全力の80%で走るためにするべきことを考えた話

 全速力が同じだとしても

全速力で走った最高速度が同じでも、80%で走った時も同じとは限りません。

つまり、短距離走で同タイムの選手たちがランニングしたら、その心地よいペースは異なるということ。

それは短距離走でいう一次加速と二次加速の重要性の違いから生まれるものだと思うのですが、ランニングで楽に速く走るコツは二次加速でのフォーム作りが大切だからです。

一次加速がスタートから30mや50mとするなら、そこでトップスピードを迎えて、その後はもう速度が上げられない中で、そのスピードを維持させるフォームへと切り替えなければいけません。

車で言うエンジン回転がレッドゾーンに入った時なので、そのままアクセスを回し続けても加速しないし、何よりもエネルギーの消耗が激しくなります。

そこで、回転の上限に達したらギアをより高速化するのですが、人間の場合には「ギア」という設定がないので、テクニックとしてフォームを変えます。

こみち的な違いは太ももを押し下げるのか引き上げるのかも分かりやすいポイントで、一次加速のような場面では押し下げる意識で走りますが、トップスピードを迎えてからは引き上げる動きを意識しています。

地面を蹴るという意識は捨てて、地面の上で跳ねるような感覚です。

それは速度が既に限界を迎えているので、地面を押して加速しようとはせずに、また接地を早くし過ぎないことでブレーキにならないように素早く接地を済ませます。

そのためには、腰が落ちて骨盤が寝てしまうと、どうしても接地にもたつくので、例えばバスケットでドリブルシュートする時の最後の一歩のように地面に足をついたら反対側の足が引き上がるように、踏み込む動作ではなく持ち上げる方に意識を感じます。

こみちは高跳びの助走をされる選手の動画を観て覚えた動きなのですが、ちょうどバウンディングに似ています。

ランニングとの違いは接地での足の入れ替えに意識を持った動きだということで、始めたばかりの頃は上手くできないだけでなく膝関節を傷めやすいのも、入れ替え動作がスムーズにできないからです。

腸腰筋を意識して使えると、足を引き上げる動きがスムーズになりますが、ランニングでもしないと日常生活ではなかなか使う筋力ではないので、思うように足を素早く入れ替えることは練習しないとすぐにはできません。

こみちの場合、バウンディングもそれっぽくできるまで1ヶ月くらいは掛かりました。

特に始めたばかりの頃は、膝関節を壊しそうにもなって、なので毎日ではなく時々、そして少しずつ始めていきました。

言い換えれば、バウンディングができないと二次加速のフォームは作れません。

50mは速いランナーでも、ランニングが平均レベルになってしまうとしたらそれは全速力で足を回すのが得意でも、バウンディングのように素早く足を入れ替える動作が不得意ということでしょう。

一歩ずつ速く動かすことと、両足を素早く入れ替える動きは同じではなく、その差が80%での走りに違いをもたらすように思います。

このことは、インターバルトレーニングがケイデンスの引き上げに繋がるとしても、二次加速でのフォーム作りに活かすには足の入れ替え動作が得意でないと難しかったりします。

ガツガツとトップスピードを上げる一次加速の動きも大切ですが、インターバルトレーニングでもトップスピードを迎えた後の流しがもっと重要で、リラックスしてトップスピードのまま足を回して走ることで、二次加速でのフォーム作りに繋がります。

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