軸足に対する遊脚のポジションを意識したランニングの話

 軸足で反発を得る!?

あえて区別するとしたら、足の回転数で走るピッチ走法と、一歩の広さでスピードに乗るストライド走法があるとしたら、これからする話は「ストライド走法」に属するでしょう。

約1年になるランニング経験から判断すると、ストライド走法はストライドの幅が140センチ以上になった辺りからその特徴が現れます。

別に130センチでも、150センチでもいい話なのですが、ケイデンスとペースの関係から140センチ以上が出ているとピッチ走法とは見た目の印象が明確に変わります。

ストライド幅を広げるには、経験的に考えて接地前後の体の使い方が重要で、1ヶ月前までは軸足が地面に接地しているタイミングに合わせて遊脚を前に振り出すことで全身を前にジャンプさせてストライド幅に変えていました。

動きとして、軸足が地面に触れそうなタイミングで後方にある遊脚が折りたたまれて膝頭から突き出されるように前に振り出そうとしています。

軸足が完全に体重を受け止めた瞬間、遊脚の膝頭が軸足の脛よりも前にあることがこれまでの意識するポイントでした。

そうすることで、軸足が受け取った反発力で、さらに遊脚を強く前に振り出し、遠くにジャンプしていたからです。

しかし、あるタイミングでそれは間違えていることに気がつきました。

というのも、軸足が地面に接地しているタイミングで、遊脚は前方向に進むのではなく、むしろ前に振り出されて戻って来る時だからです。

まず経験として言えるのは、明確に振り出し動作をしなくてもストライド幅を140センチ以上にすることが可能です。

もっと厳密に言えば、遊脚を振り出すことで全身を前に飛ばせているのではありません。

言えばココが一番にポイントなのですが、こみちの場合「骨盤を押し下げる動作」をキッカケに後方から来た体の推進力を軸足が支えつつ、骨盤の押し下げの反発力で押し出し、推進力のキープさせているのです。

なので、軸足に体重が乗り移るタイミングで体をそれよりも前に弾ませることが絶対で、そこが遅れてしまうからこそ、遊脚を使って得られなかった推進力を補助しようとするのです。

つまり、少し前までのフォームは、最初から足で加速させることを前提にした走りで、軸足が地面に接地する度にそれまでスピードが一度減速されて、また加速するを繰り返していました。

それでも走り慣れてしまえば、キロ5分、4分ペースで走ることに難しさはありません。

しかし、例えば普段の格好に2キロ荷物を背負って走るとしたら、思うようなペースでは走れなくなるでしょう。

その原因は、重くなった体が、接地のタイミングでまだ後方に残るので、前に振り出した足はいつも以上に掻いたり押したりしなければいけません。

短い距離ならまだしも、長い距離になるほどその余分な動きが疲労になる他、よく足の脛が痛くなってしまったのも、いつもよりも結果的にオーバーストライドになって脛に負担が掛かっていたのです。

では改めて、フォームがどのように変わったのか紹介すると、軸足が地面に触れそうなタイミングで、既に遊脚は前に振り出し終えて体の方に戻っています。

軸足が接地した瞬間、いわば数字の「7」みたいなポジションになっていて、遊脚を前に振り出すのではなく、軸足とクロスさせる動きによって、軸足が受けた反発力と相まって、体が前に弾みます。

遊脚を真下方向に伸ばそうとする動きと、軸足が地面から離れてジャンプする動きが交錯します。

ランニングしている映像を見ても、軸足に対して遊脚がどちら方向に動いているのかは分かりづらいかもしれません。

なぜなら、スローで確認すると、エリートランナーと言われる方々の中にも、遊脚が前に振り出されて、戻ったばかりという人もいるからです。

というのも、そんなタイミングになるのは、ストライド走法よりもピッチ走法で走っているランナーだからでしょう。

ただ、今紹介しているストライド走法も、便宜上の区別であって、体の使い方をそのままにピッチ走法に移行させることは簡単です。

むしろ、ピッチ走法でストライド幅もしっかりと広がって走ることになるので、ストライド走法でできるようになればケイデンスを上げることが課題になるからです。

今日も街中でランニングを楽しんでいる市民ランナーを何人も見かけましたが、残念ながらこみちが目指しているフォームで走っている人はいませんでした。

足の動きを見ると明確で、軸足が前に振り出されるテンポが遅く感じます。

極端にいえば、遊脚が地面について軸足へと変わり、軸足がそのタイミングで遊脚になって、そこから体の後方から振り出されているように見えるのです。

そうなってしまうと、空中で足の入れ替えがないので、自ずと接地時間が長いフォームになり、つまりは地面に接する軸足によって減速も多くなるので、それだけしっかりと遊脚や軸足で補助しなければいけなくなります。

軸足と遊脚が空中で入れ替えられるフォームにすることで、軸足によるブレーキ時間を短くでき、反発力を活かすことでフォームも乱れずに安定させられます。

足をしっかりと回せるようになれば、ストライド幅をキープさせながら、さらにテンポアップできるので、キロ4分ペースがやっとだったランナーが、キロ3分30秒ペースに自然と移行できたということが起こり得ます。

ランニング中の軸足の接する時間が長いままではできない走り方なのです。

フォームの改善中にケイデンスを215spmまで上げて、ストライド幅を160センチ以上で走れたのですが、それまではケイデンスを上げるとストライド幅が狭まり、ストライド幅を伸ばすとケイデンスが頭打ちになっていました。

この原因こそ、空中で足を入れ替えないで走っていたからです。

まだ完璧にマスターできた訳ではありませんが、足の入れ替えを空中で行うことで、遊脚と軸足との動きが変わりました。



こんな記事はいかが?