意外と確保が難しい「プライベート空間」
家庭を持つ社会人は、休みでもなかなか一人になれる時間が取れません。
一人暮らしの時であれば、帰宅後は誰にも気を使わずに気兼ねなくくつろげます。
特に何をすることがなくても、テレビをぼんやりと見ながら食事している時でさえ、リラックスできるのは他人の存在から自分を切り離せるからでしょう。
聞いた話によれば、妻子持ちの男性はトイレに入っている時だけくつろげるという方もいるそうで、どれだけ「自分だけの空間」を手に入れることが困難なのか分かります。
こみちの場合も、仕事中も家にいる時も「一人」で過ごす時間はほとんどありません。
あるとすれば、先に紹介したケース同様にトイレか、入浴中くらいのものでしょうか。
キャンピングカーとバイクツーリング
学生時代から20代、30代までは、複数台のバイクを所有するほど、バイクが生活の中にありました。
週末や仕事に余裕がある時は、愛車で走りに出掛けていたものです。
少し早めに起きた朝、まだ空きている道を軽く流しながらエンジンの振動を身体で感じます。
あの頃多かったのは、1時間から1時間半くらい走って、帰り道は朝日を拝みながら清々しい気持ちになっていました。
長距離ツーリングに出掛ける回数が減るに従い、そんなプチツーリングの回数が増えたように思います。
大きなバイクでなくても、例えば125ccクラスの小型バイクくらいが良くなったのもこの頃からでしょう。
力強く走ることよりも、自分自身のストレス発散を兼ねた「走り」が増えていったのです。
最近は車中泊を楽しむ方が増えましたが、こみちの場合は「野宿」の方が多いように感じます。
というのも、「旅行」と「旅」に微妙な違いがありように、これまでのスタイルが「バイク旅」からの流れで「野宿」をして来たからです。
キャンプでも同じですが、その場所の空気感を強く感じることができます。
寒い時は身体が震えますし、暑い時はその場でじっとしていても汗が噴き出す程です。
快適過ぎない環境が、逆に心地よかったのもあります。
一方で車中泊をしている時は、どこか身の安全を感じますし、旅先というよりも車中の装備に目が行きます。
車内で過ごしている時は、そこが何処なのかは関係無くなります。
キャンピングカーを選ぶ際のポイントでも、日中だけ過ごすつもりなら「乗用車」でも十分でしょう。
後部席を陣取れば、ちょっとした仕事はできますし、記事を書いたりイラストを描いたりできるからです。
雨降りや寒い日などは自宅を使えばいいのですから、絶対にキャンピングカー一択しかないということではありません。
ただ、「プライベートな空間」を求めるのであれば、たとえ乗用車の後部席が使えたとしても、外部からの視線や人影が気になることもあります。
閉ざされた空間は意外と手に入らない
キャンピングカーの中にも、窓に簡単な操作で目隠しできる車種もあれば、専用のアイテムを使って窓に設置する車種もあります。
夜間時、自身で設置した物だと完全に視線を遮ることは難しく、どうしても隙間が生じてしまいます。
また、トイレなどで車外に出る際には、目隠しをした乗用車は少し面倒に感じることもあるでしょう。
見知らぬ土地での「車中泊」に不安も
日中と夜間では、景色もまるで異なります。
それは「車を停めた」時にも共通した認識で、日中のロケーションに惹かれたはずでも、夜間時には人影も消えて、妙に閑散とした物寂しさを感じたりします。
安全性や安心感を求めると、装備に優れたキャンピングカーでも精神的に安心できるキャンプ場などが好まれるのも頷けます。
できることなら、ホテルなどの宿泊施設が落ち着くかもしれません。
夫婦二人という場合なら、500万円のキャンピングカーで購入する場合と、その予算で今ある乗用車でホテルを利用する場合では、どちらが理想的でしょうか。
夫婦と言ってもそこは厳密に自分空間ではありませんが、食事や入浴、何よりもゆったりと温かい布団で寝られることを考えると、ホテルを使う旅行にも魅力はたくさんあります。
若い頃のようにリスクを気にせずに一夜を明かしていた頃に比べて、見知らぬ土地での夜明かしには「恐怖心」が芽生えてしまいました。
そう考えると、例えば新型SAKURAだったとしても、治安に不安な場所では車中泊はできません。
それだけ、「プライベート空間」を手に入れるのは容易なことではないのでしょう。