「地面から反発を得る」とは何か?

 静止状態と動作状態

今、地面に立っていて、そこからジャンプするような時、両腕を振って少し屈んだタイミングで飛び上がります。

一方で、20センチの台に乗った状況で、小さく地面にポンと降りてからジャンプする場合、さっきのようなジャンプとは少し異なります。

ポンと降りてすぐにジャンプしない場合、地面からジャンプするのと変わりません。

しかし、ポンと降りた勢いを活かそうとするなら、着地で地面を踏み締めたタイミングでそこに体重が乗り、そしてフワッと浮くようなタイミングでジャンプするとより高く飛び上がれます。

つまり、静止状態とは異なり、動いている時は力が身体の中で伝達されていて、タイミングを合わせることでより力強いパワーを引き出せます。

「地面から反発を得る」とは、言い換えると「力強く踏み切れる」ポイントを見つけることです。

「地面から反発」を得るために

前に進むことが目的のランニングに限っては、地面から反発を得たタイミングで重心がどこにあるのかが欠かせません。

つまり、先を急ごうと足を思い切り前に出して、体が後方に残ったままで着地しても、その勢いを効果的に活かして踏み切れません。

それが可能になるポジションが「乗り込み」なのですが、軸足で体重を支えたタイミングで、反対側の足がどれだけ前に振り出すために使えているかが重要です。

例えば、着地した時にバランスを崩したら、軸足は体重を支え、反対側の足はバランスを取ろうと動きます。

それは一瞬のことかもしれませんが、そんな動きをすると、ランニングという意味では無駄な動きになってしまいます。

片足ずつをポンポンと入れ替えても、腰がブレずに安定しなければ、効率的な走りにはならないのです。

つまり、走る練習だけで膝や腰を含めた体幹が強くならないのであれば、ランニングが上達するためには体幹トレーニングが不可欠です。

実際、100mを走るランナーを見ると、全くブレていないフォームなのが分かります。

スピードバウンディングも同様ですが、片足で体重を支えて、反対の足で振り出すことをどれだけ安定させられるかがポイントで、ブレながら距離が出せても意味がありません。

筋力と体幹がしっかりと身につけば、自ずと距離は伸びるからです。

その意味では、フォームを崩してしまうほど不安定なまま走るよりも、スピードを落としてでもフォームを固めることが優先されるべきです。

「地面からの反発」と言っても、足や重心の位置がズレてしまえば、その後の足で押すとかの動作は全て上達に役立ちません。

なぜなら、静止状態からのジャンプと同じだからです。

「地面から反発」の最も重要なことは、動いているタイミングで行っていることを活かすこと。

ランニングで少しでも楽に走りたいなら、反発を活かすことが重要になるのです。

実際、力任せに走るよりも、タイミングを合わせて走ると楽に見えても速く走れています。

それだけ省エネルギーなフォームということ。

だから、「地面から反発」を活かしたいなら、やっぱり「乗り込み」がポイントだと思うのです。

こんな記事はいかが?