本屋は「お宝」がいっぱい!?
以前、本屋を見ればその地域の住人がどんなことに関心を持っているのか分かると感じていた。
それは図書館にも言えるが、話題となった小説などがどれだけ素早く揃えられていて、どれだけの予約が入っているのかを見ても文化的な関心の高さが推し量ることができるだろう。
ところで、皆さんは本屋にどれくらいの頻度で足を運んでいるだろうか。
実はこみち自身は、コロナ禍があったのも影響してフラッと立ち寄るようなことはなくなった。
以前なら、バイクや車のコーナー、住宅、音楽系、資格試験、小説や新書と回ることが多い。
それ以外にも、目的なく棚を眺めて、「ヘェ〜」と目に止まったら近づいてパラパラと立ち読みする。
実はこの癖、中学生の頃から変わらないもので、当時は美術や書道、スポーツ、さらには天文などの宇宙に関する本もよく読んだ。
「雑誌」の完成度は人気YouTubeチャンネルをも凌ぐ!?
「雑誌」の内容は、公平性と信憑性の面で優れている。
もちろん、ゴシップ系を扱う雑誌なら、「本当に?」と疑いたくなるような内容や感情を煽るような書き方もゼロではない。
とは言え、各コーナーごとにまとめられた内容が、いくつも組み合わせられて一冊となっている。
その意味では、YouTube チャンネルなら、数本に分けても成立するくらい盛りだくさんの内容なのだ。
しかも雑誌一冊の値段は、1000円を超えることは少ない。
自動車系月刊誌が約10万部の発行部数だとしても、あれだけの内容を取材して記事にするのだから利益率はどうなのかと疑いたくなる。
今、YouTube では、雑誌が行なって来た「コンテンツ作成」をチャンネル開設者に任せようとしている。
面白いコンテンツが作られる一方で、そこには雑誌なら当たり前だった「公平性」がどこまで担保されているのかは微妙な話だ。
個人的な見解が伝えるチャンネルも多いし、それを個性として受け止める流れがあって、そうすることで取材などの手間やコストをカットできてしまう。
というのも、雑誌の収益はそこに載せられる「広告」が生命線という話も聞いたことがある。
つまり、雑誌を作るコストからはほとんど利益を出すことが難しく、その代わりに広告主を募り、その収益を利益として考えているのだ。
YouTube チャンネルの場合も同様で、すでに「素人のはじめました系チャンネル」は人気が出ない。
どこかの業界で知名度のある人が開設する場合などが主流だろう。
それでも、バイクなどのコンテンツはさまざまな人が公開しているし、車種名から集まるから、その意味では集客力があるカテゴリーと言える。
これがバイク雑誌なら、新車の紹介やレビューはもちろん、ツーリングや便利なアイテム、メンテナンスなどの記事も含まれる。
時には独自のイベントを開催し、その模様を伝える大掛かりなものもある。
その豊富な内容を、今のYouTube チャンネルでカバーできるのかというとそもそも難しいし、誰も「未来の雑誌」として考えてはいないだろう。
そうなると、我々は様々なチャンネルをめぐり、興味や関心ある情報を探し当てることになるが、そこにバランスがとれているのかは微妙で、つまりは主観がひとり歩きすることもある。
雑誌をYouTube チャンネルで完全再現は難しいから、場合によっては「中心的」な話題には集まりやすく、本当は知って欲しい話題には興味が集まらない可能性も否定できない。
でもここに各業界の市場拡大を拒む原因が潜んではいないだろうか。
雑誌一冊の値段を出さなくても、ネットを使えば無料で情報は集められる。
雑誌が休刊や廃刊になる時代だから、我々は自分で行動し、正しい情報を集めないと価値観すら共有できない関係が増えそうだ。