何のためにキャンピングカーで「旅」に出るのか?

 家とキャンピングカー

キャンピングカーの大きさや装備を考えて行くと、「自宅」が基準になるだろう。

自宅で風呂なし生活を送っているなら、キャンピングカーにシャワーが無くても、「清潔感」をどう工夫するかは身についているはずだ。

夏場の空調だって同じで、エアコンは便利だけど無いなら無いなりに暮らし方をすれば良いことになる。

家賃10万円の賃貸に住んでいる人が自宅をキャンピングカーに換えると決めれば、月に10万円、年間で120万円の住居代が使用できる。

しかしながら現実的な話をすると、「住民票」を置くための「現住所」が、現代社会ではとても重要になる。

何か形式的な申請や契約を行う場合に、「現住所」を記載することが多く、これが無いと仕事を見つけるにさえ苦労するからだ。

つまり、日本で暮らす限りはキャンピングカーを「モーターハウス」として自宅に置き換えることは難しく、何らかの方法で「現住所」を残しておく方がいい。

実家があったり、兄弟姉妹がいて仲が良ければ、「同居」をお願いすることも方法だが。

キャンピングカーの価値と耐久性

「家」の場合、築20年を超える頃になると、細々としたところが故障や修繕の対象になってくる。

もっとも分かりやすいのが、外壁塗装では無いだろうか。

日ごろから掃除できないし、高い屋根などは雨風の影響もあって破損やコケができて、見栄えを悪くしてしまう。

また、20年も経過すると、ライフスタイルも大きく変化していて、家族構成や部屋の使い方、欲しい設備も変わってくるだろう。

キャンピングカーの場合、例えばトラックが50万キロくらい走ることができる。

もちろん日々のメンテナンスがあってのことで、満載状態で走ることが多いキャンピングカーは、もっと短いこともあるし、居住スペースのトラブルは「家」と同じで修理や修繕は欠かせないだろう。

最近増えているエアコン搭載のキャンピングカーも多いが、振動が避けられない状況である以上、エアコンそのものもシンプルで部品数の少ない物が良い。

あれこれと装備を増やせば単純に車重が重くなるし、振動で破損すれば肝心な時に動かないからだ。

旅先での故障となれば、家で待機している時よりも面倒が増えるし、メンテナンスで評判の販売店だとしても、販売店や提携工場を全国展開していなければ不便を感じるだろう。

例えば10年乗り続けたキャンピングカーを新しいものに換えるという場合、頼りになるのは「購入した店舗」ではないかと言える。

というのも、昨今はキャンピングカーブームという追い風だが、このまま定着するかは今度の社会情勢と関係する。

自分が良いと思ったキャンピングカーを選ぶことも大切だが、「乗り換え」を考えるとその時点でのニーズにマッチしているかが大きい。

ビルダー(生産工場)は、自社のキャンピングカーに何らかの目的を掲げて販売している。

安全性ということもあるし、最新装備満載ということもある。

それらが売却時点で、どれくらい価値あるもの何かが、そのまま「価格」に反映するだろう。

よく一般車でも「ハイブリッド車」がエコか否かが議論となり、初期投資の差額が燃費向上分で賄えるかと考える人も知っているが、もっとも気になるのは下取りに出した時にどこまで違いがあるかだ。

搭載しているバッテリー本体を新品に交換するとなれば、販売店はそれを見越した買取や売値を考える。

つまりは、車としての基本性能がベースとなり、搭載されたオプションの中で上乗せできるものが有れば査定額に反映してくるだろう。

その意味では、長く乗るキャンピングカーほど、無骨な雰囲気でシンプルな装備が理想的だ。しかも購入するなら、メンテナンスのことまで考えた方がいい。

売りっぱなしになるビルダーを選んでしまうと、せっかくの旅が足止めになるし、買い替えたくても買い手が見つからなかったり、その分安く査定されてしまう可能性がある。

その意味では中古市場を調べてみて、「売却に至った理由」を探しても面白いだろう。

大きいサイズが便利という人もいれば、コンパクトで使いやすいと答えた人もいるはずで、一般的な車以上に「目的がピンポイント」なキャンピングカーは、何より使い方を見極めることが大切なのだ。

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