自身が目指すフォームを考えていたら
理想的なランニングフォームを定義するなら、見栄えとかではなく、単純に楽で速く走れるかということ。
言い換えると「推進力」がどれだけ効率的に発揮させられるのかということでもある。
現段階までに、ランニングを始めた頃にはできない動きが何段階かあって、言い換えるとその当時に今の理想的なフォームとで会ったとしても習得することはできなかったし、身体を壊してしまうだろう。
その意味では、理想的なフォームというのも、柔軟性や関節の可動域、筋力や心肺機能などを総合的に高める中で得られるものだと思う。
昨日、街でランニングをされている人を見かけたが、その方、めちゃくちゃ速い。
キロ何分ということではなく、体の何を推進力に行かせているのかがこみちにとって理想的な手段だったから。
1つの特徴を挙げるなら、着地動作がとても滑らかで、次の動作への展に無駄がない。
それができるためには、体幹の強さが必須だし、遊脚の使い方が上手いことも言える。
例えば、バウンディングだってできるだろうし、乗り込みや足の抜き方、振り出し方だって上手いと思うし、だからこそフォームにアレンジを加えられるから疲労度に合わせて最適なフォームに変更できる。
短距離ダッシュで発揮できるスピードを上限にした時に、ランニングフォームは持久力を考えてスピードを制限して走ることになる。
これは経験談になるが、ダッシュのフォームとランニングフォームは段々と重なってくる。
つまり、筋力でより速く走るのがダッシュではなく、さらに速く走るには身体の使い方が上手くなった結果。
こみちの場合、学生時代の50mが6.8秒で、10ヶ月のランニング習慣を経て7.3秒くらいになった。
感覚的にはもう少し速くなりそうだけど、まだまだフルパワーで走る怖さがある。
つまり、「どう意識すると速く走れるのか?」が頭に浮かんでいないまま走るのでは、やはり到達できない領域がある。
意識ができて、できない動きを練習で克服し、結果少しずつ過去一に近づく走りにブラッシュアップしている。
話が少し変わるけれど、ゴルフのスイングでも似た経験があって、ジュニアのスイングは大人になってからでは絶対に真似できない。
もしも真似ようとしたら、体を壊してしまう。
筋肉の柔軟性と関節の可動域の面で、両者はあまりにも違い過ぎる。
理論として理想的でも、それは絵に描いた餅で、目指すは今の自分で到達可能な理想だろう。
ランニングを始めたばかりの理想と、ある程度走り慣れての理想は違う。
もっと言えば、過去に50mを8秒以内で走ったことがない人が、6秒台で走るランナーのフォームを真似てもすぐにはできない。
しかも無理をすると、筋肉や関節を傷めて思うように走れなくなってしまうから注意したい。
こみち自身のケースで言えば、瞬間的なトップスピードでキロ2分20秒くらいが限界だろうし、1キロの距離を走り続けられるのは現段階で3分20秒くらい。
3キロ走は10分台が限界だろう。
つまり、3キロ走を8分台で走るランナーに追いつけることは絶対にない。
しかも彼らのフォームをそっくりコピーすることもできない。
踵着地もフラット着地も、他にもいろいろとアドバイスはあって、真逆に聞こえるものでも、最終的に目指しているのは楽に効率的なフォームだろう。
こみちもバウンディングができるようになったのは、ランニングを始めてかなり経過してから出し、最初にそれをしたら先ずケガをしていたと思う。
でも、バウンディングができない段階で、遊脚と軸足の動きをあれこれ言われてもできるはずはないし、その意味では「フォーム」と言っても背筋を伸ばそうとか、腕を振ろうということにアドバイスも限定される。
結局、言われてすぐにできる人は別として、できないポイントを理解し、その克服練習をした結果で少しずつフォームを変えていけるから、ランニング以外の個別練習をどれだけしっかりと行っているのかだろう。
稀に、初マラソンでサブ4を達成できたり、サブ3までクリアできる人がいる。
一方で、こみちのように練習して少しずつ上達するタイプもいる。
それぞれの課題は全く違うと思うけれど、限界点もまた違っていて、ある程度まで一気に伸びてもそこから先にはなかなか進めないこともある。
理由は土台となるバックボーンが無いからで、その先に進むには1から走りを見直さないといけないからだ。
「なぜできていたのか?」を理解して、さらに新たな動きへと変える意識を持つのは、それまで簡単にできた人ほど大変に感じるだろう。
言われてできる人は、それこそ数年の練習で陸上界でも有名になる人だ。
でもこみちみたいに簡単なこともできない人が、「なぜできないのか?」から練習を始めて段々と人並みに近づいて行く。
こみちが過去に50mを約7秒で走れたから、練習次第でその近くまでは克服できるだろうという話で、それこそもっと速い6秒の人が同じ練習をしたら追いつけない。
でもこみちが過去最高に戻れないように、誰もが学生時代のような走りには戻せないから、段階を踏んで怪我しないように練習するのだろう。
多分、世界陸上に参加されるようなランナーの方々は、今のこみちがしている練習を小学生の時に一瞬でできてしまっただろうし、逆に彼らに「どうしたら速くなれますか?」と聞いても、答えに詰まってしまうのではないだろうか。
彼らがアップでしている軽いジョギングにさえ、こみちは追いつけないだろうし、そこまで差があり過ぎたら、もうアドバイスも難しい。
だからこそ、せめて伸びていくフォームを目指したい。
限界が近いフォームで走っても、上達できないから。
ピッチ走法もストライド走法も、歩幅やテンポの違いという説明は簡単だけど、関節や筋肉をどう動かして走ることなのかを説明されても、それさえできないこみちがあれこれと考えるのだから、できる人から見れば笑える話になってしまう。
でもこみちは至って真剣に考えて、ランニングを楽しんでいる。
つまり、「理想的なフォーム」と言っても、できるか否かという大前提を踏まえると、もう個々に考えるしかできない。
例えば、キロ4分ペースが出なかった頃の自分と、キロ3分前半で走れてしまう自分では、表面的に会話ができていても、体の使い方や意識などを厳密に比較すると全く違うだろう。
でもそれが楽しい。