キロ5分ペースで走るために

 キロ5分15秒とキロ4分40秒の狭間で

先ず、こみちにとってランニング中によく見かけるペースは、キロ5分15秒とキロ4分40秒です。

意外とキロ5分ペースで走るつもりでも、そのどちらかに寄ってしまいます。

具体的な数値を出すと、ストライド幅が110センチなら、ケイデンスが170から190の範囲で、キロ5分15秒とキロ4分40秒ペースです。

ここで何が言いたいのかというと、こみちにとって「キロ5分ペース」は「キロ4分40秒ペース」になるまで出すのが大変でした。

そして、ストライドとケイデンスの関係でペースが決まるとするなら、キロ5分ペースの配分がこみちのランニングに合いませんでした。

今は、ストライド幅も随分と変わったので、当時のようなことにはなりませんが、それでもストライド幅が100センチ、110センチ辺りの頃はキロ5分ペースに到達するのにとても苦労しました。

ここで1つ言えるとするなら、正しい練習方法でランニングしている限り、ストライド幅は急に伸びます。

当時、100センチとか110センチにどうしたらなれるのかと悩んでいましたが、股関節から動かせれば逆にならない方が不自然なくらいです。

なので、ストライド幅の数値ではなく、しっかりと股関節を使って走ることを習得するべきでしょう。

「お尻で走る」とか「股関節を使う」とか、実際にどう走ればそうなるのかが分からないということもあるでしょう。

参考になるかどうか分かりませんが、こみちがよくしたこととして、100mから10000mまでの世界陸上の選手たちのフォームをスローで何度も観ることです。

上手く表現できませんが、腰がグッと入るタイミングがあって、それは通常の再生スピードでは見逃してしまいます。

しかし、「お尻で走る」とは、ある意味で腰が入ることとも言えます。

間違えて欲しくないポイントとして、ランニング中は体が上下していて、足で地面を掻いたり押したりしているように見えますが、それを行ったタイミングが重要です。

つまり、軸足が着地した瞬間に、ほぼその必要な動作は終わっていて、ランニングの映像で軸足が後ろに流れていたり、押しているように見えたりするのをそのまま真似ると、その数倍後ろに流れてしまい簡単には前に振り出せません。

足を前に引っ張り上げる腸腰筋が弱い人ほど、どんどんタイミングが遅れて、踵着地で太ももで押して体を前に運ぶという流れから抜けられなくなります。

つまり、着地したタイミングで地面を押すことは完結し、一刻も早く足を前に振り出したいくらいです。

イメージとしてケンケンの要領で地面に着いた軸足が、一瞬地面で弾むように浮く瞬間があります。

その浮いたタイミングに合わせて、反対側の遊脚を膝から一気に前方向に引き上げることが理想です。

つまり、軸足が地面に触れた時に、遊脚が後方に残っているフォームではダメなんです。

それこそそのフォームで毎日20キロ走っても、ガツガツと地面を掻くようなフォームでは走れますが、ポンポンと弾むようなフォームにはなりません。

ガツガツとしたフォームの場合、最低でもケイデンスが200spm(ストライド幅100センチとして)くらいないとキロ5分ペースが出せません。

それでも数キロなら頑張れたとしても、10キロ20キロを楽に走ることは絶望的です。

つまり、軸足が地面に触れたタイミングにどれだけ反対側の足を引き寄せられるのかを練習しない限り、そしてそれが上手くフォームで再現できるようならないと、パンと踏み切ることもできません。

例えば三段跳びや幅跳びをしている選手の踏み切りの動きを見ていると、軸足と遊脚の位置に共通点が見つかるはずです。

もう一つ目安になるポイントを挙げるとするなら、意外とキロ5分ペースなら、思うよりも前に振り出した足が視界に入って来ません。

入ったとしても下にストンと落とす残像です。

というのも、前に大きく振り出すほどのフォームなら、キロ4分、3分のペースだからです。

もう少し言えば、しっかりと反発力を使うと、タイミングを合わせるだけの意識でもキロ5分くらいで走れます。

つまり、キロ5分ペースは、足を大きく前に振り出して走るようなペースではありません。

もちろん体調が悪くて、ごり押ししたようなフォームで走ってしまうと、バタバタと派手になってしまいますが、逆にそんな体調の時は早めに練習を切り上げる方がいいと感じます。

踏み切りで足を入れ替える

直立した状態から、腰からではなく、全身が一直線のままで前に倒れます。

転んでしまうというタイミング、左右どちらかの足を前に出しましょう。

その足の裏側で体重を支えている間に反対側の足をできる限り前に引き寄せます。

理想は軸足よりも膝頭が少し出ているくらいまで。

つまり倒れて足を出したタイミングに遅れることなく反対側の足もすぐに前に出て来ます。

いわゆるウォーキングのように右、左、右と交互に足を動かすリズムではなく、右左と動いて、間があって、今後は足が入れ替わって左右という感じで動いています。

説明を繰り返すと、右足が地面に着いたタイミングで左足の膝頭は右足に寄り添い、右足で踏み切り、空中移動して、今度は振り出した左足で着地したらそのタイミングで右足の膝頭がもう軸足の左足に寄り添っています。

つまり、思うほど両足を前後に広げているつもりはありません。

でもスピードが速くて、そんなイメージを持っていても実際には遊脚が後方に遅れてしまいます。

そこが練習のポイントで、逆を言えば、完全に遅れないで足がさばけるようになっていたら、もうキロ5分ペースではなく、キロ3分ペースでも走れるくらいです。

空中移動が、左右の足の位置を整えるタイミングなので、両足が浮いた状態で足の位置を修正することも課題になります。

実際にはキロ5分ペースというのはそれほど瞬時にできなくてもいいリズムで、むしろ練習ではキロ7分や6分ペースで動きを覚えて、段々とキロ5分ペースででもできるようにすればいいと思います。

キロ5分ペースで走れるようになるという目標を達成した時、足さばきが上達していたらきっとキロ4分ペースまですぐにできるようになるでしょう。

なぜなら、足さばきのタイミングが早くなるだけで、他は同じだからです。

実際、キロ3分であっても同じで、違いは入れ替えるリズムが早くなって段々とバランスを崩しやすいということです。

結論ですが、空中で足を整えることができるようになると、キロ5分ペースは目前です。

左右でゴリゴリと走れるのではなく、空中移動を上手く活用するフォームに移行することです。

キロ5分ペースという数値に合わせるよりも、動きを習得すれば、キロ5分ペースよりも速いペースまでできてしまいます。

ご注意を

ここに示したランニングの内容は、こみち自身が経験したことに基づいての話です。

専門的な見識によるものではありません。

あくまでも、こみちのような一般にランニングを始めたランナーが、キロ5分ペースで走れるようになるために、こんな練習は参考にならないでしょうかという提案であることをご理解ください。


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