キャンピングカーの理想と現実

なぜ、国内のキャンピングカーブームは一過性になりやすいのか?

キャンピングカーというと、例えば欧州では長期バカンスを楽しむアイテムとして選ばれます。

もちろん、バカンス=キャンピングカーではなく、移動手段もいろいろありながら、その一つとして6メートル7メートル級の大きなキャンピングカーを楽しみます。

一方、日本国内でのキャンピングカーというと、購入したものの、どこで楽しめるのか場所探しから始めなければいけません。

というのも、都心部はもとより、地方に目を向けても、安心して安全にキャンピングカーを停められる場所は意外と少ないからです。

最近のキャンピングカーブームもあって、道の駅を無料のキャップ場の一つと考えてしまうユーザーもいると囁かれています。

それはキャンピングカーの自由でオシャレなイメージを好み、でもいざ始めると近くに手頃な利用場所がなく、「無料」や「使いやすさ」に惹かれて道の駅などへ向かうのでしょう。

でも刷り込まれたイメージを持って始めただけに、例えば「焚き火」だったりキャップ料理だったり、真似してみたい理想だけが膨らみます。

しかしながら、意外と「直火」での焚き火を禁止しているキャップ場は少なくありません。

また、キャンピングカーを扱ううえで、ゴミ処理と給排水の管理は意外と手間が掛かります。

便利な部分も増えましたが、キャンピングカーを一つの住まいと考えると、一般的には多いお風呂もありませんし、トイレも緊急時だけに限定していることもあります。

もっとも、料理で使うキッチンスペースは、家庭用と比べれば最小限にまとめられたスペースになってしまうのもよくある話です。

最近、あると便利だなぁと思う電子レンジも、海外モデルならオーブンに変わっていたりして、その地域での食生活に合わせた調理機器が備え付けられていることもあります。

とは言え、国内に目を戻せば、キャンピングカーで行く場所は、海外の事情と同じではなく、使用ルールの定められたオートキャンプ場とか、RVパークのような施設が候補となってくるでしょう。

理想を言えば、気に入った見晴らしのいい場所でオーニングを出して、テーブルやイス、キャンプ用のアイテムを使って、どこかで見たような「オシャレなキャンプ」を満喫したいのがホンネです。

でもルールや一般の人たちとの調和を考えると、当たり前ですが「節度」がないとキャンピングカーも迷惑行為の象徴になるわけです。

ゴミを放置したり、禁止されている場所で騒音や花火などをすれば、キャンピングカーがいい印象を持たれるはずはありません。

そうなれば、ますますキャンピングカーで訪れることができる場所は限定的となり、結局は自分たちで行き場を失って行くことになるでしょう。

以前の記事にも書いたことですが、正攻法で進化するのはとても難しいことで、例えば安全性を軽視すれば今まで困難だった大胆でオシャレなキャンピングカーは作られます。

しかしそれでは、横転事故や追突事故を誘発し、また運転されるユーザーに対して一般的な乗用車とはいろんな面で異なる部分があるからこそ「特装車」として登録されることを広く認識してもらう活動を業界全体でも行う必要があるはずです。

ユーザーにウケがいいキャンピングカーを作ることだけでは、最近の人気も定着に繋がらないまま、厳しい行政からの規制によって自由度の失われた乗り物になるのです。

すでに車中泊を敬遠する道の駅などが現れて来ている一方で、まだ禁止されていない現場はというとキャンピングカーや自家用車を使った「車中泊」をしている方々が増えているようです。

ポータブルバッテリーの人気もあって簡単に車内調理できるものの、依然として生ゴミや残飯整理となると、家庭とは幾分勝手が異なります。

どのようなキャンプスタイルを目指すのか。

そのために自分に必要なキャンピングカーはどのようなもので、そこに必要な装備はと考えることもポイントなのです。

そうしないと、結果として周囲には迷惑な行為を「キャンプスタイル」と誤解して、自己陶酔したような行為に陥ります。

例えばYouTubeなどでコンテンツをあげる時にも、視聴者は映像化された部分しか見ていません。

でも作り手にすれば、そこで成果をあげようとするあまり、停車場所でのルール違反には注意したいものです。

幻想を見せてブームを拡大させるのではなく、その楽しみ方を伝えることでキャンピングカーをさらに活用して欲しいと思う限りです。

こみちもキャンピングカーや自家用車を自身の仕事に使える「スモールオフィス」として使いたいと考えています。

できる限りアイドリングや発電機に頼ることなく、周囲に迷惑を掛けないような方法で、静かにオフィス環境を構築したいのが、キャンピングカー選びの基準です。

皆さんのキャンピングカー選びの基準はどのようなものでしょうか。

節度を持って楽しみ、国内のキャンピングカーブームが一過性で終わらないことを目指しましょう。

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