プロローグ
ランニングでスピードを出そうとする時、私たちはどうしても「足を前に大きく出そう」「地面を強く蹴ろう」と力んでしまいがちです。
でも、そうやって走ると息切れするし、筋肉は疲れるし、何よりケガのリスクが高まりますよね。
もしも「フォームが驚くほどコンパクトなのに勝手にスピードが出てしまう、疲れない走り方」があるとしたら、試してみたいと思いませんか?
実は、走るという運動の本質は驚くほどシンプルです。
それは「毎回同じタイミングで向こうからやってくる接地を、ただその場で迎え撃つだけ」だから。
今回は脳のCPUを100%使う「頑張り走り」から卒業し、物理法則を味方につけるためのステップをご紹介します。
ステップ1:意識を「前に進む」から「その場足踏み」に変える
まず、「前に進もう」という意識を完全に捨ててみてください。
イメージするのは、「高い位置でテンポよく刻む、その場での足踏み」です。
頭の中で「イチニ、イチニ」と少し早めのメトロノームを鳴らして、自分の体の真下に足をポン、ポンと落とすことだけを考えます。
「それじゃ前に進まないのでは?」と思うかも知れません。
ですが足踏みしたままおへその位置をほんの数センチだけ前に傾けます。
不思議なことに、足を前に出していないのに、体が勝手にトトトッと前に滑り出しませんか?
前に進むエネルギーは筋力で作るのではなく、「重心移動」に丸投げしてしまいましょう。
ステップ2:「倒れる棒」になって地面を迎え撃つ
人間が走る姿は、物理に見ると「少し前に傾いた1本の棒が、地面にパタンと倒れながら転がる現象」と同じです。
前に倒れそうになった棒の後端が地面に当たると、その衝撃で体は後端を跳ね上げながら前に跳んでいきます。
つまり、あなたがランニングでするのは、ただこの動き。
何か地面にするのではなく、むしろ素直にポンを跳ね返されることで、足が折り畳むように前に運ばれ、体も前に弾みます。
その動きになるには、自分で足を畳む動きさえ必要ありません。
跳ね返されるのでその勢いに従うだけです。
ステップ3:スピードは「作る」ではなく「上がってしまう」!?
この物理法則が分かると、足は勝手に折り畳まれます。
自分で上げようとはしません。むしろしたくなくてもなってしまう方が近いです。
足踏みすることがしっかりできると、それは同時に強い反発をもらえることなので、足も折り畳まれ、体も前に跳んでしまいます。
より高い場所から落ちれば、それだけ強く反発するんです。
こみちの場合、骨盤の押し込みや背筋との連動がより強い反発のキッカケになっています。
まずは毎日の「歩き」から実験してみよう
この感覚、わざわざ走らなくても、通勤やお散歩の「歩き」の中で今すぐ実験できます。
歩く時に足を前に踏み出すのをやめてください。
足が地面に着いた瞬間、足を後ろにスッと引く抜くように歩いてみるだけ。
これだけでお尻の筋肉(大臀筋)や膝の裏側がキュッと目覚めて、体が勝手に前に滑り出します。
頑張って走るにをやめて、流れて来る地面にタイミングを合わせるんです。
体がスッと前に進む感覚ありませんか?
これがランニングでも同じ動きなんです。