、全く異なる方法で稼ぐことを社長が説明し、会社の現状や社会情勢などを踏まえた判断を従業員に発信してくれたら、もしもすると一緒に頑張ろうと思うかもしれません。
理屈としての判断は、知識だけもできますが、人としての決断は自分の言葉でしっかりと伝えなければいけません。
社長に求められる条件は、最終的にその人に付いて行けるかどうかではないでしょうか。
しかしながら、大手企業になると、社長と会うことなど滅多にありません。
全国各地にある支店勤務なら、それこそ年始などの挨拶でモニター越し見掛けるくらいではないでしょうか。
国内外に支店を抱える大きな会社になると、もう社長の役割はほとんど我々従業員に影響を与えないかもしれませんが、やはり中小企業では彼らの言動でやる気が変わります。
「調子はどうだ? そうか、いつも頑張ってくれているな、今後も期待しているよ!」と言われて、嘘ばっかりと思う従業員っているでしょうか。
本当の本当は、その従業員の仕事ぶりなど分からなかったとしても、社長業をしている人ほど、相手の反応に敏感です。
同じ「ハイ!」と答えても、その言葉を鵜呑みにしている訳ではなく、意外と周りの従業員たちを見ていたりとそこは一般の従業員とは違っています。
つまり、現場のことは熟知していなくても、「成功するパターン」を知っていて、それと比べて現状をいつも気にしているのが社長業でしょう。
「最近、ゴルフの調子はどうだ?」
「確か、今度、受験だったなぁ?」
その話題は何でもよくて、声を掛けられた従業員がどう反応し、答えるかを何気なく気にしていたりするものです。
それこそ、現場に最近機材を導入すれば、さらに効率化できると分かっていても、そのコストや期待できる売上げ、さらには雇っている従業員の雇用状況など、いろんな視点から社長はいろんな決断をしなければいけません。
どうすれば従業員の給料を倍にできるだろうか?
問題は倍にした時に、従業員にも課さなければいけないノルマができてしまいます。
結果的に、その従業員を雇うことができなくなったなら、給料を上げた意味がありません。
作業としては同じでも、扱う内容によって社外評価をどう変えることができるのかが、会社経営ですから、職種によっては難しい場合もあるからです。
YouTuber という働き方
現代人におすすめしたいのは、YouTuber という働き方を体験することです。
自分は何に詳しく、何をアピールできる人なのかを見つめることができるからです。
それこそ言われた作業できても、無趣味だったら、何をアピールして良いのか悩むでしょう。
プレゼン作成の要領で、それっぽいものを作っても、その反響は会社とは違います。
なぜなら、そもそも歩み寄ろうという社内とは異なり、YouTube では何も知らない人からスタートするからです。
言うなれば、このYouTuber という経験は、社長業に似ていて、自身が思う信念と求められていることとの違いや溝に気づき、埋めようとしたり、方針を変えたりしながら、試行錯誤することで分かることが多いでしょう。
確かに社長業をされている人は、優秀な人が多いと思います。
5年以上継続されている人なら、その確率も高いでしょう。
そして今や、我々も規模こそ違いますが、社長業をしなければいけません。
そんな視点で考えようになると、今までとは異なった感性も必要になるでしょう。
やはり、社長業をされている方々が凄いと思えるはずです。