「絵描き」では食っていけない理由!?

 「絵描き」って何だ?

絵描きと言っても、画家やイラストレーター、アニメーター、漫画家など、実はその違いが大きい。

さらに絵を描く仕事には、デザイナーもいるから、さらに業界として広く漠然としている。

ビジネスという視点では「ニーズ」を見出せるかがポイントで、例えば画家やイラストレーターと名乗っている中にも、サラリーマン的な労働者というケースもあれば、完全にクリエイターという立ち位置であったりもする。

決定的な違いは代表作品を含めた「実績」になるだろう。

その意味では、「絵を描いている状況」ではなく、業界とどう関わっているのかが問われる。

つまり、「絵を描くことが好き」というだけでは、ビジネスに展開できなかった。

YouTube の存在

新人イラストレーターとして業界入りする場合、3種類以上のタッチ(作風の違い)を扱えた方がいいと言われたことがある。

それはつまり、美術のデッサン的なタッチ、デフォルメされたコミカルなタッチ、さらにもう一つくらい描けると、いろんな仕事を受けられるというのだ。

絵を描くことが好きな人で、自分の好みの描き方を持っている人は多い。

でもプロになる際に失敗する理由があるとするなら、そのこだわりを吐出させていないか、先に紹介したような3種類以上のタッチを持ち合わせていないかだろう。

原因はいろいろあるから、それだけとは言い切れないが、「絵を描く」ということを挙げても、実はその内容でかなり奥深いものがある。

美大出身者などであっても、デッサンが不得手な人もいる。

仮にデッサンが上手くても、そこから個性を出す創造性がなければ、2つ目のタッチには繋がらない。

そんな中で、YouTube は「絵を描く」に新たな可能性を見出してくれた。

それが「キャラクター」という価値観の融合だ。

つまり、ワンパターンの絵しか描けない場合や、作品を創作するクリエイターとしての資質に不安があっても、絵を描ける「キャラクター」としてYouTube で新たな活躍の場を作り出せる。

例えば、カップルという設定で、二人共が絵を描くことができたら、そこからコンテンツネタが生まれる。

「どっちが早く描けるか?」

絵描きとしては、本来問われることがないポイントを、企画として掲げてコンテンツに出来れば、それはそれで新たな価値になる。

新米アニメーターというチャンネルで、アニメーターになるための業界裏話もネタにできる。

デッサンが得意なら、どんな風に描けば評価されるのかを示しても面白い。

何なら実際に美大や芸大に受験して、その成果をドキュメンタリーにしてもいいだろう。

これらの内容はYouTube があるからこそ成立するもので、本来なら、プロとして絵を描く人はどんな形であれ通過したはずの部分だ。

美大を出ても企業に採用されるとは限らないし、絵がうまくても評価されるとは限らない。

一方で、絵を描くことが好きな人は多くて、自分の絵を見て欲しいと思う人も多い。

でも他人の絵を真面目に評価しないことも多い。

こみちも他人の絵を評価するのは苦手だ。

特に練習中の場合、改善点ばかりが気になって、「何をどうして描こうとしたのか?」まで行きつかない。

さらに言うと、実は「絵」の評価には満点と「0」点しか存在しない。

つまり見て感動したか否かだけだ。

よく絵の学校で、先生が手直ししてくれることがある。

その一筆を見て、「なるほど」と思える場合と、「無駄な線ではないか?」と感じることがあった。

その時はまだこみち自身も今以上に思った通りに描けなくなくて、無駄な線を描いてしまう。

でも、当時の講師人でさえ、完璧な線を描けるとは限らない。

理由は簡単で、完璧に描けるなら、「画家」として専業で食っていける。

「絵を描く」ことが好き。

自分で思うように描きたい。

でもそれだけでは食っていけないから、絵を趣味にしたり、講師などのサラリーマンとして絵に関わる仕事を選ぶ。

YouTube が登場し、いろんなアプローチで絵と関わり、公開できたりするのは嬉しいことだ。

さらに言えば、自己満足ではなく、価値ある「絵」にするには、「描いて楽しい」からどう進化できるかがポイントになってくる。

「何をどう感じ取ったのか?」

絵を描くことも、究極的には「感性」の話に尽きていく。

表現方法が「描くこと」であって、音楽や映像の分野と変わらない。

何をどう描くことでどう感じてもらえるのか。

さらに見ている人は、経験者なのか、一般人なのか。

そんなポイントが少しでもずれてしまうだけで、食えない理由になってしまう。

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