例えば気になるビルダーを間込む!?
バンライフを単なる車上生活ではなく、コロナ禍を経験した新しいライフスタイルとして実現するなら、ビルダーに企画書を持ち込んでみてはいかがだろうか。
その目的は、ビルダーにとっては自社製品のPRに使ってもらうことで、持ち込む側はバンライフを始める初期費用を削りたいからです。
それを叶えるには、「日本一周」というような不明確な目的では難しく、もっと魅力的で将来のキャンピングカー市場に影響を与えるような勢いも不可欠です。
例えば、ある程度のファンを抱えるタレントなら、十分にコンテンツとして成立するでしょうし、まだ知名度的にはこれからのYouTuberでも背中を押してもらえるかもしれません。
少なくとも、キャンピングカーの試乗インプレをするだけではもう限界があります。
なぜなら、手荷物も積載していない空の車両を運転して、乗り心地や加速感をあれこそと語っても、参考にはならないとみんなも知っているからです。
だからこそ、実際のバンライフとして、どれくらい使いやすいのかを実体験し、赤裸々に問題点をアップすることができれば、そのビルダーは高い信頼性を得られるでしょう。
だからこそ、企画書を持ち込む際に、企業側に媚びを売ってしまうような立場になっては、バンライフする意味がありません。
つまり、キャンピングカーショーなどで展示されている新型車両を見て、「カッコいい」とか、「カラーリングがオシャレになった」というコメントよりも、荷物はどれくらいおけるのかとか、就寝人数はバンライフでは何名くらいになるとか、より具体的な評価が必要になるでしょう。
実は故障した時のメンテナンス方法や、販売店から遠い出先での故障などの対応策などはバンライフでは必須のポイントでしょう。
また、一部のビルダーでは可能なリメイクも、各社がどこまで対応できるのか気になります。
本気でバンライフするならボーダーバンクス一択!?
一般の駐車場には停められない6メートルオーバーの大きなキャンピングカー、ボーダーバンクスですが、独立した環境下で夫婦2名がバンライフするならギリギリのサイズではないかと思います。
一度そのサイズを味わって、もう少し狭くても良かったという人は現れないでしょう。
つまり、キャンピングカーでの生活は、どこまでを犠牲にできるかの戦いになるからです。
極端な話、一人旅で荷物もほとんど乗せないなら軽キャンカーでもどうにかなるでしょう。
それはつまり3畳一間の風呂無しアパートに住めるのかという話と同じで、住めなくはありません。
ただもっと快適に暮らしているのに、それを捨ててなぜバンライフなのかという疑問に行き着くだけです。
例えば、大人2名が国内を巡りながら名所観光をするだけなら、移動手段として運転しやすいマイカーと、現金、クレジットカードがあれば半年くらいならどうにかなるでしょう。
食事はすべて外食し、その代わりその土地の物を食するなら、よほど旅気分を味わえます。
キャンピングカーで宿泊費を抑え、観光にも制限をし、食事も割引き商品狙いにするなら、定住した方がよほど暮らしやすいと言えます。
もっとも、そこは人間の面白いところで、意味や目的がなくても楽しめてしまう人はいて、既に過積載になっていそうな車両でも不安なく旅を続けてしまうでしょう。
人生のどこに意味を持たせるのかは人それぞれで、実直に生きたい人もいれば、ジェットコースターのようなワクワク感無しには生きられない人もいます。
こみちもキャンピングカーに憧れますし、今の生活を捨てて、バンライフに生きられたらどんなに開放的かとも感じます。
しかし、仕事を捨てて、YouTube の収益やライターだけでは将来が不安ですし、バンライフをやめられなくなってしまうのも怖いです。
中高年になると健康はいつまで続くのか予測できませんし、特化した生き方ほど融通がきかないと知っているからです。
だからこそ、バンライフを始めた人は、その勇気に敬意を感じますし、もしも自分が趣味で始めるなら、本格的なボーダーバンクスではなく、もっとシンプルで扱いやすい車両を選ぶでしょう。
車内で立つことを考えれば、キャブコンやバスコンになりますが、それは逆に今の生活とは別の車で、日常生活にはもう一台ないと不便です。
そして、キャンピングカーを月に何回動かすのかと考えたら、現状の生活を参考にして、月一が良いところで、一泊旅行はかなり負担です。
そうなれば、ベッドも常設である必要はないでしょう。
むしろ、運転しやすい車両で、車内では夫婦が対面で食事出来れば十分です。
トイレはあると便利ですが、簡易なものを付けるかどうかになるでしょう。
移動方法として、飛行機や列車、船もある中、例えばバンコンのキャンピングカーを使う理由は、なかなか思いつきません。
せっかく旅に出るなら、食事は店を使いたいですし、夫婦でくつろぐなら滞在時間の長い車から離れたくなるからです。
例えば、そんな風に感じる人に、バンライフの魅力を本気で伝えるコンテンツを作るには、キャンピングカー作りに立ち返らないと話が進みません。
小さな車両に五人も寝られるというスペックが、本当にバンライフにとって必要なのかを考えるべきだからです。
例えば、バンライフの実際のサンプルがあって、そんなイメージを持った人が同じ車両を購入したいと考えた時に、もっと的確なアドバイスや、場合によれば別のキャンピングカーが適切かもしれません。
月に一回程度のために、そして、気づけば使わない、または当初とは異なる使い方になってしまったデッドスペースも、具体的な旅を参考にできれば話が早いからです。
現状は一強の世界!?
例えば、YouTube で説明上手な人が、あるビルダーから依頼されたキャンピングカーをまるで本人の意思で選んだかのような雰囲気で、空の車両をレビューしたとします。
「概ね良好だけど、ここは少し狭いかも」
すべてを称賛するのは避けて、部分的に瑕疵が含まれることも臭わせておく。
憧れる視聴者は、まず価格だけで判断し、根本的なサポートや保証面の内容さえ後回しにされる。
これがビルダーの店員なら、客には嘘やつけません。
でもYouTuberの感想ということなら、言い難い話は伏せられます。
しかし、本来、そんな小手先に走ってしまうと、だいたいが途中で失速し、折角のブームも活かせません。
つまり、今は人気コンテンツを運営しているYouTuberの一人勝ちで、何らの憧れで追随したい視聴者が彼を支えています。
モデルルームの撮影のようなコンテンツを見て、ますます幻想だけが膨らんでしまうのは、業界が段々と歪んでしまうことに繋がるでしょう。
影響力を増せば、さらに別のビルダーが一人勝ちするYouTuberに忖度をお願いし、魅力的な感想を発信してもらうかもしれません。
できるならセミオーダーやDIYも!?
プロに依頼するなら、セミオーダーがあると便利です。
どんな旅をしたいのかに合わせて、車内装備やレイアウトを柔軟に変更できると便利だからです。
また、限りなくベース車両に近い状態で提供し、ユーザーの方でDIYできるのも楽しいでしょう。
構造申請の方法や、基本的なカスタムの基本を紹介してくれるサービスが有れば、それもまた人気が出るでしょう。
実はバンライフを誰もしていない!?
YouTube を見ていても、バンライフを始めた人はいても、それで生活している人はとても少ない印象です。
また、確かに家を持たずに「車上生活」状態でも、魅力的な生き方としてビルダーの参考となるモデルケースってどれくらいあるのでしょうか。
ポイントはズバリ、ビルダーの商品を購入してバンライフをして生きていきたいと決意できるユーザーです。
そこまで条件を加えてしまうと、購入希望者に対してもしかすると限りなく0%に近い数値になってしまうのかもしれません。
多くの人は自宅もあって、普段使いの車もあって、もちろん仕事も持っていて、でも月一程度で思いついた時にキャンピングカーを運転するというくらいではないでしょうか。
実際、近所にもそんな使い方をしている方がいますが、ほとんどキャンピングカーは動いていません。
本業が忙しくて、一泊旅の時間が取れないみたいです。
コロナ禍でもなければ、ノマド時代ならいろんな場所を仕事場にできたわけで、キャンピングカーをマイオフィスにしたいとも考えていませんでした。
家族と少し離れたいなら、庭に小屋でも建てれば良いのかもしれませんし、短時間なら車内で仕事しても十分なくらいです。
いろいろ考えてみましたが、バンライフって難しいですね。
それだけに夢もあるのですが。