『7』と『4』の話
ランニングフォームを考え始めて、何周か思考が巡る間に、結局のところと行き着いたのが「7」と「4」のポジションです。
『7』とは着地した後の重要な姿勢で、前側の足を股関節から持ち上げるという動きを示しています。
一方の『4』は着地した瞬間の乗り込み動作で、軸足が体重を支えた時点で遊脚の膝が軸足よりも後ろにないことを示します。
位置関係だけで見ると『7』と『4』のポジションが大切ですが、ランニングフォームとしては静的ではなく動的に考える必要があります。
つまり、実際にランニングをしている流れで、軸足となる足が地面に触れ始める段階で、もう反対側の足(遊脚)は軸足を追うように後ろから迫って来ていて、着地した瞬間に遊脚は軸足を追い越します。
ただ追い越すのではなく、そこからランナーは高い意識を持って、前後に足を開くような動きを加えることで、大きなストライドを生み出し、背筋や臀筋、ハムストリングの筋力も加えて推進力を発揮します。
足捌きの流れの中で、最も力を使いメリハリをつけるポイントです。
いいフォームと悪いフォーム
悪いフォームになってしまうと、足で掻くことで走ってしまいます。
体よりも足を前に出して、しかも着地した瞬間はまだ前側の足が体よりも前にあって、遊脚側の足は後ろに残されています。
これでは「4」も「7」もできないので、推進力の全てが脚力に委ねられてしまいます。
こみちの場合、そんな走り方ではどう頑張ってもキロ4分ペースが限界で、何よりも体に力が入っているので長距離には不向きです。
ではいいフォームを身につけるにはどうすればいいのでしょうか。
先ずは前側の足にしっかりと体重を乗せるという動きを知ることでしょう。
「真下着地」と言いますが、前に振り出した足がまだ体よりも前にある段階で着地してしまうことがダメなので、振り出した足に体が追いついて、振り出した足が戻って来て体のほぼ下に来たタイミングで体重を乗せます。
「4」のポジションでも分かるように、軸足に体重が乗ったタイミングで遊脚は既に前に振り出し始めているのです。
悪いフォームでは、着地してから遊脚が遅れて前に出されます。
そうではなく、いいフォームでは着地したタイミングで遊脚がすでに前に振り出されています。
しかもその動きに最も勢いをつけて。
ゆったりと見えるフォームほど、それ以外の動きは力を抜いています。
だから全体としてゆったりと見えるのでしょう。
逆を言えば、悪いフォームは推進力を発揮するポイントでポジションを作っていないので、ゆったりと見えるはずの部分でも体力を使って走っていることになります。
今日は楽に走れるなぁと、ポジションが安定した時はキロ4分ペースが楽です。
一方で、ポジションがずれて、それを脚力でカバーしているときは、頑張って走っているのにキロ5分でもキツく感じます。
数値としてのケイデンスは同じでも、ストライド幅が10センチ以上も違って来ると、ペースも差が生まれます。
日々のジョギングで行う課題
こみちで言えば140センチくらいのストライド幅になる時は、やはりしっかりとポジションが作れていて、安定した踏切動作を繰り返せています。
つまり、キロ6分や7分のゆっくりとしたペースで、ちょうどジョギングでポジション作りを繰り返し練習することが大切です。
そのポジションが安定してキープできるようになれば、キロ5分ペースから一気にキロ4分ペースになるほど、ストライド幅が伸びるからです。
走っている時も特に何もしていないように思ってしまうのですが、フォームの中でしっかりとポイントを掴んでいるので、勝手に速く走れてしまいます。
他にもポイントと呼べるものはありますが、初心者ほどコレさえできればキロ4分ペースまでは到達できるでしょう。