市販車の限界
例えば、レース専用のモトクロッサーは、とても軽量です。
ナンバープレートもウインカーも基本的に付いていないので。
そうすることで、圧倒的な加速と軽快なハンドリングが実現します。
市販車でも、レース専用にそれらの保安部品を外して軽量することもできます。
ただ、レース専用のモトクロッサーは、ギア比の設定もレースを想定したもので、市販車がカバーする速度域とは違います。
そもそも市販車を乗りこなせるのか?
例えば、市販車の能力を100%引き出せる技術力がなければ、レース専用車両が無駄になるのでしょうかその意味は、同じエンジンだとしても、よりパワーが出るセッティングにすることで、扱いやすさよりもよりシビアな運転が求められます。
つまり、市販車は懐が広く、小さなミスしても大きなロスにはなりません。
その意味は、市販車の方が扱いやすいとも言えます。
これはこみちのケースですが、十代の頃によく乗っていたのは125ccの小さなエンジンを積んだバイクです。
ピークパワーもそれほどではなく、だからこそパワーバンドと呼ばれるエンジン回転を意識して運転しなければ速く走れません。
一方で、250ccになれば、もっと楽にパワーが出せます。
少しくらい曖昧に操縦しても、エンジンパワーが違うので、それなりに走らせられます。
750ccのバイクにもなれば、そのパワーの大きさがすご過ぎて、400ccのパワーがスカスカに感じます。
じゃあ、どのバイクが楽しいのか?という話になるのですが、正直、どれも違う楽しさがあって選べません。
バイクとランニングフォームの共通点
ランニングを始めたばかりの頃のフォームのままだと、こみちの場合、キロ5分ペースが大きな壁でした。
頑張って走ろうとしても、足の動かし方も分からないので、ただただがむしゃらに走ろうとしていたのです。
バイク操作で言えば、排気量以前の話で、それこそ1速しか使わないままスピードを求めていたということです。
つまり、よりパワーが出せるフォームを知ることは、ギアを一速ずつ追加するようなもので、それぞれのライナーの運動能力がこの場合のエンジン排気量に相当します。
こみちに搭載されているエンジンは、想像ですが80ccから125ccあたり。
トップスピードは、MAXで110キロ出たらいい方でしょう。
つまり、250cc以上の排気量を積んだランナーには、トップスピードでは全く敵いません。
フォームをどんなに見直して、ギアを増やせたとしても、そもそものパワーに限界があるので、トップスピードを伸ばすのはエンジンを壊してしまうことでしょう。
だとしたら、燃費の向上やトップスピード以下でのスムーズな加速をどう練習で磨いていけるのかが課題ということになります。
250ccの相手で、その人がまだ経験が浅くて、キロ4分から4分30秒くらいで走っているなら、しばらくは追走もできるでしょう。
しかし、壊れるのを覚悟しても、キロ2分30秒を切るほどになれば、いつエンジンが壊れてもおかしくありません。
つまり、そのペースを当たり前に出してしまうようなランナーには、もうどんなに練習しても全く敵いません。
例えば、自身がこみちと同じ125ccのエンジンで、でもまだランニングを始めたばかりなら、もしかするとギアの数が足りないかもしれません。
トップギアはあっても、上り坂で使えるギアやタイトなコースでも扱いやすいギアなど、いろんな路面でも安定して軽快に走れるようなフォームがないと、そこで差が出てしまいます。
つまり、平坦で走りやすい陸上トラックばかりで走っていると、滑りやすい砂利道で上手く走れないかもしれません。
タイムばかりでは判断できないのも、タイムはあくまでも上手くことが進んだ時の結果です。
こみちがランニングで乗り込みや踏み切りをとても大切だと感じているのは、少ないパワーなりに速く軽快に走れるためのポイントだと思うからです。
同じような意識を持つランナーで、その方が250cc以上のクラスなら、勝負にならないほど圧倒的にこみちは取り残されてしまいます。
または、同じような意識がない人でも、身体的パワーで理屈を覆して走れるかもしれません。
誰もが最初は市販車で、可動域もパワーもかなり制限されています。
練習をして段々とその制限を外し、完全に外しても壊さない限界を自身でセーブできるようになります。
そして、セーブしていても、故障が続くようになるとレース専用ではなく、もうすぐ楽しく走れる市販車的な快適装備に変えて、長くランニングを楽しむのがおすすめです。
高反発のシューズを履けば、もう一段二段とできないことができるようになり、でもその代償としてケガや疲労を蓄積させるかもしれません。
だとしたら、壊さないで走るフォームを見つけることでしょう。
グリップ力の高いタイヤは、加速も減速も今まで以上ですが、長く持ちません。
だからこその付き合い方があって、その準備も増えます。
ランニングで準備体操を軽くして走れてしまうのは、それだけ体の負担も小さいフォームだからです。
限界に近いパフォーマンスを出す時は、やはりしっかりと準備して、期間を空けて取り組む方がいいはずです。
練習で、いつもトップスピードで走るというのでは、練習になっていません。
なぜなら、まださらに上のギアを増やせるかもしれませんし、各部を見直せばさらに動きがスムーズになるかもしれません。
そのためには、どこにまだ余裕があって、改善できるのかを調べて試すということが必要です。
こみちの場合、少し頑張って走ると疲労が残り、時に足に違和感も覚えます。
無茶苦茶な動きではなくても、動きの中で想定以上のパワーが出ていると、やはり体に負担があります。
イメージとしては分かっていても、それに応じられる車格ではないのです。
こみちの場合、段々と自分の限界が見えて来て、上手く行ってもこれくらいだろうと思う段階があります。
レーサーでもありませんし、大きな排気量も積んでいない。
体調がいい時に、キロ3分台ペースでも走れたりしますが、疲労を残さないランニングならキロ4分台までに抑えていた方がいい感じです。
始めた頃は意識するとよくなって行きましたが、段々と思うような結果にはならなくて、むしろ後から傷みを感じたりすることが増えました。
それでもランニングは楽しいですが、レベルをわきまえることも学んだように感じます。