そもそもランニングで「股関節」を使う理由

 どうやら「推進力」を活かすと楽に走れる

ランニング中、自転車に追い抜かれることがないだろうか。

キロ4分ペースと言っても、時速は15キロ。

ママチャリで鼻歌を歌いながら走っている時くらい。

ではどうして自転車が走るよりも楽なのでしょうか?

絶対に外せないポイントは「タイヤ」です。

スピードが出ていると、しばらくは漕がなくても進みますから。

でももう少し観察すると「タイヤ」は円形ですが、地面に接している部分はほとんど点と言うこと。

何を伝えたいのかと言うと、タイヤは丸くて転がりながら「点」の位置を変えて、進み続けます。

つまり、「点」で加速動作を加えている訳ではなくて、「転がり続ける」ことが大切です。

ランニングの場合、軸足が地面に触れて進むのですが、左右の足を交互に出すので、タイヤで転がるよりもずっと「粗い」動きになってしまうのは避けられません。

タイヤが丸ではなく三角や四角なら、きっとランニングの方が楽に進めるでしょう。

つまり、「粗さ」をどれだけ減らせるかがポイントなのです。

ヒールストライク(踵から接地する)で走ると…

スムーズに流れるように走ることが大切だとして考えると、ヒールストライクがダメだとは言えません。

踵と言っても、底面の後端から接地し、進みながら足の裏を重心が移動して抜けていけば、相当にスムーズだと言えるからです。

しかし、結論を言ってしまうと、キロ4分ペースで走った時に踵からゴロンと足の裏を転がすほど余裕があるのかと振り返れば、そんな余裕はありません。

キロ6分、5分までで、ヒールストライクが有効だと感じます。

だから、フォアフットまでは求めないにしても、フラット接地で重心は足の裏一箇所で受け止めて、返すことが欠かせません。

フラット接地ならそれで良いのか?

ランニング中、足を前後に動かしますが、稼働ポイントは骨盤、膝、足首です。

骨盤を固定し、股関節から伸びた足を前後に動かすのに比べて、骨盤そのものを動かすことで可動域が広がります。

ただ重要なのは、可動域ではなくて、足をのスイングスピードを高めるためには、足だけを前後に振るよりも、骨盤から動かした方が速くなります。

だからこそ、骨盤を使って走ることが大切なのです。

では足のスイングスピードを高める理由は何でしょうか。

それは地面を強く蹴るためではなく、前に進む体をよりスムーズに支えて、前に送りたいからです。

ここで想像して欲しいのが、股関節、膝、足首の位置関係です。

例えば、股関節よりも前に膝と足首があって、着地した場合、体に近い股関節が後方にあると膝や足首で体を前に移動させなければいけません。

そうしないと体を支えられないからです。

つまり、支えられるポイントが来るまで、足を接地しているので、結果的に速く走りくてもとそれではまにあいません。

だからトップスピードも頭打ちになり、毎回移動させるのでランナーも疲れます。

と言うことは、よりスムーズに体を運びたいなら、股関節と膝の前後位置が近いほど、ランナーは足を接地させるだけで体を支えられます。

これが「真下に着地」の理由です。

スピードを上げる時は、しっかりと地面を蹴り込み、スピードに乗れたら股関節の位置と膝の位置を近くして接地させるのです。

こうすることで、少なくとも足を出し続ければキロ3分前半までは到達できます。

可動域の広さで走るのではなく、足のスイングスピードを高めて、必要なタイミングで接地し続けることが大切です。

それ故に、股関節を使って走れないと、そのフォームは膝や足首が前になったスムーズではない走り方になってしまいます。

股関節を使って走るとは?

骨盤を使って走るので、腰回りがたくさん動きます。

もっと言えば、肩や背中なども使って走ります。

腕を横に振れば体捻りながら走っていて、巻き込むように使うと背中の上下動も使えます。

そこまで使って強く地面を蹴ろうとしているのではなく、足をタイミング良く合わせるためにスイングスピードを最大化させたいのです。

腕を使うと足だけでは素早く出せない時でもキッカケになります。

それと同じで、早いリズムに合わせて足を動かし続けるためには、足以外でも使える部分は有効に使いましょう。

その意味ではランニングも全身運動です。

つまり、「股関節を使って」と聞くと、股関節だけに注目しそうですが、「足以外も使って」と言う理解です。

落下する体をできるだけ真下から受け止めて、軸をずらすように前に倒して、素早く跳ね返したいのです。

受け止めて押し返すのではなく、軸を前に倒すことで体重をより楽に運びます。

つまり、受けた瞬間は膝も足首も固定して、前に倒すタイミングでは脱力します。

支えることに慣れたら、脱力にも慣れましょう。

一瞬で行うためにも、膝が前に来てしまうとそれらが間に合わないので、いかに引きつけて接地できるかを徹底に練習しましょう。

こみちはそれらを意識してランニングしていますが、その動きができていると、やはりキロ4分ペースは切れています。

地面を強く蹴るなどしていません。

そんな余計な動きは不用で、前に流すタイミングだけ気にしています。


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