ランニングで股関節周りが大切だと言われるけれど…の話

 股関節の機能を筋肉から見てみると

お尻を使って走ることが再三指摘されるのは、体の裏側に隠れている大臀筋がとても大きく、強力な筋肉だからです。

それこそふくらはぎや足首の筋肉とは比較にならないほどパワーが異なるので、ランニング中に大臀筋が効果的に使えていないと、それだけ走力の低下にも繋がります。

そんな大臀筋ですが、主な役割はランニング中に太ももを後方に移動されること。

お尻にある筋肉が収縮することをイメージしても、太ももを後方に引っ張る動きをすると分かるでしょう。

ただ、後方に押しやるから「地面を蹴る」とイメージするべきではなく、結果的に体を前方に押しやるという動きもあることを理解しておくべきです。

着地した軸足を起点に、体に前方への推進力を働かせるのは大臀筋の得意な動作です。

体の裏面にある大臀筋をしっかりと動かす時、骨盤前側、体の奥深くにあるのが大腰筋、腸骨筋で、これらは太ももを前方に振り出す動作に関わります。

つまり、骨盤と太ももの動きを前からと後ろから支えることになり、仮に大腰筋や腸骨筋が柔軟性に乏しいと、大臀筋で後方に引っ張ることができません。

股関節の可動域が狭くなって、ストライドが伸びない原因でもあります。

股関節周りの筋肉をストレッチなどでほぐしておくことが必要だと言われるのも、正しいフォームや理想的な動きを頭で理解していても、それ通りに動かすことができないので、ランニングフォームが思うように身に付かず、スピードが上げられない要因になっています。

ランニングを学ぶ時に、筋肉の位置や役割から考えてみると、また新たな発見があるでしょう。



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