足音
ランニング時は、基本的に体がずっと前に移動しています。
その中で、足を地面に伸ばして、落下する体をまた空中へと弾ませます。
なので、伸ばした足が地面に届き、足の裏が地面に固定されて、その時に体重が乗り、時に膝や足首関節が勢いに負けて動きます。
そして、体が進み、足から離れるタイミングで、足は地面から離れてしまいます。
つまり、「足音」が出るのは地面に足が届いたタイミングですが、その音はフォームによってもかなり違って聞こえます。
一般的にバタバタと乱れた足音になるのは、伸ばした足が毎回不揃いに接してしまうからで、その音を安定させるには、地面と股関節との距離を一定に保つ必要があります。
なので、走っている時は伸ばした足がほぼ同じタイミングで接地し、膝関節の角度を含めてバラつくことはありません。
それを可能にするには、その前の段階でしっかりと推進力を得て、空中移動も想定通りでなければならないので、左右のバランスを含めて、同じ動作が繰り返されます。
その上で、足音の違いですが、以前はどれだけ力強く地面に足を伸ばせるかに意識があって、それはより強い反発を得るためだったのですが、その時はとても大きな足音でした。
もう少し触れると、音の長さと言う点で、股関節と地面の距離がベスト場合、とても短い音になります。
しかし、距離が近い場合には、足が地面に届いてから体重を受け止めている時間も長くなるので、どうしても足音はグニュっと潰れるような音も続き長いです。
太ももの前側を使うようなフォームの場合、こみちは割とそうなります。
原因は、接地位置が少し前で、足がより早く地面に接しています。
一方で、ベストだと思う時は、足音はとても短くて、パン、パン、パンっと言う感じになります。
そうなる原因は、地面に足が届いて、体重を受け止めて、さらに足が離れるまでの時間が短く、これらの動作をほぼ同時に行うからです。
フラット接地の場合、足の裏の中で体重移動する分だけ接地時間が長くなりますが、それでも足音は以前よりも短くなったと思います。
強い力を短い時間で発揮し、すぐに反動があると効果的ですが、例えばゴルフのシャフトやスキー板などでも、より高い運動性能を求めると硬くなる傾向が強くなるのに似ています。
例えば厚底シューズの反発が少し遅くなると、高反発ではあっても、接地で待つことになるので、脚力をより使うフォームになるのではないかと思っています。
ターボ車の踏み込んでパワーが出るまでのタイムラグのような感じでしょうか。
なぜそう感じたのかと言うと、最近キロ4分ペースで走っているランナーの動画見ていて、接地時間や足音が随分とこみちと違って聞こえたからです。
もちろん、こみちよりもずっといい音で走られているランナーもたくさんいるのですが、たまたま拝見したランナーはちょっと足音が気になりました。
例えばキロ4分ペースならまだいいのですが、キロ3分前半になるとそれなりにしっかりと走らなければいけません。
ケイデンスも上がりますし、ストライド幅も伸ばさなければいけません。
そんな時に、モサっとした接地ではケイデンスが頭打ちになるので、相当にストライド幅が伸びないと望むペースには到達できません。
こみちの場合、ケイデンス180のままではほぼ不可能なので、股関節と地面との距離が僅かにズレて、回している足が無駄に伸び縮みしただけでもフォームとしては気になります。
接地中はほぼ曲げ伸ばしはしたくなくて、ロックしたまま股関節だけで押し込みたいので、キロ3分台に上げる時はとても気をつけているポイントです。
実際、その調整が合っていると力まなくてもキロ3分20秒ペースくらいまで到達できます。
ケイデンスが195、ストライド幅が160センチ台になることで可能になります。
感覚として、接地前後では膝の曲げ伸ばしは極力行いません。
接地直前で固定して、そのまま接地して跳ね返ったら骨盤に引っ張られて前に運ばれます。
強いて言えば、接地中に一瞬だけクッと力を入れて押し込むタイミングがありますが、それも足で行うものではなく、骨盤の動きによって成されるものです。
最近はそんな意識で走っているので、足音に対する感じ方も変わりました。
接地時間を減らして減速させないように足を動かしたいので、そうなる様に姿勢やポジションから修正して理想的なフォームを心がけています。
キロ4分ペースでも、本当に楽に走れてしまう時もあれば、結構しっかりと脚力でカバーしている時もあって、足音も違って聞こえます。