人気のある「車旅」系チャンネルの魅力を分析してみよう!

「車中泊」ブームも落ち着いて

キャンピングカーの購入、初めての車中泊、道の駅でショッピングという流れだけでは、もう「車旅」チャンネルで注目を集めるのは難しくなりました。

例えば、成功されている方の一人、「旅する家の物語」チャンネルでは、軽トラックに「荷物」として積載できる寸法の小屋を作るところから始めています。

仮にスズキ自動車が販売するキャリィという軽トラックで試算すると、荷台は長さ194センチ、横幅141センチ、高さは185センチの小屋を作ることができます。

これらのサイズは全て外寸なので、壁や屋根、床を分厚い作ればそれだけ室内の広さは狭くなります。

チャンネル内で制作した小屋も、高さは最大限ではなく、走行風などを考えて少し低めに設定されているようです。

つまり、170センチ前後の成人男性では室内で立つことができないくらいの高さでしょう。

また、小さな小屋をタイニーハウスとも呼びますが、キャンピングカーショーなどでも荷下ろし可能な小屋を販売している業者もいるので、一般的なキャンピングカー、ハイエースなどの車中泊仕様にする他の選択肢としても選べそうです。

制作中の動画は、車旅という要素よりも日曜大工的な内容で、主にDIYが好きな男性などが視聴してくれる可能性があります。

さらに、「旅する家の物語」チャンネルが成功している理由を挙げると、「車旅」として日本各地をめぐることよりも、窓から見える景色にこだわったことでしょう。

それこそ、山間ののどかな場所に暮らしていれると、自然豊かな場所が身近にあって、その移動距離が長くなかったとしても、ロケーションと車内でのクッキング、雨風の音などを効果的にと入れることで、昨今の車中泊で問題となる駐車場の確保からも解放されます。

別の車旅を扱うチャンネルで注目したいのは、「ノマ旅【ADDressで日本一周する夫婦】」さんでしょう。

車を車中泊仕様に改造しないという理由があって、それが定額で民泊できる「ADDress」というサービスを活用していること。

つまり、旅先でホテルや民宿などを使うとどうしても夫婦二人で一泊1万円前後。

かと言って、道の駅では少し不安がある。

そこで、全国各地の民泊サービスを定額で利用すれば、月額5万5千円から、宿を確保できてしまいます。

詳細なサービス内容を熟知していないのですが、例えば全国各地を巡り、観光ではなく居住地として住んでみたいという目的なら興味深い一択ではないでしょうか。

動画内で日本一周をするにあたり、200万円前後で夫婦二人が旅できるそうで、500万円以上するキャンピングカーを購入することを考えると、割安で目的を達成できます。

その他では、やはり女性がチャンネル主で、「はじめて」とか「女子ひとり旅」などを連想させるタイトルで、男性視聴者が見守りたくなるような内容の動画、さらに夫婦やカップルで運営された、編集から映像、キャンプで使うアイテムまで洗練されたお洒落な雰囲気のチャンネルです。

もちろん、日本列島を一気に500キロ移動したというような体育会系の動画などもありますが、それらに関しては車旅だけではなく、バイク系、自転車系チャンネルでも多く見られるので、説明は省略します。

「日本一周」を目指した人気のチャンネルは存在しない?

少し前なら「MIHO氏TV!」チャンネルがそんな車旅チャンネルだったでしょう。

ただ、このチャンネルはチャンネル主であるMIHO氏さんのキャラクターが人気で、思うにどこを走ったのかではなく、何を喋るのかが視聴者の支持されたと思います。

ギャルっぽい外見でサバサバした性格。

酒好きなのに、どこかお嬢様っぽさが見え隠れする。

多分、別のチャンネルを運営していても人気を集めたでしょうし、いわゆるタレント性があるタイプなので、外見や内容だけを真似ても同じように人気が集めるのが難しいはずです。

キャンピングカーそのものを紹介するチャンネルの今!?

チャンネル名は伏せますが、以前よく見ていたチャンネルを久しぶりに探してみると、ここ数ヶ月の再生回数はかなり減ってしまっています。

理由を考えると、コロナ禍でキャンピングカーの人気が集まり、視聴回数も順調に伸びて来た。

そして、キャンピングカーショーなどで新しいモデルが出ると、その情報を求める視聴者も多かった。

しかしキャンピングカー人気は今でも健在ながら、情報収集から実際に手に入れた方も増えて、彼らは彼らで車中泊やキャンプなどを楽しみ、チャンネル主となって活躍を始めた。

つまり、同じ車旅に関係したチャンネルながら、少し目線が変わったことで、結果的にキャンピングカーを紹介するチャンネルは横ばいか、やや下降気味になってしまったのでしょう。

さらに検索を続けると、以前見ていた夫婦で運営されたチャンネルの方は、もう車旅から離脱し、それこそキャンピングカーとは無関係なYouTuber として活躍されていました。

キャンピングカーという枠にこだわらず、若い夫婦で車旅をほのぼのと楽しむチャンネルも新たに発見しましたが、それこそキャンピングカーとは何かではなく、若者方々の幸せそうな動画をほっこりとした気持ちで拝見したくなる内容です。

今回の調査で言えるのは、もうかなり「車中泊」ブームの追い風は無くなってしまったようです。

これから「車旅」チャンネルを運営するなら、メインコンセプトを確立させる必要があるでしょう。

それこそ「日本一周」が、人生のゴールとして代替えできる存在にはなりません。

「世界一周」と大きく異なる点でしょう。

比較的治安が保たれた日本国内を巡っても、文化や言語、民族の違いを実感できるような体験は難しく、それこそどこに行っても日本語で話す住民が暮らしているだけです。

言うなれば、それだけ行き届いた国内で、どんな旅を目指すのかが大切でしょう。


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