「車旅」とは切り離せない「ゴミ捨て問題」を掘り下げる

「ゴミ」とは何か?

先ず、「ゴミ」とは何かを確認しておきたい。

例えば店で商品を購入すると、その商品の所有者になる。

だから、弁当であれば食べることもできるし、衣類なら着てもいいことになる。

では「ゴミ」とは何だろう。

汚いものや用途を失ったものをゴミと呼ぶのだろうか。

個人的な見解ではあるが、ゴミとは自身が所有しているものを手放したいモノだと思う。

もっと別の言い方をすると、物に対する所有者が、その属性を放棄するときに「ゴミ」と呼んで区別しているに過ぎない。

というのも、例えば食品トレーや穴が空いた衣類だとしても、その物に愛着がある限り、ゴミだとは思わないし、捨てたいとも考えないだろう。

誰かにとって100万円の価値だとしても、ゴミとして手放したい時は「ゴミ」となるし、最近ではその残存する価値をリサイクルショップなどでは買い取ってくれる。

旅中のゴミは「家庭ゴミ」なのか?

「家庭ゴミ」とは何だろうか。

「家庭」という言葉を解釈するよりも、「事業ゴミ」という区分があることに着目したい。

つまり、一般家庭で発生した「ゴミ=捨てたい物」を家庭ゴミと呼び、事業によって発生したゴミを事業ゴミと区別している。

ということは、旅行中に出たゴミは、家庭ゴミなのか事業ゴミなのか。

「ゴミ」とは何かで確認したように、それが何であれ、捨てたい、所有状態を解消したいと思った時に、その管理者(=所有者、占有者)はゴミを捨てることになる。

店舗の陳列棚にトレーに入った弁当を買ったとしよう。

購入者は何を買ったのか。

もしも、ご飯やおかずだけを購入し、器であるトレーを借りていたのなら、食後速やかにトレーを返却するべきだ。

というのも、トレーまでを店側は売却していないからだ。

一方で、トレーを含めた一切を弁当として販売した場合、客は購入と同時にトレーに関しても所有者となる。

だからこそ、トレーを店に返却する必要は無し、何ら別の用途に使うことだって許される。

ここでポイントがあるとするなら、弁当を購入する際に、自前の容器を持参し、「トレーは必要ありません」と中身だけを買い取ることだ。

もしくは、「食後、トレーを捨てても良いのか?」と確認、若しくは暗黙でも了承してもらうことがトラブル回避に繋がる。

その流れで言えば、別の店舗で購入した弁当を、移動先で食し、その移動先のゴミ箱に捨てようとした時に「外部のゴミ捨ては禁止です」と拒否されたらどうだろうか。

例えば、旅の途中だから「家庭ゴミ」ではないとして、事業ゴミと考えることができるだろうか。

事業ゴミとは、事業者が営業中によって発生させたゴミを指すが、「食べる場所を提供した」ことで、そこには「営業中」が適用されるのかがポイントになる。

とは言え、弁当のトレーならゴミで、キャンピングカーに積載していた故障した自転車はゴミではないという説明が成り立つだろうか。

例えば、食べ物の持ち込みを許可している場合、それは暗黙の了解として処分に関しても認めていると考えられる。

一方で、駐車場に停めた車内で飲食した場合、そもそも無許可で駐車場内での飲食や食べ物の持ち込みを店舗側が許可しているとは言い切れない。

つまり、その所有者はたとえ駐車場内に入っていたとしても、車両の持ち主が所有者と判断される。

という流れからすると、「ゴミを捨てる」ことができるか否かは、店舗側が広い意味で「事業ゴミ」と考えて許諾している場合だろう。

言い換えるなら、例えばゴミを捨てようとして「外部のゴミ捨てはご遠慮願います」と拒否の意思表示を受けた場合、ゴミを勝手に捨ててしまえば不法投棄になるだろう。

「家庭ゴミ」を自宅で発生したゴミと考えて、旅先でのゴミは「家庭」ではなく「車内」だと解釈しても、要は所有者がその物の所有を放棄することを「ゴミ捨て」と呼んでいるのなら、どこで発生したのかではなく、誰がその物の管理者なのかがポイントになる。

長旅であれば、容易にゴミ捨てできないこともあるが、キャンプ場やPVパークなどではその処分を有料、無料で受け付けている。

つまり、所有権の放棄をしたいのであれば、法に従った手順を踏むことが大切だ。

「長旅をしているから捨てられる場所がない!」という悩みは、それこそ店舗の悩み事ではない。

捨てたいなら、どこでどんな手順を踏めばスッキリ捨てられるのかという話。

店舗によっては、旅先でのゴミも広く認めてくれる場合もあるだろう。

認めていることと、処分を請け負う義務があるとは意味が違う。

なぜなら、「ゴミ捨てを勝手にする人は立ち入り禁止」と看板があって、その意思表示を無視してゴミ捨てをすれば、法的には不法投棄になりかねない。

気持ちよく旅をするためにも、課題となるゴミ捨て方法は相互の理解が必要だろう。

実際、店舗で買い物をするとトレーがすぐに溜まるから、買い物してすぐに持参したビニール袋などに移し替える客もいる。

まだ家に帰る前にトレーを捨てることで、余分なゴミを家庭に持ち込まない工夫でもある。

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