NIKE レボリューション7を履いて気づいた「乗り込み」の話

 ランニングにおける「乗り込み」の重要性

ランニングは、左右の足を交互に出しながら、自身の体重を前に運ぶ運動です。

例えば、体重60キロの人は、60キロの重さをずっと前に運ばなければいけません。

そこで、ランニングでは「自重を運ぶ」という発想から、「自重を活かす」方法に転換します。

ボクシングでパンチする時も、野球でバッティングやピッチングをする時も、「乗り込み」に相当する動きが存在します。

言ってしまえば、支点と力点、作用点のような類いのもので、どこかを基準にすることで加えた力を何倍にも増幅させようとするのです。

ランニングでは、軸足が地面に触れている瞬間、それまで前に進み続けている力と空中から落下した自身の体が軸足に加わります。

もしも足を前方に着き、推進力も落下した体重も同時に支えようとすると、足は相当な力に耐えなければいけません。

しかもランニングを続けるためには、それと同等の力を前に発揮させることも必要になってしまいます。

そこで「乗り込み」という動きが特別に注目され、軸足に掛かる力(推進力と体重)をいかに前に流せるかを練習します。

「真下接地」が推進力をいなすコツで、今回は省略します。

もう一つが「自重」ですが、下向きになった力を上向きに変えるので、推進力のようにいなすことはできません。

ただ、膝や足首関節をクッションにして自重をできるだけ柔らかく受け止めることはできるのですが、それはつまり上向きの力を別に発揮させる必要にもなります。

そこで、一般的には膝も足首も関節はロック(固定)したままで、地面に着地して一瞬浮いたタイミングに合わせることで、上向きに力を発揮させやすくします。

このタイミングを掴んで力を加える動きが「乗り込み」です。

実際、日々のランニングでも、この「乗り込み」を意識して走っていますが、そうでない場合は練習効果が下がるでしょう。

具体的には、「乗り込み」ができていないフォームで、キロ3分台ペースで長く走るのは簡単ではありません。

また、「乗り込み」を意識することで、キロ6分台でのランニングでもその有効性を実感することができますし、こみちの場合はそのペースから知らない内にキロ5分台ペースになっていたりもします。

レボリューション7で気づいたこと

安定感に優れたシューズなので、初心者がこれからランニングを始める時にもおすすめです。

ソールがしっかりと衝撃を吸収してくれるので安定感を得られるのですが、逆を言えば「乗り込み」で自重を上向きに変える力が減ってしまうことでもあります。

上手く乗り込みすると、ポンと簡単に弾めたのに、ショックが吸収されてしまうので弾めなくなるのです。

こみちの経験では、このシューズに替えてキロ10秒から30秒くらいペースが落ちました。

ケイデンスはほとんど変化しませんが、ストライド幅が5センチから10センチ程度短くなっています。

「乗り込み」で自重を軸足で支えた瞬間、速やかにポンと弾むことが理想的です。

なので、ランニングでは足を地面に置いたら、できだけ早く持ち上げることです。

しかし、ソールがしっかりと衝撃を吸収してしまうシューズでは、ポンと軽く弾むとその柔らかさで強い弾めないので、自重が地面に沈み込むまでの僅かな時間、待ってから弾むようにした方がいいようです。

なので、接地と同時に「ポン」ではなく、「グニュ、ポン」くらいのタイミングに変わります。

しかし、接地して待つのではなく、足を地面に触れさせた後に膝から下で挿し込むように力を加える動きが必要になります。

より真下接地で走る必要があり、これは想像ですが、レボリューションで以前のシューズと遜色ないペースで走れたなら、そのシューズで走るとさらにペースが上がっているでしょう。

つまり、「乗り込み」の出来を決めるタイミングがより繊細に合わせられるようになるので、どんな風に乗り込みをすると上手く力を活かせるのかも掴めるからです。

とは言え、ソールがしっかりと衝撃を吸収するシューズでは、ショックを吸収させてから弾むように走るのが良さようです。


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