キャンピングカーをシンプルに楽しむ
キャンピングカーとして登録するためには、いくつかの条件があります。
その中でも、厳しいと感じるのが「車内高160センチ」のハードルで
しょう。
この条件をクリアするには、キャブコンのように車内で立つことができるキャンピングカーが優位です。
ハイエースをベースにした場合、屋根全体が持ち上がるようにするか、屋根全体を膨らませて架装しなければいけません。
そうなると、せっかくのハイエースも、随分と立派で大きなキャンピングカーになってしまいます。
そこで、「キャンピングカー」登録を諦めるとどうなるでしょうかってこと。
税金面での優遇は受けられなくなりますが、例えばハイエースが貨物登録ではなく、乗用車登録できれば、2年車検となります。
しかも、キャンピングカーではないので、あれこれと必須条件をクリアする必要もなくなります。
言い換えれば、「もっと自由に車内を飾ることができる」ということです。
詳しく確認はできていませんが、ダイレクトカーズさんが販売している「Retreat」は、ハイエースをベース車としていて、しかもナローの標準屋根をセレクトしています。
つまり、同じハイエースベースでも、キャンピングカーに使っているのは横幅も長さもそして高さもかなり大きいものを使います。
実は大きなキャブコンと高さ以外はほとんど変わらないというサイズも少なくありません。
ところが、「Retreat」は、もっともベーシックなサイズを使っているので、中を見なければキャンピングカー仕様になっているとは気づかないほどです。
そして、内容もよく考えられていて、ベッドとしても使いやすいフラットな床の下には収納スペースがあって、例えば車内でリモートワークをする時も必要十分なスペースが確保できます。
この時、キャンピングカー仕様にこだわってしまうと、小ぶりでもシンク付きのミニキッチンがあったりします。
あれば便利ではありますが、給排水タンクは条件クリアの基準10リットルという感じで、ちょっと洗い物もできるけれど、使ったら水を補充しないといけない煩わしさもあります。
だったら、ポータブル電源を積み込み、電子レンジも使えるようにして、その範囲で工夫した調理に割り切れば楽です。
もっとも、「Retreat」は、キャンプ場などで使える車体後部に引き出し式のコンロが装備されています。
なので、どうしても「火」を使った調理がしたい時には、手軽なカセットコンロタイプの調理台が使えます。
イラストを見てもらうと分かりますが、車内の内側は木目のパネルが敷き詰められていて、かなりオシャレで、自由に移動できる「自分だけの部屋」と言った感じです。
そして、このハイエースベースの「Retreat」に妹分が登場し、ホンダのN-VANをベースにした「Retreat Mini」が作られたました。
基本は一人仕様ながら、カップルでも楽しめるサイズ感で、これはこれで扱いやすさと割り切り感が絶妙だと思いました。
キャンピングカーというと、「8」ナンバー登録にこだわりがありますが、使い方や手頃感を優先すれば、もっと自由に楽しめるかもしれません。