「雨の日の車中泊」って

 ポイントは「孤独感」のあるなし

もともと、雨の日が嫌いで、それが車中泊だろうが、家にいる時だろうが、気持ちまでどんよりとしてしまう。

晴れた日が、感情を開放的にしてくれるなら、雨の日は内面と向き合う感覚だ。

まして、狭い車内に閉じ込められてしまったら…。

住宅の玄関には、通常、雨を凌ぐ軒先がある。

雨の日も傘を開いたり折り畳んだりするのに都合がいい。

しかし、キャンピングカーには軒先がなく、強いて言えばサイドオーニングを伸ばして、代用するしかない。

それでも雨が降った時の地面は柔らかく、泥が靴に付いて、車内を出入りするとどうしても汚れてしまう。

そこで、出入り口下にマットを敷くということもできるけれど、汚れたマットを後日洗って干すのも手間が掛かる。

道の駅の駐車場にいたとしても、売店まで数分、雨の中歩くにさえめんどくさい。

「わざわざ、ここに来て何をしているだろう?」

移動できることがメリットだと思っていても、不便さとめんどくささが足を引っ張って、雨の日に車中で過ごすことが嫌になる。

周期的に孤独感が襲って来て、家に居たら当たり前にできることが思い浮かぶ。

この前、市販のコロッケを買って来て、そのまま食べるつもりだった。

でも家に帰って気が変わり、玉ねぎやシメジを麺つゆベースで作った出し汁で煮込み、コロッケを浸して、溶き卵でとじた。

3分でできる簡単なコロッケ丼だ。

でも、こんな簡単なことも、車内ではしたくない。

なぜか落ち込んでいる時は虚しさがさらに強くなってしまうから。

根底にある退屈さが拭えなくて、何をしても面白く感じない。

コロッケ丼も美味くないのだ。

家には帰らずに、年間のほとんどを車内で暮らす人もいるが、正直ななところ、ホームシック的な感覚にはならないのだろうか。

晴れたいると気持ちまで軽やかになれるけれど、雨の日は本当に気持ちまで落ち込んでしまう。

今日は朝から雨。

もう冷え込むことも増えたこの時期に、何処かの駐車場で朝を迎えた人がいる。

車内でコーヒーを淹れ、目覚めの一杯を啜る。

目張りした窓の外を眺めれば、まだ雨がしとしと降っている。

傘はささずに、売店まで小走りしようか。

それとも車内に残っている菓子パンで我慢するか。

そんな心境でも、車旅を継続し、さらに視聴者を楽しませるテンションで笑顔を作る。

仕事とはいえ、気持ちのコントロールが素晴らしい。

思ってみると1ヶ月が経過するのも早いけれど、逆に1ヶ月を我慢すると思うとしんどい。

一年を掛けて車で日本一周を目指しても、こんな雨の朝を迎えると、とてもできそうに思えない。

それくらい雨で心まで落ち込んでしまう。



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