ランニングはストライド幅とケイデンスで決まる！
ストライド幅を「歩幅」と訳してしまうと、ランニングを誤解してしまう。
ストライド幅は、一歩でどれだけ「空中移動」しているかの数値だから。
つまり、左右の足を交互に出して走るけれど、一歩ずつ踏み締めることが大切なのではない。
そうではなくて、踏みしめて体を安定させて、もう片方の足をどれだけしっかりと前に素早く振り出しているかがポイントなのだ。
そして、エリートランナーほど、着地してから振り出すまでの動きがコンパクトで速い。
前に振り出して後方に流れて、また前に振り出して…。
そんな風に足は動くけれど、ずっと同じスピードで動いているのではなくて、圧倒的に前に振り出す瞬間に速くなる。
そのポイントがあるフォームになれば、キロ５分ペースで走ることも逆に難しい。
初心者と初級者の話
キロ５分ペースは、10キロまでの距離で考えると初心者が初級者になる目安だと思う。
10キロを50分くらいで走れるようになるには、ケイデンス180spm（１分あたり180回振り出すリズム）になれて、ストライド幅100センチに到達しなければいけない。
メリハリなく足を動かしても、ストライド幅100センチは超えられず、最初は意識して足を大きく動かして走るくらいにした方がいい。
感覚としては拳一個分、膝頭を高くして走るのだ。
体を大きく使うので、当然ながらすぐに疲れる。
キロ５分ペースで走ることがこんなも辛いのかと感じるだろう。
しかし慣れてくれば、10キロ、50分間、キロ５分ペースで足を動かすこともできるようになる。
最初は１キロ。そして、２キロ、３キロと段々距離を伸ばせばいい。
初級者から中級者
中級者になるには、キロ５分ペースではなく、キロ４分15秒ペースで走れるようになりたい。
キロ４分15秒ペースとは、ストライド幅が130センチくらいになることを意味する。
大股で走るイメージでは到達するのが難しく、その段階で「歩幅」ではなく「空中移動」と言う発想に切り替わる。
初心者の段階では、そこまで考えなくてもキロ５分ペースくらいはピッチを上げることでカバーできるが、そのままの意識では限界になってしまう。
だから、中級者になるには、やはりいかに足のスイングスピードを高め、走りの中で緩急をつけられるかがポイントになる。
単純に遊脚が軸足を早く追い抜くことができれば、それだけしっかりと空中移動する準備ができていると言える。
つまり、地面を踏みしてから足を振り出すイメージから、踏み締める前に振り出せないかを考えたいのだ。
空中移動中、何もしないで飛んでいるのではなく、足が入れ替わっていることに気づくと、中級者らしいフォームに変わる。
中級者から上級者
上級者になったことがないので、正確なことは言えないが、目標として考えるとキロ３分ペースで走ることに気負わないレベルだろう。
キロ３分ペースとは、ストライド幅で180センチを超えるくらい。
例えばこみちなら、ショートインターバルでしっかりと走ってもストライドは160センチくらいが多い。
そして、ケイデンスが180spmではなく、200spm以上になり、それだけ足を回転させていることになる。
ペースとしてはそれでも走れないことはないけれど、「レベル」と言う意味では、ストライド幅180センチが楽々で達成できるようになれば上級者と呼んでもいいだろう。