なぜ上級者はキロ3分ペースでも走れてしまうのか?(浅い経験から想像してみる)

 ランニングパワーという指標

ある上級者の方が、自身のランニングパワーに触れていて、その時に270から290wの出力でもキロ3分30秒ペースで走っていることを知りました。

その数値を見て、それまでこみちは速く走る上級者ほど高いランニングパワーで走っていると思っていた認識が変わりました。

どうやら、長い距離を走り続けるためには、ランニングパワーは高くても300w以下を目指すべきです。

ということは、パワー効率をいかに高められるフォームにたどり着けるかが、マラソンなどのような長距離走で大切なのではないかと考えました。

練習の時は、ショートインターバルなどで、体をしっかりと動かしてランニングパワーの最大値を引き上げることも有益ですが、それが500w、600wにもなっていれば、長い時間継続させることはできません。

ランニングフォーム

足を前に出して、体重を受け止め、また足を前に振り出す。

ランニングフォームは、この動作の繰り返しです。

その中で、地面を押したり掻いたりすると、ランニングパワーを消耗するので、ランニング効率という意味では真っ先に封印する動きです。

つまり、空中移動している時も接地している時も、できるだけ同じ速度を保てるように走ることで、ランニングパワーを抑えられるので、接地は真上から足が下りて、体重をできるだけ短い時間で支えて前に流すことが大切です。

もちろん、その際も足で何かすることは控え、支柱のように固定させてパタンと前に倒すことに専念します。

ランニングシューズ

ここ数日前から、カーボンプレートのシューズが気になっていました。

NIKEのズームフライ6を少し試し履きさせてもらったことはありますが、とてもよく弾むので驚いてしまいました。

その時に、「これを履いて走ればキロ4分ペースも楽勝じゃないか?」と想像したのですが、最近になってカーボンプレートのシューズが何のためにあるのか考えが変わりました。

以前まではよく弾むのでストライド幅を拡大させて、ランニングペースを上げるツールという認識でした。

しかし、普段ランニングで使用しているレボリューション7でも、少ししっかりと走ればキロ4分ペースやそれよりも速く走ることは難しくありません。

ただこみちがキロ3分30秒ペースで走る時に、ランニングパワーは350wを超え、長く継続させられる280w前後にはなりません。

一方で、最近キロ5分ペース設定でランニングしているのですが、キロ4分10秒ペースの時に300wで、このくらいの出力ならトレーニング次第で長く継続させられると感じます。

つまり、レボリューション7のシューズで走るなら、キロ4分10秒ペースが現状のこみちには限界で、例えばマラソンという想定ならもう少しペースを落としたキロ4分30秒、40秒ペースで走ることになるでしょう。

では、上級者の方々がキロ3分30秒ペースを280w前後で走れてしまうのはなぜでしょうか。

より強い筋力で走るからではなく、それだけスムーズに進んでいるからです。

加えて、上級者でもカーボンプレートの強度によって走り易さが変わるという話だったので、これは仮説ですが、ストライド幅の違いではなく、踏み込んだ後に足が持ち上がる動きにポイントがあるのではないかと思いました。

というのも、レーシングシューズを履くと、走らされている感覚になると言われていて、それは踏み込んだ足がすぐに前に振り出されるので、そういう印象を持つのでしょう。

シューズにはある程度のランニングペースが想定されているのも、この戻りの速さがランニングレベルに合っていないと上手く噛み合わないのでしょう。

「足が早く戻って来る」とは、それだけケイデンスが上がることではなく、接地の処理を素早く済ませて空中移動へと繋げるためで、速いペースで走るほど接地前後の時間が短くなるので、足が上がるテンポも自ずと速くなって欲しいはずです。

その動きをカーボンプレートのしなりによってサポートしていて、カーボンの強度や接地場所で走り易さが変わるのも、足の戻りをサポートしてくれるからでしょう。

言ってしまえば、腸腰筋を鍛えるような練習で、足を引きつける強さは増すことができます。

なので、ランニングは始めたばかりの頃は、キロ3分30秒ペースで走れませんでしたが、今はそのペースで走ることに問題はありません。

ただ、ランニングパワーを使っているので、長く走るにはまだまだ非効率な動きが多いと言えます。

そう考えると、強い反発力のシューズはストライド幅を拡大させるためにあるのではなく、素早く足を振り出す動きをより効率化させるためにあるのかもしれません。

キロ5分ペースで

改めてキロ5分ペースで走ることを考えるようになって、一番意識しているのは「骨盤で走る」意識です。

骨盤の積極的に動かすことで、ストライド幅を115センチ以上に引き上げられています。

ケイデンスが180spm以上ならキロ5分ペースになる計算です。

実際には、キロ4分45秒ペースくらいになります。

例えば、シューズによって足の振り出しが楽になるとしたら、キロ4分ペース近くに上げられるでしょう。

加えて、インターバルトレーニングなどで、走力の限界値がさらに上げられれば、ランニングペースも自然に上がり、シューズによってはより楽にそのスピードでも走ることができるということでしょう。

カーボンプレートのシューズを使うためも

こみちの考察が正しいなら、カーボンプレートのシューズを使うには、接地から足の振り出し動作を正しいタイミングで行う必要があります。

こみち自身も普段のランニングでは意識しているポイントですが、経験的に言えばその動きができていればキロ5分ペースよりも速く走っているはずです。

つまり、現時点でキロ6分以上のランナーが、カーボンプレートのシューズを使っても、タイミングが合わないことで、逆に走りがギクシャクしてしまう可能性もあるでしょう。

また同じカーボンプレートと言っても、その強さはいろいろあるみたいなので、跳ね返るタイミングや強さが走りに合っているのかがとても重要です。

上級者の方々が、こみちのような初心者から中級者には、カーボンプレートの無いシューズでしっかりとフォーム作りした方がいいとアドバイスされるのも、フォームがある程度できていないとサポートするべきポイントが分からないので、間違えたシューズを選んしまうこともあるからです。



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