「パワーポジション」を確立させるために
「パワーポジション」とは、最も力を発揮させられる体のポジションです。
例えば、地面から綱が生えていて、それを両手で掴み上方向に引っ張ろうとした時に、どんなポジションを選ぶでしょうか。
両足の開き具合や腰の沈み込む量、背中の丸め具合など、無意識のうちに力を発揮させやすいポジションを探しているはずです。
つまり、ランニングでも地面に対して体のポジションをどう置くことでパワーポジションになるかを知っているのといないのでは結果が大きく異なります。
その意味ではフォアフット走法の方がヒールストライクで走るよりも圧倒的にパワーポジションを確立させやすいはずです。
こみちの経験を踏まえるなら、パワーポジションをしっかりと認識し、乗り込みでそのポジションを意識した場合、キロ4分前半からキロ3分台のペースになります。
また、パワーポジションのタイミングを外した場合、他の動きが同じだとしてもキロ4分20秒前後になっていました。
あくまでも卓上の計算ですが、パワーポジションで踏み込めた場合とそうでない場合で、ストライド幅が約8センチから10センチ程度の差が生まれました。
ヒールストライクで走った場合、パワーポジションとなる前足部に体重が乗った瞬間に、上体や下半身の位置が遅れているので、どうしても踏み込みで体が前に進めません。
感覚的には、0.1秒くらいの遅れですが、ちょっと遅いことで推進力が下がってしまいます。
「パワーポジション」を意識したくても
例えば、こみちの場合なら、ヒールストライクのフォームで走っている限り、パワーポジションにはなりません。
ランニングフォームを撮影した時に、それをスロー再生すると分かりますが、腰が前にグッと入る瞬間がありません。
つまり、ランニング中、ずっと一定で走っていることになります。
これがパワーポジションで押し込めると、グングンと加速して走っているのが目でも確認できます。
例えば、馬が走っている姿を見ると、足を一定速度で回しているようには見えないでしょう。
着地する時の乗り込み、踏切りが印象的で、他は流れるように動きています。
つまりパワーポジションを意識して、推進力を発揮させるフォームで走っています。
言い換えると、我々が走る場合もパワーポジションを意識して有効に活用したいのです。
しかし、パワーポジションを意識する前に、足を前側で溜めておく動きが容易にできません。
ヒールストライクでは、踵で接地して滑らかに重心が足の裏側を移動しているタイミングで、本当ならパワーポジションへと繋がる溜めにならなければいけないからです。
ということは、毎日のトレーニングでヒールストライクで練習している限りは、パワーポジションを使うようなフォームに移行できないのです。
だからこそ、ランニングを始めるならフォーム作りから始めるべきで、上達に合わせてフォーム改善しなければ進歩は見込めません。
こみちでいうキロ3分台ペースのスピードは、パワーポジションを使うから走れるのであって、ヒールストライクで走るしかできない今は、キロ3分台ペースにはなりません。
よくてもキロ4分中盤あたりなのは、パワーポジションを外して走っているからです。