ジョグペースの考え方
ランニングの雑誌に「先ずは60分を走り続けられる走力」という説明が書かれていた。
100mでも1000mでもなく「60分」というくくり。
多分、こみちの現在の走力なら「キロ5分20秒ペース」を思い浮かべるだろう。
このキロ5分20秒ペースという設定は、ストライド幅100センチとケイデンス180spmのフォームから得られるもの。
よくランニングをスタートしたばかりの時は、キロ6分台のペースで始めることも多く、当然ながらストライド幅もケイデンスもこの設定した数値に届いていない。
少し話は外れてしまうが、昨日の夕暮れ、約3キロの距離を散歩とジョギングを楽しんだ。
川沿いの土手も通ったので、数名の市民ランナーを見ることもできた。
何気なく見てしまうのは、ピッチとストライド幅。
過去を振り返ってもストライド走法で走るランナーはほとんど見かけなくて、多くはピッチ走法で走っている。
つまり、ペースの差は、ほとんどケイデンスの数値とも言える。
見る限り、ストライド幅100センチ以下で走るランナーが大半で、つまりは股関節を主体に走るのではなく、膝から下を中心に動かしながらテンポで走るようなフォームだ。
こみちの経験では、ストライド幅が100センチに到達しないフォームでは、ペースもキロ6分7分になってしまう。
ケイデンスを200spm以上にしてピッチ走法で走るのは大変で、だったらストライド幅を伸ばしケイデンスを180台まで落とした方が楽に走ることができる。
「ストライド幅を伸ばし」と簡単に言ってしまうが、コレを満たすには「お尻で走る」という課題に挑まなければいけない。
つまり、膝から下で走るフォームから、股関節主導のフォームに変えることが必須で、ハムストリングや腸腰筋、内転筋などの役割や使い方を知ることになる。
初心者から初級者に変わるには、この股関節を使った走るが身についたのかがポイントだとするなら、中級者は股関節をより効率的に使うフォームを身につけることが課題だろう。
股関節主導のフォームというと、可動域の広さをポイントにすることがある。
しかし、最近になって思うのは、乗り込みから踏み切り動作に移行する一瞬、距離にして1センチほどをどれだけ素早く強い力で押し切れるかが大切だと感じる。
だから、実際には股関節を広く使うよりも、パワーが出しやすいポイントを見つけて、毎回そこで押し込むことだけが重要ということだ。
しかも、長く押し込むのではなく、一瞬で最大のパワーを発揮させること。
それができるようになると、膝関節の倒し込みが大切だと気づくだろう。
理由はケイデンスをさらに上げるためと、推進力を減速させないためだ。
経験からすると、この辺りの課題を日々のランニングで意識するのは、ストライドが140センチを超えてからだろう。
股関節主導のフォームが大切だと感じる頃で、ストライド幅120センチ前後だったから。
それらを経てからのストライド幅100センチは、膝関節の素早い処理も、強い踏み切りもほとんどしない。
足を交互に出して、接地から踏み切りをスムーズに行うくらいの意識で走っていると大体ストライド幅100センチは超えるはず。
つまり、膝下だけで走っているとどうしてもストライド幅は80センチ台まで落ちるだろう。
ここまでの説明でも理解できると思うが、ストライド幅100センチは手段さえ確かなら決して困難ではない。
できないとするなら、それはいろんな部分でできない方法のままになっているからだろう。
こみちの目安としては、「ランニングらしい走り」でキロ4分40秒ペースという指標がある。
走れている時なら、特に速いペースではないが、動かない時はキツくも感じるペース。
というのも、ストライド幅が120センチくらいなら、普通に走っていれば出てしまう。
でもストライド幅120センチを何も分からずに出すのは大変だ。
よく接地の話で、踵からなのかつま先からなのかという話題が挙がったりするが、ストライド幅120センチくらいならどちらでなければいけないというほど難しい話ではない。
踵接地に比べて、つま先からの接地は、膝関節が曲がったままの可能性が高い。
膝下中心のフォームで、つま先から接地すると、動かしている膝や足首関節を固定させられないので、走り辛いのではないだろうか。
必然的に踵接地になり、地面からの反発、空中移動、ストライドの拡大という流れから外れてしまう。
こみち自身、キロ3分ペースでも踵接地は厳しいかも知れないが、つま先から接地していなかったりする。
確かに踵よりに接地している時は、意図的に足をより早く回して、着地時のポイントを後ろになりように変えている。
それはパワーポジションとの関係でもあるが、膝関節や足首関節は特に何もしないで、後方から来た体を支え、そのまま前に流しているだけだ。
加速区間なら、「そのまま」のタイミングで、骨盤の使って素早く押し込み、さらに足を伝わって地面を押し込むのだが、ここでは膝も足首も関節を固定させていないといけない。
ブレてしまうと、骨盤の押し込みが上手く伝達されないからだ。
例えば踵接地であっても、踏み切り動作はできるので、こだわりべきポイントは膝関節と足関節を使わないフォームを身につけることだろう。
つまり、膝下中心で走っている限りキロ4分台前半で走り続けるのは難しく、逆を言えば骨盤で走ることを覚えたらもっと楽に走れてしまう。
これはペースを落とした時にも言えて、例えばキロ6分台のペースで走る時でも、膝下の曲げ伸ばしでは走ったりしない。
それでも心肺機能やスタミナの向上には役立つと思うが、ペースアップした時に膝関節などを傷めてしない可能性が高い。
なのでできるなら早く、股関節主導のフォームを覚えてしまった方がいいだろう。
股関節主導のフォームで走れると、ストライド幅が100センチを超えないということの方が難しいと思うので、もしも普段のランニングでストライド幅が狭いなら、そして膝関節などを傷めてしまう経験があるなら、正しいフォームを覚えた方がいいだろう。