バンライフを始めるべき人と考え直すべき人

 どんな人がバンライフするべきか?

バンライフとは、簡単に言ってしまえば「車上生活」のこと。

国内法で言えば、車そのものでは「住民票」が取れないので、何らかの方法で「仮住まい」の形式で都道府県のどこかに「定住場所」を定めないと、ホームレスになってしまいます。

ホームレスになると、納税書も届きませんが、国からの支援も受けられない事態も起こり得ます。

つまり、コロナに感染し、それを医療機関で診察してもらうにも、「住民票」というか定住先が定められていることが重要です。

その意味では「家を断捨離する」ということは、国から支援を受けないことを指すのか、仮住まいをどこかに置き、一時的に車で生活するのかは、全く意味が異なります。

多くのバンライフユーザーも、きっとどこかに住所を持っている人だと思いますし、そうでないと何らか理由で社会復帰する時も、履歴書を正しく記入できないので仕事も得られません。

そのような人を支援するNPO団体もあるみたいですが、それくらい「住所」を失うことは大変なことでもあります。

では、バンライフをするには何が必須でしょうか。

それは意外ですが、「定住先」です。

しかも、以前調べてみると、「仮住まい」としての「定住先」を認めない自治体もあるので、実態と伴わない「法的処置」のために「仮住まい」を置くことができないことも注意しなければいけません。

当たり前の話ですが、「定住先」となった自治体は、年収などに関わらずその住民に様々なサービスをしてくれます。

つまり、納税者になることで、医療や治安などのサポートも受けられる権利を得るからです。

その一例として、バンライフでは付き物のゴミ処理も定住地なら決められた方法で行えますが、旅先では限られた場所でしか捨てることができません。

それは、回収されたゴミをその地域の住民が納税した税金を使って処理するからで、国が一元管理していれば別ですが、「あなたの住んでいる場所で捨ててください」と言われてしまいます。

例えば、キャンピングカー業界で、そんな問題を解決する運動を政治的に行うとか、各地にユーザーが利用できるゴミ捨てスポットを設置するとか、そんな試みがあるとバンライフも環境が整ってきます。

バンライフできる人のは、少し割高でも社会インフラを使える立場にいて、老後に仮住まいとしている自治体で社会的なサポートを受けられることが見込まれているからでしょう。

もう少し言えば、旅先で不慮の事故などで心身に障がいを受けた場合、バンライフの継続だけでなく社会的復帰も難しい状況になったとしたら、頼れるのは保険や預貯金による金銭の確保です。

というのも、定住者が定職を持ち、しかも将来的な安定を考えて保険などに加入するのは、それだけ「安定した暮らし」を手に入れたいからでしょう。

実際、クレジットカードや住宅ローン、自動車ローンを組むにも社会的な信用は不可欠です。

今は、リモートワーク主体の会社と雇用契約を結べれば、定職者として働くことも難しくないでしょう。

ただ、時間的、物理的な「自由」を手に入れることで、社会的孤立になってしまうと場合によっては後々に苦労します。

だからこそ、バンライフできるのは、経済的に独立した人やバンライフ中にも自己資産を増やせる環境にいる人とも言えるでしょう。

サラリーマンはどれくらい不便なのか?

週5日働く一般のサラリーマンは、平日なら24時間の内10時間くらいは仕事に関わることで時間を消費しているでしょう。

そのかわり、週末や大型連休などではしっかりと休むことができます。

これがアルバイトになると、週5日を都合で週4日とか3日にできるものの、単価給や賞与の面で差が生じます。

時間は増えたけれど、稼ぎの面では差をつけられたということです。

さらに中高年になってから、雇用契約の打ち切りでもサラリーマンとアルバイトでは扱いが異なります。

厳密には雇用に定めがないサラリーマンは、定年まで安定して雇用が約束されていますし、アルバイトは雇用が切られても新しい雇用先を見つけることで乗り切ります。

しかし、中高年の雇用で問題となるとは、やはり以前と同じような条件ではなかなか採用されません。

職種についても、介護や警備、清掃などが中高年の雇用先として多くみられるなど、働き方に対する柔軟さも必要です。

しかも、現役の介護士であるこみちの経験として、サラリーマン時代よりも転職から介護士になると年収は下がります。

人によっては50%ダウンということもあり得ます。

でも、雇用先が決まらない不安を考えると、それでも仕事があるということに安心できるのが実情でしょう。

つまり、出来なら一生涯続けられる仕事を、30代の内に確立させておけば、バンライフを安心して継続できます。

全国各地を巡りながら、写真家や物書きとして才能が発揮され、「旅行記」が認められたらバンライフをして社会的にも成功できたと言えるでしょう。

個人的には

バンライフは20代の特権かもしれません。

その年代の数年を使い、全国をめぐる旅をして、見聞を広げることができて、その後の生き方に何か成果となるなら、バンライフは有益だと思います。

それはつまり、バンライフでなくても、芸人や海外移住などにも言えることですが、「若いからできる」という人生を謳歌する方法です。

これが30代や40代になってしまうと、社会復帰との兼ね合いも関係してくるので、好きなことも趣味にして、地に足のついた生き方に戻すことも必要だからです。

感覚的な話で言えば、業界経験がある人でも35歳の壁はあるように思います。

アルバイトやパートの雇用で良いのなら、もう少し年齢が上でも問題ありませんが、「正社員」として雇用を狙うなら資格や職歴などを踏まえても「35歳まで」が企業側のポイントだからです。

もしも本気でバンライフを始めるなら、「弁護士」とか「医師」「美容師」「税理士」などの資格を取得するとか、「語学」「プログラミング」などの専門性から海外渡航やIT業界など、人目を引く経歴があるといいでしょう。

別の言い方をすれば、芸能人なら不定期にバンライフをコンテンツ化しても十分に成果を発揮できるでしょうし、それは「芸能人」としての軸ができることで成せる技とも言えます。

それだけに、こみちのような一般人なら、法律相談や税務相談にも応じられるバンライフユーザーなら、どこにいるかよりも、どれだけ親身にアドバイスしてくれるかがポイントだからです。

それ以外で考えると、夫婦でしかも年齢差があるとか、配偶者が外国人とか、何か特徴的なものがあると、それは強みになるでしょう。

一般的な働き方から外れるほど、自己プロデュース能力が問われてくるのです。

そのことに段々と気づき、中高年のこみちがバンライフに踏み切るなら、将来の経済的な不安や今後の収益の確保、健康的な生活などが見込めないと完全な移行は難しいでしょう。

定住先で仕事をしつつ、週末などを利用してバンライフを楽しむくらいが現実的です。

完全移行している方々の決断には、頭が下がりますし、人生を楽しむための勇気ある行動と称賛したいです。

一年、二年と経歴にブランクができると、やはり採用時には「この期間は何を?」と指摘されるでしょうし、「バンライフで旅をしてました」と答えた時に興味を持ってくれない相手では採用も厳しいでしょう。

中高年で始めるなら、定年まで勤めてからの方がいいでしょうし、その方がリスクも少ないはずです。

気持ちとしては、例えばNHKの番組「72時間」のようなコンテンツを、旅先で行えれば面白いとは思いますが、その気力を持てるかがポイントです。

地場産業の紹介を兼ね、飛び込みで体験させてもらうという企画も面白いでしょう。


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