観光ではなく「就労」としての車旅はあるか?

 国内での「就労」で重要なこと

まだ30代前後の方々なら、「老い」を具体的に感じないかもしれません。

「疲れやすくなった」とか、「忘れっぽくなった」とか、「老い」の体験を挙げるでしょう。

しかし、実際に高齢者では、「日常生活が維持できない」という意味での介護が求められます。

つまり、「ベッドから一人で起きられない」ことから始まり、「自分で食べられない」など、全ての人ではありませんが、一定の割合で日常生活に関しても手助けを必要としている方々がいます。

24時間、365日、絶え間なく介護を必要となると、介護施設に入所する選択もありますが、運営上の問題から、起床や就寝、食事の時間など、これまでとは異なり、ある程度の制限があります。

規則正しい生活とも言えますが、これまでの自由も制限されることにもなるので、介護施設という選択が選ばれる理由は積極的な意思決定ばかりではありません。

実際にこみちは介護福祉士の有資格者ですが、施設の利用者が入所を決めた理由として「家族の負担軽減」や「子どもの家庭問題」を挙げる人もいます。

どうしても在宅での介護は、家族の負担を伴います。

まだ大半のことをできる段階であれば、在宅介護も成り立ちますが、「老化現象」が顕著になるとそれも難しくなってくるでしょう。

一人の高齢者を若者一人で世話するとのはできません。

目安としては、高齢者一人を最低でも3人で支えるくらいでないと、高齢者介護を継続することは難しいのです。

つまり、介護施設を設置し、高齢者介護を介護スタッフが効率的に行うことで、子どもたち世代の負担を含め、社会構造の維持を担うことができます。

「車旅」の未来像を考える

もちろん、だからといって介護職を勧める訳ではありません。

しかし、観光を目的とした「車旅」ばかりが唯一の選択肢ではなく、就労を目的としてもいいのではないかと思うのです。

それこそ、介護施設では、週に数回、高齢者の娯楽や健康維持として歌やダンスなどをスタッフが一緒に楽しむイベントがあります。

楽器演奏や、漫才など、実質15分前後の出し物ができると喜ばれます。

それ以外にも、書道や絵などもありますし、理美容師ならカットする仕事でも役立ちます。

全国各地を巡りながら、介護施設で仕事を請け負うということでも、車旅をまた異なるものにしてくれるでしょう。

農業支援や古民家再生など、農業技術やDIYといった経験を活かした「就労」目的の車旅も視野に入れられるはずです。

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