親愛なるヒロシの言葉「みんな忙しいのでまたソロキャンプ」に思うこと

 なぜ、みんな忙しいのか?

「週末にキャンプを楽しみたい!」と思ったりします。

でも、現代人は何かとスケジュールが詰まっていて、「あれが済んだら」「この後に…」と何かを始める前にも予定があるのです。

最近、キャンピングカーに憧れを感じて、自分にはどんなタイプのキャンピングカーが合うだろうかと考えます。

バイクにも長く乗っていたので、ふらりと気ままに出掛けるツーリングが好きでした。

でもいつからかバイクにも乗らなくなり、いつかはと思うものの、「今の状況で乗る時間はあるだろうか?」と買う前から考えてしまいます。

フェリーを使った旅は、高速道路や下道で移動するのとはまた異なる旅情を感じるのですが、まとまった休みが取れないと意外と「フェリー」は豪華な旅行ツールなのです。

なぜそんな風に旅に出たくても出掛けられないのかといえば、それは単純に「旅よりも優先しなければいけないこと」があるからでしょう。

ヒロシが与えてくれるもの

ある意味、ヒロシ(親しみを込めて敬称略)がソロキャンプしてくれる動画は、今はまだ忙しい人のオアシスなっているということ。

本当なら、キャンプ道具を準備をしてキャンプ場まで足を伸ばし、テントの設営を経てようやく「自然と戯れる静かな時間」を過ごせます。

でも現実は、キャンプ場でもマナーは求められますし、自然と戯れる静かな時間があるのかも定かではありません。

意外とキャンプ場は騒がしくて、あのヒロシの動画で見るような落ち着いた時間は「特別なひと時」だからです。

ある意味で、まだ忙しい人やかつてのキャンプを思い出した時に「記憶に残っている景色」をヒロシは忠実に再現しているように思います。

「やり過ぎない」というセンスが、観ている人に想像させるのでしょう。

実際にキャンプ場を探してみると…

ヒロシがキャンプしているような場所とは異なり、どこか「与えられた」環境に気づきます。

それはきっと、映像としてみたい景色と、自身がキャンプしやすい景色が異なるからです。

キャンピングカーを選ぶ時も、例えばYouTubeで見かけるコンテンツの中には、「快適性」や「居心地の良さ」を紹介しているものを見つけられます。

しかし、どんなにキャンピングカーが装備を満載にしても、今住んでいる住宅以上にはなり得ません。

なるとすれば、「自由に移動できる」という部分でしょうか。

ところが、そんなキャンピングカーも見知らぬ土地で勝手に停車して車中泊することはできません。

車中泊できる場所まで移動することは、大人としての常識でしょう。

思えば、人は時間によって侵入が認められない場所がたくさんあります。

勤務している会社が入っているビルでさえ、時間外の入所は普段とは手続きが異なっているほどです。

キャンピングカーを購入しても、勝手に港の一角を占拠はできませんし、道端で車中泊すると周辺からの苦情にあうかもしれません。

だからこそ、キャンプが許される場所に集まり、「キャンプ」を楽しむのです。

実際、山を買っても勝手に焚き火できないのも、近隣への配慮を考える大人のマナーなのでしょう。

キャンピングカーの車内装備を紹介したり、乗り心地の感想を伝えるまでなら、夢と現実の狭間にいるのかもしれません。

しかし、実際にキャンプを始めると、便利商品や人気レシピの紹介になってしまうケースが多いのは、意識が家にいる感覚のままだからでしょう。

「ヒロシがしているようなキャンプがしたい!」と思いつつもできないのは、どこかで「理想」を追い求めているからです。

静かに自然と戯れる時間を過ごせることは、「忙しい」から抜け出した人だけに与えられた特権かもしれません。

なぜ、私たちは忙しいのでしょうか。

ゆっくりと時間を過ごすことに焦りや不安を感じてしまうからではないでしょうか。

「ここまでは熟しておきたい!」

そんな自分への縛りが、キャンプに向かうよりも、仕事に向かわせるのでしょう。

働き盛りの中高年世代が、今の仕事を一旦止めて、無期限でキャンピングカーの旅に出掛ける覚悟は簡単にはできません。

でも意外とどうにかなるものなのかもしれません。

途中で資金が底を尽きたら帰宅して、仕事探しから始められるなら、今すぐにでも旅に出ることは可能でしょう。

でも、やっぱり「みんな、忙しい」のです。


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