キャンピングカーのパラドックスを考える

 キャンピングカーで生活はできるのか?

キャンピングカーの利便性を考えると、ついつい車内の装備に目が向きます。

しかし、例えば道の駅での車中泊を想定し、駐車場に足を運んでみましょう。

当たり前ですが、自分の車のわずか数十センチ脇には別の車が止まっています。

車のドアを開け閉めすることや車内で調理、音楽を聴く、話をする、もしかしたら車内灯を点けるだけでも目立つかも知れません。

もう察しがつくと思うのですが、「気にしない」という人でもない限り、一般の駐車場で車中泊することは簡単ではありません。

機能としてではなく、気持ちとして窮屈ということです。

車内で電子レンジがあれば、かなりいろんなことができて、それそこ工夫すれば生活できるでしょう。

最近のキャンピングカーなら、エアコンもあるし、冷蔵庫も完備しているので、旅先のスーパーに立ち寄れば生活はできます。

問題は安心して「泊まれるところ」をどう確保するのかでしょう。

ある意味、多くの道の駅で「仮眠」を認めています。

「車中泊」との違いは、車を停めて「眠気を取り除くために寝る」のか、「一時的でも生活の拠点にする」のかです。

駐車場なので、車を停めた脇で、椅子やテーブルを出すのはもちろんタブー。

車内なら自由なのかというと、実はそうとも限りません。

なぜなら、一般ユーザーが仮眠やショッピング目的で車を停める時に、脇の車が窓を目張りしていたら、それこそ駐車場所を選ぶからです。

単純に「怖い」からです。

「怖い」は感情ですから、人によって感じ方が異なります。

「それくらい大丈夫」という人もいるでしょうし、「できるなら避けたい」人もいるはずです。

道の駅を設置した目的が、安全運転の補助だとしたら、そこで生活をするのは使用目的が違います。

もちろん、施設によっては、車中泊を積極的に歓迎し、そんなユーザーに向けたイベントや施設利用を計画している場合もあるでしょう。

例えば、普通自動車を維持するには「駐車場」の登録が不可欠です。

首都圏なら月額で数万円も珍しくありません。

地方でアパートを借りられる金額と変わらないこともあるでしょう。

つまり、キャンピングカーを購入し、駐車場料金を支払い、さらに車旅に出掛けることは、かなりの贅沢な行為で、購入費や駐車場代を使えば、別荘街に長期滞在だってできてしまうでしょう。

しかも、賃貸なら建物の管理も任せられるので、行きたい時に足を運んで、楽しんで帰るだけという気軽さです。

感覚としては、月額平均で5万円から10万円くらい掛けられるユーザーでしょうか。

その金額なら、それこそかなりいろんな車やバイクを手に入れられるはずで、感覚としては誰もができる使い方ではありません。

そこで、月3万円くらい(都内では駐車場を見つけるのも困難ですが)で車を購入し、駐車場を見つけて、旅にも出ると想定したら、軽キャンカーや中古車が視野に入りますが、本当に自分が思い描いた旅がそれだったのかとなります。

こみちは最初、キャンピングカーを移動オフィスとして使いたいと思っていました。

どうせ事務所やワークスペースを借りるなら、キャンピングカー購入費に回しても面白いと。

でも段々と気づいたのが「駐車場問題」で、思うように楽しむにはRVパークやキャンプ場などを使うべきで、やはりある程度の出費も必要です。

一人で使うとなると、それこそビジネスホテルを使うのと手間を考えると差が出ないようにも感じます。

ただ、コロナ禍という事情があって、キャンピングカーのメリットに注目が集まっているのかも知れないと。

みなさんはどう感じますでしょうか。

キャンピングカーの楽しさは分かりますが、やっぱり気を使うので、心底楽しめないように思ってしまうのです。

かと言って、誰かが所有している山に入るのも気が引けますし。

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