ランニングでスイングスピードを意識する理由

 20mダッシュの速さ

20mと言わず、もっと短い距離を速く走るには、太ももを押し下げる力の優劣がとても重要です。

もちろん、走るのは足の回転運動なので、太ももを前に引き寄せる力があれば、なおさら有利でしょう。

ラダー(平たいハシゴのような)を地面に敷き、リズミカルに足を素早く動かすことで、足の上げ下げを俊敏に行う練習をすると、より短い距離を速く走るためには有効ではないでしょうか。

昔、足の速い野球部員が、陸上部員と競争し、スタートから途中まではむしろ野球部員の方が速くて、後半に陸上部員が追い込むというパターンだったりします。

つまり、走るフォームというのは、短い距離ではあまり関係なく、トップスピードに到達した後から影響します。

なので、800mを超えた中長距離走になると、短距離走のフォームでペースを落とし、あとはスタミナでガツガツと走り続けることもできますが、いわゆる陸上部員が行うフォームのように足を引き寄せる力を使って走ることもできます。

単純に太ももを押し下げて地面を蹴ることで進むフォームと、一度到達したトップスピードの推進力をキープするために、足はできる限り邪魔をしないように、地面に触れたらすぐに持ち上げることで走るフォームがあります。

自身のフォームがどちらに近いのかを知るなら、接地した軸足に対し、遊脚がどこまで戻っているのかではないでしょうか。

軸足で自重を支え、その後に後方の遊脚を引き寄せているなら、太ももを押し下げる力で走っているかもしれません。

上り坂や短い距離を力強く走るフォームです。

一方、軸足で自重を支えた時に遊脚が軸足に並ぶかそれ以上に前に来ていれば、スピードをキープさせるフォームでしょう。

太ももを押し下げるフォームでは、太ももも上側の筋肉をたくさん使いますが、太ももを引き上げるフォームでは体の後ろ側、背中やお尻、太ももなら裏側をたくさん使います。

また腸腰筋も使うので、太ももの筋肉のつき方でもその人のフォームが予想できます。

こみち自身の太ももを改めて観察すると、一番目立つのは内転筋の膨らみでしょう。

そこから太もも裏側のハムストリングに盛り上がります。

一方で、太もも前側の筋力は目立つほど発達していません。

学生時代の印象はもっと隆起していたように思いますが、毎日ランニングしているのにほとんど変わっていないので、それだけ押し下げる動きを使えていないのでしょう。

それだけに短距離ダッシュのスピードも遅くて、トップスピードも随分と前から頭打ちです。

違うのはトップスピードをキープさせる接地から振り出しまでの処理速度で、太ももを持ち上げる動きになります。

こみちの場合、疲れていたり、体調不良の時ほど、太ももを押し下げて走っていて、そのフォームではどうしても疲れてしまうので長い距離ではキロ4分ペースを切ることはできません。

むしろ、キロ5分、6分くらいまで落ちて、腰も下がりフォームもバラバラになっています。

スイングスピードとは何か?

スイングスピードとは、軸足が地面触れているタイミングで遊脚を引き上げるスピードです。

上の方まで頑張る必要はありません。

イメージは軸足の横を過ぎる時にどれだけ素早く振り上げているのかです。

振り上げるスピードを高めるために、軸足は押し込む動きをしています。

踏ん張ることで、反対側の遊脚を引き寄せやすくするのです。

「地面を蹴る」のではないという表現は、蹴ること(太ももを押し下げる動きの後の方)とは違い、太ももを振り上げる動きのサポートとして軸足は地面に押し込むような動きをします。

下方向に押すので同じように思えますが、遊脚が何をしているのかで全く意味合いが変わります。

例えば、前傾姿勢で両手を壁につけて、太ももの上げ下げ動作を行うとします。

振り上げた太ももを強く押し下げる動きに着目すると、短距離走のフォーム。

押し込む動きに合わせて引き上げる動きに着目すると中長距離走のフォームになります。

中長距離走のフォームが少し難しいのは、短距離走のフォームは片足ずつ動かしますが、両足のタイミングがとても大切で、入れ替える時に一気に行うことが重要です。


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