山は買える!
最近のキャンプブームも影響して、個人で「山」を買う人が増えているそうです。
ある意味、山も不動産なので、感覚としては「買うことができる」ものなのは想像できるでしょう。
もっとも、「山を買う」と言っても、例えば日本一の山と称される「富士山」のように、山全体をまるまる買うということとは限りません。
というのも、「山」を含む土地には、原則として固定資産税が課税されます。
山というのは、分類上「山林」とされる土地だと言えます。
また、地目の分類には、「宅地」や「田」、「畑」などもあって、家を建てる分譲地などは「宅地」をさらに区分したものになります。
さらに言えば、区分する目的は、土地の利便性に応じて課税率を変更するためでもあり、「山林」として評価されるよりも「宅地」とみなされる方が税金が高くなるのです。
日本の国土の7割程度が「山林」です。
さらに詳しく見てみると、国や都道府県などの自治体が所有する土地も有れば、一般の人や会社で所有している私有地であります。
特に私有地であれば、交渉次第で購入することができるのです。
マイホーム同様、実は目的に合った「山」を見つけるには?
例えば、価格だけでいうと「30万円」で買える「山」は存在します。
もっと低価格の山、地目上「山林」扱いとされる土地だって、広さ次第で見つかります。
例えばその土地を切り拓いて、自分だけのプライベートキャンプ場を作りたいと思う人もいるかも知れません。
何十年も手付かずの雑木林を、草刈り機やチェーンソーを使って切り開く必要があるでしょう。
注意ポイントとして購入した土地へのアクセスが容易でないと、重機や搬送用のトラックを導入できないので、人海戦術で開拓するしかありません。
夏場など、草木の成長が早い時期、一週間程度でも驚くほど雑草が生えそろいます。
場合によっては、かなりの人数と手際がないと、キャンプを楽しむまでに、購入した土地を理想の形に変えなければいけません。
例えば、山に小屋を作る場合、電気やガス、水道などのインフラも必要でしょう。
キャンプ場を目指すなら、屋根だけある小屋で、電気もガスも水道も引き込まないスタイルもあります。
そこでの注意ポイントは、土地に小屋などを建てる場合、これまで山林として扱われてきた土地の区分が変更されて、「宅地」扱いに変わることもあります。
そうなって来ると、安い維持費も気付けばそれなりに高額な金額へと変わっていたりします。
インフラを導入したい段階になって、ガスや電気、水道を引き込むために周辺の地権者や工事費用も必要です。
一方で、売りたくなった時、買い手を探すことから始めなければいけないことに気付きます。
キャンプ好きで購入し、買い手もキャンプ好きなら土地も売れやすいですが、秋などで集中豪雨に見舞われた結果だと、土砂崩れが起き周辺下流域に被害が発生すれば、原則的には賠償責任が問われることになるでしょう。
土地の管理という意味では、長く付き合っていける覚悟してがないと、そもそも山を買うことは難しいはずです。
夢のある「山」購入ですが、購入前に目的や運営方法を確認しておきましょう。