キロ4分ペースとの違い
キロ4分ペースは、1分間に250m進むスピード。
つまり、ケイデンスを200spmまで上げられれば、ストライド幅125センチ以上で到達できることになります。
確かにまだランニングに慣れていない段階で、ストライド幅125センチを超えるのは簡単ではありませんが、絶対に到達できないのかというと可能性が残されています。
一方で、キロ3分台のペースですが、キロ3分40秒ペースを例に挙げると、1分間で約273センチ進むので、ケイデンス200spmでもストライド幅は136センチ以上が必要です。
ケイデンスやストライドの数値が何となくイメージできるランナーであれば、200spmで136センチ以上というランニングがそう簡単ではないことが容易に理解できるでしょう。
こみちが今朝のランニングでキロ3分40秒前後で走った時、ケイデンスは190spmでストライド幅は145センチでした。
つまり、こみちにとってケイデンスを190spm台で抑えられるか、200spmまで上げなければいけないかは、ペースを維持する上でとても重要です。
確かに一瞬でも良いということであれば、ケイデンスを210、220と上げれば、ストライド幅も130センチ以下にできるのですが、その足の回し方では500mを走りきるのでさえ容易なことではありません。
ここで一つの結論ですが、「ケイデンスを190spm台までに抑える」という意識が必要です。
すると、キロ3分40秒ペースやそれよりもさらに速いペースで走るのは、ストライド幅を140センチ以上にしなければいけません。
初心者だった頃、ストライド幅100センチがなかなか超えられなかったので、140センチなど不可能としか思えませんでした。
ストライド幅は歩幅ではなく「空中移動する距離」!
ストライド幅が110センチを超えた辺りで、こみちの場合は一気にストライド幅が拡大しました。
理由はとてもシンプルで、ストライド幅を足を前後に開いた距離だと思い込んでいた常識が、空中移動を積極的に取り入れたことで、歩幅は広くなくてもストライド幅は伸ばせました。
例えば、ストライド幅140センチで走っている時、意識は足を広くするのではなく、むしろコンパクトなフォームを意識しています。
接地して、さらに足で地面を蹴ることはなく、イメージとしては体と一緒に前に引き寄せます。
それでも地面を押し込んだ感覚は強く残っていて、腰がグッと押し込まれるのが分かります。
空中移動している時間を増やすことができれば、それだけストライド幅も伸びていて、別の視点に立てば、それは接地時間を短縮することにも通じてます。
地面を蹴っている間、体は地面に固定され空中移動していません。
しかし、その時点で確保した推進力を活かせれば、地面を頑張って蹴る以上のスピードで空中移動できるのです。
このことに気づいて、ストライド幅の伸ばし方が一変し、ランニングフォームも変わりました。
キロ4分ペースまでは通用してもキロ3分台のペースでは使えないフォーム
体調が整っていると、日々のランニングでもキロ3分台のペースは珍しいことではなくなりました。
キロ3分40秒ペースとキロ3分20秒ペースの2つが、走っていて多いと感じるのですが、この違いは一瞬しかない接地のタイミングで、体重が足の裏にジャストタイミングで乗っかり、弾むタイミングで強く地面から離れられているのかです。
少し前までは、骨盤の上下を意識して、強い推進力に転換させていましたが、今は特にそんな意識も薄れて、でもポイントでグッとパワーを掛けるタイミングがあります。
キロ3分40秒ペースでは比較的何もしないままで、キロ3分20秒ペースではもう少しタイミングを合わせています。
その時のフォームからすると、キロ4分台のペースとは、もうキロ5分ペースと変わらないくらいゆっくりに感じていて、フォームの違い、意識の違いを強く感じます。
しかし、体調が悪い時に、キロ4分台でやっと走れているような時は、キロ3分台のペースで走れないことも少なくありません。
ほとんどダッシュのつもりで走って、やっとキロ4分ペースを切れるかどうかということです。
なぜそんなことが起こるのかというと、足が地面に着くタイミングと体のポジションが崩れていると、脚力だけ頑張っても速くは走れません。
キロ4分ペースまでなら、それこそ脚力だけでも到達できるのですが、キロ3分台になると、接地するタイミングが正しいか、足の抜き方や体の前傾角度など、ポジションがとても大切です。
例えば、最近のダッシュ練習では、静止した状態から走り始めるのですが、一歩目は足を前に出すのではなく、その場で弾みます。
その弾んだタイミングで、もう一方の足を前に引き寄せ、その足が今度は下ろされるタイミングで軸足だった方の足を空中で引き寄せます。
数歩走る頃には、こみち自身のトップスピードの8割程度には到達しているので、それまで以上に地面を押す意識は薄れ、じわじわとケイデンスを上げていきます。
その時も、太ももを押し下げる意識ではなく、下から真っ直ぐに引き寄せる感覚で、それは腕振りとも同調しています。
背中の湾曲を使って、伸び縮みさせて弾む感覚だけを注意深く待っています。
その日のトップスピードが出るのは、ケイデンスが最大限に上昇し、意識の中で「待ち」がなくなった時です。
足をぐるぐると回し、地面の上をパンパンと跳ねています。
そこまで上手く出来ても、厳密には接地時に足首が潰れてパワーを逃している時もあれば、全く潰れた印象はなくしっかりとレスポンス良く足を戻ってくる時があります。
今朝のランニングでは、ケイデンスを最大値まで引き上げなかったのですが、それでもキロ2分30秒ペースで走れていて、以前と大きく印象が変わったのは、頑張って走っているのではなく、タイミングに合わせて足を回しているようになったことです。
これはキロ4分ペースのフォームとキロ3分台になったフォームとの違いでも言えたのですが、どうしたら体が楽に進むのかを考えると、いかに空中移動できるのかに意識は向かうはずです。
もしもキロ3分40秒や20秒ペースがまだまだキツいと感じるなら、両足の動きを改めて見直してもいいかもしれません。
一歩毎に地面を強く蹴らなくても、一度スピードが乗ってしまえば、あとは足を回すだけで、スピードをキープして楽に走れることが分かるでしょう。
そのためにも、足を前で着地させるのではなく、しっかりと引き寄せて体重を前に落とすように足が使えれば、景色の流れ方が変わり、キロ4分ペースのつもりがキロ3分20秒ペースだったという体験になります。