履いたのは、「ペガサス」と「ズームフライ」
厚底シューズの存在を知り、ランニングフォームを改善する過程で、世間的にどんなことが起こっているのか知りたくてスポーツ店を訪ねました。
最初に履いたのはペガサスシリーズで、最新の40と昨年モデルの39。
39の方はソールがボコボコした印象で、踵で着地からつま先へと転がした時に、違和感にならないのかと思ってしまいました。
ただ、ソール全体のクッションは良くて、履き心地は良かったです。
一方の40は、ソールのボコボコ感は少なくて、でもクッション性は39同様に高く、「ザ・定番シューズ」という印象でした。
確かに始めてランニングをされる方も満足できると思いましたし、膝を痛めやすいという意味でも、着地でのショックをどれだけ緩和してくれるのか気になりますが、ちょっと履いた感じですが、個人的にかなりの好印象です。
そのあと履いたのが「ズームフライ」で、実はこのタイプがどんな感じなのかを確認してみたいと思っていました。
結論を言えば、「概念が覆される」という印象です。
確かに巷で「蹴る」というニュアンスを用いて説明される理由が分かりました。
それだけ、このシューズはフォームに対する考え方が変わるということでしょう。
実際にランニングをした訳ではないので、正確な印象ではありませんが、最近こみち自身、踵着地はしなくて足の裏全体からやや前寄りになっているので、例えばつま先部分の反りがどれだけランニングフォームに影響するのかと思いました。
つまり、前よりの着地でいきなり「蹴る」ことができるのか、それとも一度ソールで着色して転がして「蹴る」のかがよくわかりません。
ただ、ソール全体のクッション性や反発力が、今使っているランニングシューズとは明らかに異なるので、肝心なストライドという部分では上手く履きこなせればシューズの性能でそれなりに伸びて行くように思います。
それが10センチなのか、それ以上なのかは実際に走ってみないとわかりませんが、言い方を変えると「ランニング」という概念が根底から変わってしまうほど大きな違いでした。
個人的には、タイムの更新を最優先だとは思っていないので、現時点でそれだけ大きな影響力があるシューズを使う理由は見つからないように思います。
ただ、それだけシューズの性能が向上していて、結果的にフォームに対する考え方を大きく変えてしまう理由も分かって来ました。
スポーツにおけるレギュレーション
例えばサッカーでオフサイドというルールが削除されたら、各チームの戦略は一変するでしょう。
ゴルフでもヘッドのフェイスの反発係数は、公式戦になると厳格に管理されます。
飛距離が出せるとより距離感の確実なクラブが使えて、スコアの向上に繋がるからです。
レギュレーションがあるのも、0.01秒とか1センチの違いで勝ち負けを決めるスポーツだからこそ、それよりも大きな影響力を持つ要因が、各選手の成績を変えてはいけないからでしょう。
それこそレギュレーションの範囲内ギリギリでどこまで選手の要望を満たせるかが、各メーカーに求められることだと思います。
ランニングで言えば、素足しか認めない訳ではない以上、どこまでを許容するのかは時代によっても変化するでしょうし、肝心なトラックで一般の道路以上に反発する素材が使われていれば、当然ですがトラックを走る方がいいタイムが期待できます。
つまり、ある競技場では、他の競技場でのタイムよりも圧倒的に良いタイムが出てしまうとするなら、タイム更新を最大の目的にしているアスリートは、誰だってその競技場で走りたいでしょう。
例えば、こみちが普段走りしている場所は、閉鎖された場所ではないので、人も通りますし、車も通行します。
場合によっては、いきなり道を塞がれることも起こり得ますし、それを承知で安全に配慮しながら利用しています。
段差もあれば、曲がり角もあって、脇から出て来るかもしれない場所ではタイム計測中でも安全を考えてスピードを落とします。
トラックを走るアスリートのタイムが、こみちよりもずっと良くても、それはそれで「めちゃくちゃ速いなぁ」で良いと思っていて、気になるのはどんなフォームで走っているのかやその為にどんな練習をされているのかです。
ある意味で、陸上競技をより興味を持って、世界陸上のような大会を見るようになったのも、近所をランニングするようになって、「ランニング」をもっと知りたくなったから。
トップ選手や上級の選手たちだけが使い熟せるスペシャルなアイテムも、まだまだ初心者のこみちでは持て余してしまうでしょう。
だからこそ、レプリカモデルやデチューンモデルがあるように、憧れの選手に合わせて開発された一品に似たモデルを使いたくなる心理にも似ています。
趣味で楽しみたいこみちには、「スゲェ〜! めちゃくちゃ速く走れるじゃん!」で良くて、ある意味でそれはレギュレーションに反していても構いません。
昔あったヤマハのVマックスというバイクは、面白いくらい加速しますが、コーナーをヒラヒラと走る目的で開発された訳ではなかったでしょう。
でも、街中の制限速度の範囲でも、アクセスを開ければ「めちゃ出る!」で良いんです。
競技ではないので。
結局、個人として趣味や嗜好で楽しみたいのか、ある条件の中でより望ましい結果を出すことを競い合うのかの違いだからです。
不可能だと思いますが、例えば地球の磁力に反発し、地面から僅かに浮いていられるシューズが開発されて、ランナーが走るのではなく滑り出したらどうでしょうか。
多分、ランニングの知識や技術は、大きな変化をもたらすでしょう。
ガソリン車が電気自動車に変わるということも時代の流れとするなら、何を持ってレギュレーションとするのかはその時代に生きる人たちの考え方次第かもしれません。
100メートル走で、スタートの合図で選手たちのシューズがバネのように伸びて、僅か1秒で走ってしまっても、それはそれで意味があるなら受け入れるしかありません。
結局、こみちにとっては
例えば、こみちが走る理由は、誰かよりも速くなることではなく、自身が思う理想のタイムに近づけることで、その為に情報や知識、さらに練習をあれこれと試行錯誤して楽しいんでいたいから。
その中で、youtube を観て、「なんでこんなにみんなって速いの?」と思ったのは、自身がケイデンスやストライドに着目し、そんな目線で見て彼らがどれくらいのスペックでそのタイムに到達できたのかを興味として知りたいからです。
そして、その思考過程で、厚底シューズというアイテムを知り、その高性能さに驚きました。
でも、個人的には「ノーマルエンジン」のままでよくて、どこまでタイムを縮められるかが面白くて、ハイカムもボアアップもしたくはないのです。
それがこみちの決めた「自主規制」なので。
でも、ペガサスシリーズはいい靴ですよね。
さらに実際に購入する時には、カーボンの入った高反発シューズを面白がって買ってしまうかもしれません。
でも、それで好タイムが出せたら、きっとノーマルに戻してしまうでしょう。
競技志向は高くなくて、あまり順位とかつけられるのも好きじゃないので自己満足できたら十分です。
当分は、今のシューズを使います。
それでどこまでタイムを縮められるかに挑戦したいと思うからです。
もう少しイケると思うですよね。まだまだ改良できるポイントがたくさん残っているので。