ランニング初心者が早く上達するヒント

 「速く走る」を再確認する

ランニングは、子どもの頃の「かけっこ」とは違います。

ズバリ言えば、短距離走の一次加速と二次加速の違いを理解して、二次加速でのフォームをマスターすることです。

とは言え、久しぶりに走る社会人の場合、いざ走ろうと思っても早々に全速力で走れるものではありません。

そこで、基礎という意味で「一次加速」を理解し、練習することも重要です。

「一次加速」と「二次加速」

「一次加速」とは、静止状態からトップスピード(目指すべき速度)に到達するための動きになります。

アスリートでは、スタートから40mから60mくらいの距離だそうですが、例えばこみちの場合、20m程度で早々と限界を迎えます。

足が速いからではなく、それだけ限界が低いからで、「一次加速」向けの練習ではその限界値を少しでも向上させることが大切です。

一方で、「二次加速」とは、トップスピードに到達した後、どれだけ楽にそのスピード付近で走り続けられるかになります。

ランニングでは一次加速も重要ですが、この二次加速を上手くなることで、速い速度でも楽に走れることを目標にしています。

「一次加速」の目標値

高ければ高いほど理想ではありますが、初心者の場合は注意しなければいけないこともあります。

というのも、速く走るにはそれなりに筋力を使うので、体が慣れていないまま急に大きな負荷を強いるとケガを招くからです。

こみちの場合、ランニングを始めてかなりの期間(3ヶ月以上)は全速力で走りませんでした。

それまでは最もパワーを使っても、7割や8割までで、グッと踏ん張って走るようなことは避けました。

理由は繰り返しになりますが、筋肉を傷めてしまうことを回避するためです。

その上で、一次加速の目標値を目安として定めるなら、50mを12秒から8秒くらいで走れるようになることでしょう。

ランニングではよくキロ〇〇分ペースという言い方をしますが、この言い方に直すとキロ4分からキロ2分40秒に相当します。

「二次加速」の目標値

二次加速は、一次加速で獲得したスピードを出来るだけキープし続けることが目的です。

つまり、キロ4分ペースに一次加速で到達したら、そのスピードを楽に保ちながら走れるように練習します。

ここからが一番のポイントですが、一次加速では太ももを押し下げる力で加速するのに対し、二次加速では太ももを引き上げる動きで走ることがポイントです。

つまり、一次加速と二次加速では、フォームが変わります。

慣れない時に走ると、200mや300mも走らない内に心臓がバクバクして走れなくなった経験はないでしょうか。

その主な原因は、一次加速のフォームで走り続けるからです。

長く走るためにも、加速が済んだら、二次加速のフォームに移行し、スピードを上げることではなく、スピードを落とさないように走ることが大切です。

「二次加速」のフォーム

二次加速のフォームを習得するポイントは、縄跳びの小さく鋭いジャンプにあります。

膝関節を曲げてジャンプするのではなく、全身を棒のようにして弾みます。

ランニングでも同じで、足を前後に動かしてはいますが、走っている時は必ず棒のようになった全身で弾むようにします。

加速してスピードを上げるのは一次加速の役割なので、二次加速では故意に地面を蹴ったりして加速状態は作りません。

後方から接地して、そこで鋭く全身でジャンプして、前に流すように走ります。

言ってしまえば、足を大きく開く必要もなくて、接地の時にスピードを落とさないように弾むことだけに集中しましょう。

とは言え、慣れない段階ではペースが速いと接地も上手くできません。

練習を兼ねて全身でのジャンプを習得するために、キロ6分、7分くらいまで落としてもいいはずです。

ポイントは真上から接地すること。

体の真下にある足で弾むことをしっかりと確認することです。

これはバランスとの関係で、接地していない方の足も真下になければいけません。

例えば後方に残っている場合、接地する方の足はバランスから前にあり、接地も真下よりも前から始まってしまうので、接地していない足も真下まで来ていることがポイントです。

誤解なく説明すると、実際には真下ではなく、むしろ体の後方で接地し、接地していない方の足は体の前に来ています。

こみちはそうなるフォームをランニングフォームとは別にスプリントフォームと呼んでいますが、今まで以上にスピードを稼ぐためのフォームです。

ただ先にマスターするべきは、真下での着地なので、軸足も反対側の足も体の真下に来た時に接地を迎えましょう。

体の前側に着地した時よりも真下での接地では足の裏の感覚も違います。

接地中にポンと一瞬で弾む感覚が得られるのですが、前に着いてしまうと接地感も長くて重くなります。

短くポンと全身で弾むためにも、真上から足を落として弾むように体の動きを試行錯誤してみましょう。

動きを覚えないままにペースを上げても、多くはキロ5分ペース辺りで頭内になります。

しかし、こみちの経験として、真下接地ができるようになると、一次加速で獲得した速度で走り続けられるようになるので、一次加速でも目標値、キロ4分ペース辺りで走れるでしょう。

速く走ることと走り続けることは別の動きなので、早い段階から分けて練習することで、より上達も早くなります。

キロ4分台で走ることができたら、体をぶらさないように、しかも楽に走れるように繰り返し練習しましょう。

500mをリラックスして走る。1キロをリラックスして走る。

また時に、一次加速をさらに向上させるために、上から足を落とし、そこに体重を乗せられるように練習しましょう。

キロ3分ペース辺りで足を回せるようになれば、ランニング中に区間を定めて、その時はテンポよく走るなどを組み込んで、スピードアップにも慣れましょう。

自身が定める設定ペースに一次加速で到達し、さらに二次加速ではリラックスして走ることを続ければ、さらにペースを上げて、長く走れるようになります。


こんな記事はいかが?