ランニングで膝関節をリリースするタイミングの話

 足を「L」で考える

足を「股関節」「踵」「つま先」と簡略化し、まるで「L」としたら、踵から接地すると必ずつま先で減速します。

その原因はとても簡単で、股関節と踵、股関節とつま先を比べると、つま先の方が長くなるので、踵から接地してそのままつま先へと重心移動した場合、つま先を背屈させない限り距離が同じにならないためです。

まして、つま先で地面を蹴ってしまえば、発揮されたパワーも「L」による減速で差し引かれ、非効率な走りになってしまうでしょう。

言ってしまえば、フォアフット走法はそんな減速の構造的な欠点を補える走法でしょう。

しかし、フォアフット走法は筋力も不可欠で、例えばこみちの筋力では5キロをフォアフット走法で走っただけで、ふくらはぎに違和感を覚えました。

そして、フォアフット走法ではない解決策として、膝関節のリリースがあります。

足首関節を固めると…

ランニングで足首関節を固定するのは、逆を言えば自由に動かして、例えば地面を蹴ったとしてもそれで推進力が得られる訳ではありません。

キロ4分ペースで走っている時、人は毎秒4mも進むので、0.1秒という時間でも40センチ移動し、それ以上の伸びをしなければ推進力にはならないのです。

つまり、推進力を得るのは地面を蹴った時ではなく、地面に触れている時に体がどれだけ前に進めたのかなのです。

そこで、「L」を思い出して欲しいのですが、踵から接地する限りつま先の方が長いのは当然ですが、唯一、膝関節をリリースして踵からつま先へと重心が移動するタイミングで膝を折りたたむことで減速となる原因を回避することができます。

繰り返すと、フォアフット走法ではそもそも問題にはなりません。

フラット接地やヒールストライクの場合、接地し体重を受け止めるまでは膝も足首もしっかりと固定し、骨盤の動きをよりダイレクトに活かします。

しかし、その効果がなくなってしまう重心がつま先へと移動するタイミングで、膝関節をリリースすることで、股関節からの距離を合わせて、足前に振り出しやすくするのです。

フラット接地の場合、踵に重さがあるうちはロックし、それが前に移る時にリリースします。

一瞬の話なのですが、この切り替えを繰り返し練習することで、推進力を保って走り続けられる走法が体感できるでしょう。

最近のシューズでロッカー構造が取り入れられているのも、膝関節をリリースしなくても上手く転がるようにシューズの方でサポートしているからでしょう。

サポート機能が豊富なシューズは、頼もしい存在ですが、自身のランニング技術を向上させたいなら、使い分けも必要になるはずです。

それだけシューズがランナーの経験値を補ってくれている時代なのでしょう。


こんな記事はいかが?