大人は「旅」をどう楽しむのか?
あえて、学生や若いカップルを除いた「大人」がどんな旅を求めているのか考えた。
旅というと、その地域の観光やグルメ、テーマパーク、温泉などを挙げる人が多いのではないだろうか。
朝、コーヒーとホットサンドをゆったりと食べて、10時くらいに現地を出発する。
移動中に気になるスポットに立ち寄り、昼の混雑時を避けて昼食できる店を目指す。
お腹も満腹になり、少し運動も兼ねて観光スポットを訪れる。
夕方くらいには今夜の宿となる車中泊スポットの近くまで移動し、温泉に入って疲れた身体を癒す。
そして、また朝を迎える。
もしもこれが「車旅」の一般例だとしたら、その旅を本気で楽しむことができるだろうか。
「何もしない」という癒しを求めるなら、ホテルで長期滞在するとか、大型客船で世界一周するような旅の方がずっと居心地がいいだろう。
にも関わらず、「車」をできる限り旅と結びつけて考えるなら、長期間になる程、アクティブに活動することが前提になってくる。
例えば職業が作家で、キャンプ場でキャンプ生活をしながら、いつもと違う場所で執筆したいという人もいるだろう。
そんな目的があるなら、それこそ大人が本気で楽しめる旅になる。
一方で、仕事とは切り離し、癒しとし旅に出るケースもある。
しかもホテルでのんびりではなく、車で巡るアクティブな旅だ。
ちょっと面白いなと思ったのは、北海道で建設が進む日本ファイターズの野球場。
試合を観戦しながらサウナに入れたり、ホテルの客室から試合を見ることもできるとか。
例えば球場近くに大型の駐車場が作られて、日本ファイターズの試合を観戦する車旅を計画したらどうだろうか。
というのも、車旅を楽しむ人数が、新しいビジネスを立ち上げるには規模が少ない。
でも球場を訪れる客が加わるなら、球場内外に新しいビジネスを展開できると思う。
簡単なところでは「ラーメン博」のようなもので、球場の周りに数日毎に新しいイベントが開催されるのだ。
さらにいうと、試合が開催される日の数時間、場内の誘導員として臨時の仕事を募集する。
その募集は、隣接地で車中泊している車旅の面々にも連絡される。
つまり、近隣に居れば受診できる情報が発信される仕組みで、2時間だけのような短期間でも働けるのだ。
大人みなさんなら分かってくれると思うのですが、長期旅行で毎日何も予定がないのも案外退屈なもので、気づけば1日何をしていたのか分からないということも起こります。
そんな時に、わずかな時間だとしても「就労する」ことができたら、その旅の記憶も深まるのではないか。
つまり、「何もしないこと」や「観光地を巡ること」ばかりが旅の楽しみでもないように思う。
旅の途中で何らかの体験や経験ができて、自身が成長できるような要素を盛り込めないかと思うのだ。