「キロ6分30秒ペース」でも効果的だと思う理由

 「ランニング」の上達を決定するのは?

「ランニング」を単に「走る」と理解するのではなく、長い距離をできるだけ早く走り切ることと理解した場合、必須となるポイントがあります。

それは、心肺機能、脚力、スタミナです。

そして、それらが満たされた時に欠かせないのが「フォーム」で、これらが上達に従って自然にランニングは速くなります。

「キロ6分30秒ペース」とは何か?

ある程度、ランニングの経験者であれば、例えば「キロ3分台ペース」という言葉に達成感を覚えるのではないでしょうか。

キロ3分台で3キロでも5キロでも走れるようになりたいと思ったりしないでしょうか。

その解決策は、脚力の向上にありますが、話がややこしくなるので、なぜ「キロ6分30秒ペース」なのかを説明します。

何が何でもキロ6分30秒ペースなのかというとそうではありません。

ランニングに欠かせないポイント、心肺機能や脚力、スタミナが十分でないなら、先ずはそれらを最低限まで向上させる必要があるからです。

つまりその準備期間を「初心者」と呼ぶなら、初心者が目指すのは「ランニングできる準備を整える」ということです。

言い換えるとダイエットや気分転換の目的なら、この「準備期間」を達成できるようにランニングと向き合うことになります。

数値が具体的にあると分かりやすいので、あえて数値を使うと、3キロの距離を最後まで走り切れることがテーマです。

全速力で走るのは上級者でも難しく、つまり、どれだけ手を抜いて走り続ければ3キロを連続して走ることができるのかを日々のランニングの目標にして欲しいのです。

歩いてなら3キロの距離を到達できるなら、今度はゆっくりと走ってみましょう。

最初は腕だけ走っているような感覚で動かし、ほとんど歩いているようなペースでもかまいません。

それでも、初日から続けていると段々と早いペースで走れるようになるものです。

タイムという制限をかけるよりも、5キロ、10キロと距離を伸ばしても走り切れるような「テンポ」を知ることが最大の目的です。

つまり、時間を掛ければ10キロでも走れるようになったら、「初心者」の準備期間は終了です。

今度は、「初級者」向けの課題を目指しましょう。

初心者との違いは、「ペース」を意識することです。

つまり、「キロ6分30秒ペース」でどれだけ走れるのかを確かめます。

もっとゆっくりなら10キロの距離を走れても、キロ6分30秒ペースと決められると息が切れたり(心肺機能)、足が疲れたり(脚力)、疲労感が増したり(スタミナ)来ます。

ポイントは最初にどれから苦しくなったのかを知ることです。

そして、例えば心肺機能であったなら、意図的にキロ6分ペースで200mを走ってみるような練習を加えることで、キロ6分30秒ペースが楽に感じられるように取り組みます。

この時に、いきなりキロ5分ペースのような速さにする必要はありません。

少し速いペースくらいで十分です。

というのも、キロ6分ペースを走るようになると、キロ6分30秒ペースが特別なペース設定ではなくなります。

つまり、今日はキロ7分ペースで走ってみるとか、キロ6分ペースで走ってみるという練習をする中で、キロ6分30秒ペースに慣れることがテーマです。

競技志向なら

さらに中上級者を目指すなら、フォーム作りが欠かせません。

初級者向けの練習でも、キロ6分30秒ペースで走れて、ペースを気にしなければ10キロを走れるとするなら、ある意味で運動不足解消の目的は十分に満たせるはずです。

しかし、さらにランニング技術を向上させたいのであれば、フォーム作りに着目しなければいけません。

フォーム作りの最大の目的は、推進力を得るフォームを理解することで、その前段階がパワーポイントと呼ばれる接地時の乗り込みです。

重心よりも前で接地してしまうと、そこで力を加えてもよりブレーキ効果になるので、いかに重心よりも後ろで接地できるのかがフォーム作りになります。

厳密に言えば、前で接地しているのですが、力を加えるタイミングでは後ろにすることで、推進力が高まります。

一歩が重い走りではなく、地面を軽く蹴るように走ることで、正しい接地感になります。

こみち自身は、このフォーム作りと例えばキロ4分ペースや3分30秒ペースがセットだと思っていて、ランニングする時は速く走らなければいけないとさえ思っていました。

しかし、そう思うことで、練習がハードになりやすく、ケガの誘発にも繋がります。

そんな経験を踏まえて言えるのは、徹底的にフォーム作りだけを行うことです。

キロ何分ペースなのかを気にするよりも、フォームをキープしてランニングすることで、例えばキロ6分30秒ペースでしっかりと足の動きをコントロールしながら走ることで、正確なフォームが身につきます。

すると、キロ6分30秒ペースを守って走っているだけで、フォームが安定し、ブレないようになります。

ブレないようになると、足が勝手に動くので、キロ6分ペースでもそう大変には感じないでしょう。

いきなりキロ4分、3分30秒ペースにするとケガをして走れなくなるので、そこは我慢で、自然にペースアップできるまでキロ6分30秒ペースを続けましょう。

何よりその地道な繰り返しが心肺機能、脚力、スタミナ、そしてフォームを向上させます。

ランニングを決定するポイントがより高い次元で揃えば、勝手に速く走ることができてしまうので、例えば今日はキロ5分ペースで走ろうとか、さらにペースアップしてキロ4分中盤と設定しても、普通に走れてしまうでしょう。

そこまできたら、もっと速いペースやもう少し遅いペースを織り交ぜて、段々と設定ペースをアップさせる練習をするだけです。

基礎が整えば、結果はついて来ますし、基礎がない中で無理をするとケガをして思うように走れません。

強度の高い練習をしていなくても焦る必要はなく、キロ6分30秒ペースでしっかりとフォームを作れれば、ペースなど後からいくらでも上がります。

このことに気づいて、ちょっと行っていた練習メニューを見直すキッカケになりました。

キロ3分ペースは「出すもの」ではなく、「出てしまうもの」ということです。

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